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ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

10-30-2014鹿鳴荘便り【全面敗訴への反響】難波先生より

2014-10-31 05:55:01 | 修復腎移植
号外「全面敗訴」への反響が大きく、多くの読者からA4サイズ(40字X40行)に転記して4枚になるほど激励の文章を頂いた。

【判決への私見】 まず10/28記者会見の場で述べた私の3点にわたるコメントを紹介する。

1) 判決は日本移植学会幹部の被告らが、修復腎移植を禁止する国のガイドライン作成に関与もしくは影響を与えていないと事実認定しているが、これは間違っている。

 12/26/2006「朝日」は、<「病気腎移植」に包囲網。年明けにも5学会、統一見解>と当時の移植学会の田中紘一理事長、大島伸一副理事長が、関連4学会に働きかけ修復腎移植を禁止する「統一見解」を出す方針で動いていることを報じた。(写真1)
(写真1)
 「包囲網」とは凶悪犯の逃走経路を遮断し、追い詰めて「袋のねずみ」にして逮捕する場合に使用する用語であり、当時の「朝日」は修復腎移植とそれを行った瀬戸内グループの医師たちを「凶悪犯」になぞらえて報道していた。

★4/1/2007「朝日」は、「厚労省、学会を支援. 移植への不信感、一掃へ二人三脚」と06年11月はじめ、大島伸一副理事長から厚労省の外口崇健康局長に対して、電話での協力要請があったことを、初めて記事にした。(朝日の特ダネ)
 大島「このような医療は絶対に容認できない。学会が責任を持って事実関係の解明にあたりたい」。
 外口「厚労省としても重大な関心を持っています。最大限、学会を支えます」。
 松山地裁の判事たちが、ちゃんと給料分の仕事をして、当時の被告たちの動向を調べていれば、厚労省は学会の圧力により修復腎移植禁止の「ガイドライン」を作成したことは明々白々である。
 それを煽った「朝日」の罪も重い。今の「朝日」苦境は「天罰てきめん」だろう。患者を説得して「朝日不買運動」を8年間続けている移植医もいる。

2)およそ裁判官たるものは先行する判例を学ばなければならない。研究者が先行研究を熟知しておかなければならないのと同様である。その点で、10/28の西村欣也裁判長以下、今回の松山地裁「西村判決」にかかわった判事たちの不勉強ぶりが目立つ。

 06年に発覚した「宇和島腎臓売買」事件の判決は、同年12/26に松山地裁で行われた。翌日の「毎日」は判決文から「起こるべくして起きた」と裁判長が国における移植の制度不備を指摘したことを報じている。(写真2)
(写真2)
 この頃「毎日」では本社の学会べったり大場あい記者と万波理解派の松山支局津久井達記者の意見相違があり、毎日の「判決要旨」からは「起こるべくして」の箇所が削除されている。
 これは12/27「愛媛新聞」記事には載っているので、その箇所を示す。この頃の「愛媛」は阪大閥が支配する愛媛大学医学部からの情報に依存しており、全体としては学会よりの記事を載せていた。しかし「判決要旨」にまでは「自主検閲」の目が届かなかったようだ。(写真3)
(写真3)
 判決では「本件は、生体臓器移植の制度上の問題が存在することに加え、死体からの臓器提供が不足し、多数の待機患者が存在する現状下で起こるべくして起きた。」と述べている。
 この「宇和島地裁」判決の指摘を受けて、私は「修復腎移植」実現のための「私戦」を開始したのである。

2) 修復腎移植はもう日本以外の先進国では「常識」になっている。日本の臓器移植は韓国よりも遅れている。
 徳洲会による修復腎移植の臨床研究は学会発表が3度も国際学会で受賞したが、このたび小川先生が執筆した「前向き研究の結果」を書いた英語論文は査読者判断ではなく、トップの国際学会誌では「編集者判断」により不採用になった。「常識的な内容は載せられない」というのだ。
 「人間を幸福にしない日本というシステム」を臓器移植において生み出したのは、日本移植学会の幹部たちと自らは腎移植を受けていながら「日本臓器移植ネットワーク」の役員になることにより、「貴族化」した一部の移植患者のせいだ。
 作家のエミール・ゾラは「ドレフュース事件」に際して「私は糾弾する(J’accuse)」という有名な一文を発表し、無実の罪を着せられたユダヤ人仏軍大尉ドレフュース救援のために戦った。
 今回の松山での取材により、阪大系学者の「男の嫉妬」のルーツにかかわる貴重な証言をえた。いずれ「修復腎移植ものがたり」で取り上げる。
 移植学会幹部が修復腎移植に関する演題発表を却下し、言論の自由を妨げてきたのはまごうかたない事実で、曲学阿世の徒ならぬ「法匪」にちかい裁判官とならんで許せない。


【ご指摘などへ】
① 2006/11当時の広島「医療と倫理を考える会」の会長学歴について、「阪大医卒」と書いたことについて、「関西医大卒、阪大大学院」が正しいとのご指摘があった。これについては当時ご本人に「先生は、学校はどちらですか?」と聞いたら「阪大です」と返事があったので、前任地が愛媛大医学部でもあり、てっきり阪大医卒と思い込んでいた。広島大同窓会名簿に「阪大(院)」とあり、「中外医育機関名簿」にも「阪大(院)」とある。
この意味は「医学部は阪大でなく、大学院が阪大」ということだ。東大、京大卒ならむしろ後に何も付け加えない。
② 広島ペンクラブのOさんから
<そもそも日本の裁判制度は国民主権ではなく、民主主義の仮面を被ったに過ぎません。にも関わらず、法務大臣以下、法務省の役人、判事も検事も、さらには弁護士さえ異議を唱えないという実に馬鹿げた、珍妙極まりない裁判制度です。皆が、裁判に関わって飯が喰えれば良いのです。
 だから今回、万波先生のように献身的で正しい行為でも「何だかんだと理屈をつけて」敗けるし、原発裁判のように「幾ら危険だろうと」電力会社が勝ち、原告の住民はことごとく敗訴しています。こんな有り様が罷り通るのですから、私なんかアホらしくてたまりません。
 なにかお手伝いできることがありましたら、私にご用命ください。死力を尽くしてやる所存です。>
 と助っ人の申し出があった。ありがたい。
③ パーキンソン病と闘っている新潟のOさんから、長文の励ましをいただいた。
<残念!この訴訟にかける難波さんのエネルギーを、無言だが熱い眼差しで読み続けてきた私、その経験を記して励ましのことばとしたい。…
宮沢弁護士は本当に勝訴したと思っていないのでしょう。幾多の経験から。>
不自由な手で午前2時までかかって書いたそうだ。友人はありがたいものだ。病気にさわらないことを祈る。
④ 元福島県立医大学長のW先生から、
<修復腎移植の判決は期待していただけに非常に残念でした。
これまで精魂を傾けてきた貴兄の落胆は想像に余りあるものと思います。
(控訴すれば)最高裁には勇気のある裁判官が時々みられますので。
移植学会も世代が変わると変化がでてくるかもしれません。>
という感想を頂いた。

⑤ 下関のK先生から、
<文面に“修復腎移植は当面断たれた”とありますが,これは飽くまでも先進医療,その先の保健医療への道が困難になったと云う意味であり,臨床研究での施行は引き続き可能と理解してよろしいのでしょうか?> という質問があった。
 もちろん「臨床研究」として行うのは何ら問題がありません。これは総合病院ならどこでも可能で、何も宇和島徳洲会病院が独占しているわけではありません。昔の「学用患者」と同じで保険適用にならないから、病院負担になるだけです。
⑥ 日経連載小説「禁断のスカルペル」の舞台となっている東北のある総合病院長から、メルマガの申し込みがあった。
<先生のご著書「覚悟としての死生学」を読んで感銘を受けました。その後、修復腎移植で先生の活動を目にしました。今回、先生の「鹿鳴荘便り」なるメルマガの存在を知りました。是非読者になりたいと思い検索しましたが、難波塾のホームページにしかたどり着けませんでした。読者になるにはどこへ問い合せたらよいかお教えいただけませんでしょうか。>
 絶版になっている文春新書をお読み下さり、嬉しく思います。さっそく「配信リスト」に登録しました。
⑦ 武田ブログにこういう書き込みがある。
<Unknown (Unknown):2014-10-30 01:53
お疲れさまでした。
 判決では、原告適格性や訴訟性は認めた上で、被告の言動が社会通念上許容される範囲内であった為違法性がないとの判断だったわけですね。

 学問は「正しい事」が勝利しますが、実世界は政治が支配しています。「正しい事」を適切に行う為には権力(政治力)が必要です。本当に患者のためを考えれば、実質的に政治を掌握している移植学会を内部から変えていくような方策がとれなかったのか、と思います。
世代交代を待つしかないのか。10年、20年かかるとしても、若手から意識改革をはかるべきですね。>
 人工透析の技術も向上しているが、「10年で半数が死亡する」という大きな傾向には変わりがない。学会の世代交代が必要だと思うが、患者は10年も20年も待てない。
 早急に世論を盛り上げ、政治を動かすしかないというお説には同感です。


 今後、進むべき道は患者会や徳洲会が決定することだと思いますが、方向性としては上訴、先進医療の再申請、(再申請では移植学会がらみの委員会委員が妨害するので)ダイレクトに保健医療としての認可を目指す(日本医師会には賛成論の副会長がいるとか)の三つが考えられます。それらを同時に全部やるか順番にやるか、それとも「一点突破、全面展開」作戦にするか、それは私にはわかりません。
 ともかくこれは日本医療史に残る大事件です。引き続きペンで戦って行きたい。

 

 

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13 コメント

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Unknown (Mr.S)
2014-10-31 11:22:32
>2) 修復腎移植はもう日本以外の先進国では「常識」になっている。日本の臓器移植は韓国よりも遅れている。

果たしてそうだろうか?
ウィキペデイアには次のように記載されているので【貼り付けておく。↓

≪日本国外における現状

近年、日本国外においても病気腎移植の報告はある。

オーストラリアでは60歳以上もしくは重篤な合併症を持つレシピエント限定ではあるが、死体ドナーからの移植3例を含む小径腎腫瘍患者をドナーとした43例の報告がある。ただし、万波移植と違って、病腎摘出とレシピエントの手術は異なる医師によって行われた[2]。

またアメリカ合衆国でも、今まで使われていなかった機能の落ちた腎臓を使用する取り組みが行われている、ただしこれは病気腎ではなく、Expanded-Criteria Donor (ECD)、機能低下腎と呼ばれており、アメリカにおいても悪性腫瘍の臓器をもちいた移植は論文報告での実験レベルである。≫

これを読む限りでは常識と言える範囲ではないような気がする。

返信する
Unknown (Unknown)
2014-10-31 22:16:22
>松山地裁の判事たちが、ちゃんと給料分の仕事をして、当時の被告たちの動向を調べていれば

資料調べは判事の仕事ではないと思います。今回は民事訴訟ですよね。事実関係の立証責任は原告側にあるのでは? 間違っていたら指摘してください。
返信する
Unknown ( 花職人)
2014-11-02 00:34:42
こんばんは。

地裁(一審)ですよね?
「裁判官が被告の行動をちゃんと調べる仕事をしていれば、、」
原告側の証明が足りない部分を補う書類が高裁に出せますね。

地裁裁判官の解釈は抽出した事実に誤認があります。「稚拙とのそしりを免れない」です。
判決文は短絡的で稚拙ですが、原告側が控訴することは目に見えていますので、稚拙な判決文の真意は和解への布石でしょうか。

徳州会病院は死亡率が高いという評判がありますが、他の病院が受け入れない患者も徳州会病院は受け入れて尽力するから必然的に死亡率が高くなる訳で。

3方向、応援しています。


Mr.S様、
Wikipediaは正解も間違いも混在していますので、Wikipediaを鵜呑みにコピペしては、Mr.S様のせっかくの知性が台無しになります。



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Unknown (花職人)
2014-11-02 00:42:09
徳洲会、でした。失礼しました。
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Unknown (Mr.S)
2014-11-02 00:51:22
鼻職人 殿


では、正解的な文章のコピペを張り付けて下さいよ。

返信する
Unknown (Unknown)
2014-11-02 01:29:19
宇和島の万波医師といえば、こういうニュースもありましたね。
https://www.ehime-np.co.jp/rensai/zokibaibai/ren101200803204345.html
返信する
Unknown (Mr.S)
2014-11-02 01:37:51
結局はその程度の医師というわけだ。
「暗黙知」などと格好つけている場合ではない。
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Unknown ( 花職人)
2014-11-02 13:02:12
私は専門家でもなく見た訳でもなく上記URLの訴訟書面を読んでおりませんが、私の父親は腸管がとても脆くなっていて腹膜炎で亡くなりました。服用した薬でも腸管が脆くなります。

受刑者の排泄物を洗い流すのに刑務官がホースで放水し、受刑者の腸管が破れ死亡した事件がありましたが、薬物のせいで腸管が脆くなっていたことが分かり刑務官は無罪となりました。
さURLの事例だけでその程度の医師という決め付けはいかがなものでしょうか。
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Unknown (Mr.S)
2014-11-02 18:56:27
判決は下ってるんだ。
それまでの医師なのさ。
返信する
Unknown ( 花職人)
2014-11-03 00:39:42
上記URLの事件を私は知らないので何も申し上げられません。傷つく方がいらっしゃるかもしれないのにすみません。
ただ、判決や和解調書だけ読んでも真実は分からないですよ。

Mr.S様、在特会にヘイトスピーチの賠償命令が下っていましたが、在特会会長はそれだけの男ってことで宜しいんですね。
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