ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【書評】斎藤美奈子『文章読本さん江』/難波先生より

2014-08-04 18:05:22 | 難波紘二先生
【書評】エフロブ「買いたい新書」の書評にNo.228:斎藤美奈子『文章読本さん江』( ちくま文庫)を取り上げました。
 http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1406253089
 著者は1956年生まれの評論家で,約700冊を扱った書評集『本の本』(ちくま文庫, 2012)という大作がある。上野千鶴子のように上段に構えたフェミニズを唱えないが,書評には男どもが意識しない「男社会」の立て前と本音の乖離を痛烈にえぐっていて,思わず噴き出してしまうという,不思議なユーモアがある。
 この『文章読本さん江』の「江」はパチンコ屋や商店の開店祝いの花環に付けられた紙札にある「パチンコ◯◯さん江」をパロッたものだ。文章読本を賛美しているように見せかけて,実は過去のそれら, 谷崎潤一『文章読本』を含め,を俎上に載せて徹底的に批判・批評したものだ。調理の仕方,批評の語り口はまことに見事で,男社会からもウケて第1回「小林秀雄賞」を得た。単行本(2002)刊行時の男たち4人による書評が巻末に収録されているが,「<文豪>たちの息の根止める一撃」(高橋源一郎)などと,みな素直に恐れ入っている。
 ぜひ手にとってお読み下ればと思います。
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