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ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【書評など】和賀正樹「これが<帝国日本>の戦争だ」難波先生より

2016-02-29 14:24:31 | Weblog
【書評など】
1)エフロブ「買いたい新書」の書評No.310に、和賀正樹「これが<帝国日本>の戦争だ」(現代書館)を取り上げました。今年は司馬遼太郎の没後20年にあたる。遼太郎は「この国のかたち」で,昭和の陸軍を「最後には国家そのものを博打場に放り込んで負けた」と形容した。彼の言う「博打場」とは「あの戦争」のことだ。昨年,戦後70年にあたり,あの戦争についても多くの書物や写真集が出た。いまや戦後生まれのトップが71歳となり,「戦争を知らない世代」が日本の多数派となった。彼らにあの戦争を想起せよと言っても無理だろう。
 だが「百聞は一見にしかず」という。伝聞では人の苦しみや悲惨さは分からない。その点,写真の持つ優れた記録性と文章によるナレーションを,見開きのレイアウトにした本書は抜群の迫真性を持つ。類書のなかで筆頭に位置するだろう。作者にはルポ作家や編集者としての経験もある。選ばれた写真は,多くはパブリック・ドメインにあるもので,「こんな写真もあるか!」と驚くほどだ。石川光陽,菊地俊吉など名のある写真家によるものもあるが、悲惨な写真の撮影者は多く勝者である米軍による。
 沖縄の首里攻防戦で戦死した日本兵の死体,まっ黒にハエがたかっている。「集団自決」した糸満市米須の住民の遺体状況,自決した牛島中将と長参謀長の遺体現場写真もある。沖縄だけでなく太平洋諸島における戦争を描く。硫黄島でたこつぼ陣地から一歩も動くことができず,火炎放射器で顔が完全に炭化するまで焼かれた日本兵が,穴から首を突き出したまま死体になっている。サイパン島では玉砕した日本兵と民間人の死体を,米軍がブルドーザーで広く深い溝を掘り,何百体を一括埋葬している。酷い。だが見るべきだ。これが戦争なのだから。
以下はこちらに、
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1456707938
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