ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【村上春樹とノーベル文学賞】難波先生より

2019-02-14 11:22:53 | 難波紘二先生
【村上春樹とノーベル文学賞】
 これは余談だが、同じ経済誌でも「東洋経済オンライン」が<村上春樹が「直木・芥川賞」を受賞できない理由>(川口 則弘 :直木賞研究家筆)という記事を載せている。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190210-00264622-toyo-soci&p=1
私は「ノルウエィの森」「海辺のカフカ」「ランゲルハンス島の午後」「1q83」を読んで不勉強の「羊頭狗肉」の作家だと思って愛想をつかした。タイトルと中身がまったく関係ない作品ばかりだ。たいていは古本屋で50円か100円で買う。「1q83」はジョージ・オーウェル「1983」と読みがそっくりなので、紀伊国屋のカウンターで店長に「これはオーウェル『1983』のパロディか?」と確かめて、「そうだ」というからハードカバー本を新品で買ったのに大ウソだった。「1983」の恐怖の未来社会を描いたものと異なり陳腐な文章の羅列にしかすぎなかった。
 「ノーベル文学賞」は作品の売れ行きや作家の書いた本の冊数とは関係なく授与される。英国の政治家ウィンストン・チャーチルは『第2次大戦回顧録』で1953年のノーベル文学賞を受賞している。これは確かに良く売れた。しかし1950年の同賞は、英国の哲学者バートランド・ラッセルの大著『西洋哲学史』(原著1945刊行、邦訳みすず書房、1954)に対して与えられている。ラッセルは「集合論」の専門家でもあり、数理哲学でも大きな業績を残し、平和運動ことに「核兵器廃絶」にも率先して取り組んだ人だ。しかし、『西洋哲学史』がベストセラーになったことはないし、読み通した人も少ないだろう。
このように娯楽作品を沢山書き、世界的ベストセラーになったとしても、ノーベル文学賞の対象となることはまずない。そもそも一昨年、ボブ・ディランに文学賞を授賞したところに、実は文学賞授賞委員会のセクハラ・スキャンダルが潜んでいたと見るのが妥当だろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【修復腎移植、厚労省が正式... | トップ | 【保護されていない通信】難... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

難波紘二先生」カテゴリの最新記事