ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【地震と花粉】難波先生より

2016-03-07 12:48:15 | 難波紘二先生
【地震と花粉】
 5度目の「3・11」が近づいて来た。曽野綾子「揺れる大地に立って」(扶桑社、2011/9)を漫然と拾い読みしていて、面白い記述に出会った。黒沢司という大震災前から山形の山奥で木樵をしていたボランティアから曽野が聞いた話で、文にはこうある。
 「揺れの直前に森は猛烈な花粉を放ち、やがて地鳴りと揺れの中で座り込むほかはなかった。」
 恐らく檜か杉の森の中にいて、見通しがきかず、初期微動で空間に花粉がパッと散るところだけが見えたのだろう。杉も檜も、花粉は白でないから、あまり目立たない。

 これを読んで、2001/3/24の午後15:27に発生した「芸予地震」(震源地=上蒲刈島南、深度51Km、大きさM6.7)を思い出した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B8%E4%BA%88%E5%9C%B0%E9%9C%87#2001.E5.B9.B4.E8.8A.B8.E4.BA.88.E5.9C.B0.E9.9C.87

 あの時私は東谷という隣の集落の外れにある雑貨店に自転車で買物に出かけ、両側を低い里山に挟まれた田園地帯を貫く県道を、自宅に向かってのんびりと走っていた。右前方にある遠くの民家とその裏の山から、突然「白い煙」が上がった。火事か?と思ったら、さらに白い梅の花びらが散り、「地震だ」と気づいた。煙ではなくて、花粉が飛び散ったのだ。
 その後の本格的横揺れでは、自転車に乗るのも困難だった。自転車は横に倒して、道ばたに座り込んで、揺れを観察した。道路脇の電柱2本が、「ゆさゆさ」と揺れるのには驚いた。コンクリートの電柱がまるで細い樹の幹みたいにしなるのを初めて見た。

 後で地震の時に屋外で作業していた町内の人たちに話を聞いたら、「山からパッと白い煙が立った」「山火事かと思った」と似たような経験をしていた。「電柱がゆさゆさ揺れる」ところは他には目撃談がなかった。

 考えてみると、固いコンクリートの電柱が、長さ10mはあるといえ、たわむように揺らぐはずはないと思う。地面の横揺れが激しく、早いために、網膜の残像効果により電柱の頭部と基部の像がずれて「たわんで見えた」のではないか、と思う。
 試みに長い鉛筆の下側をつまんで、目の前に立て、手を2/29激しく左右に震動させると、やはり電柱と同じように根元の部分が曲がって見える。ちなみに地震の後、車で町内の国道を走ってみたが、折れた電柱は1本もなかった。やはりあれは錯覚だったのだと思う。(間違っていたら、どなたかお教え下さい。)
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