ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【集団リンチ殺人】難波先生より

2013-07-20 14:41:20 | 難波紘二先生
【集団リンチ殺人】
 広島市の「専修高校」女子生徒(16)が、呉市北側にある休山(やすみやま)で元同級生の女(16)に殺害され、一部白骨化した死体が供述により発見されるという事件が起きた。死体は靴を履いていなかったという。
 7/19の「毎日」、「産経」は一面トップで大きく報じているが、地元紙「中国」は第一社会面でしか報じていない。この神経が私にはわからない。
 それと各紙とも第一容疑者のA子が「接客業」で、他の逮捕された6人と「市の中心部の6階建てアパート(マンションとした新聞もある)」に集団生活していたと書いているが、不審な点だらけだ。


 「接客業」とはいったい何か「組織売春組織の一員」だったということか?ならそう書けばよい。コンビニやファミレスを店員を接客業とは呼ばない。
 ついで「中心部のアパート」とはどこか?どうして町名が書けないのか?
 「基町高層アパート」なら市営だ。
 「平塚町」なら元の赤線地帯だ。ここは組織暴力団の事務所もあり、元締めが暴力団で、末端で売春をやっていたグループが金の配分をめぐって争いになったあげくの殺人ということも考えられる。


 ともかくワゴン車を使用し、車内で暴行を加えたあげく、呉の高い山の中で殺したか、死体にして崖から投げ棄てたという事件だ。関与した人物のうち自動車を運転した21歳の鳥取県の男を除き、みな18歳以下の「少年」というきわめて異常な事件だ。


 7/18未明になって、広島県警はあらたに鳥取県内の21歳男性と5名の未成年女子(鳥取県米子市、広島市に居住)を逮捕したという。http://mainichi.jp/select/news/20130718k0000m040125000c.html
 広島県では、近来まれにみる凶悪な「リンチ殺人」事件だが、地元紙の報道がパッとしない。「毎日」は広島、呉支局の社員を合わせても人数は多くないのに、よく情報を集めている。
 ただ文章は中国人記者が書いたものらしく、意味を取りにくい。英語なら不定冠詞と定冠詞でかき分けられるのだが、A子、B子というような書き分けが日本語では必要になる。
 それと「動機」について、他紙はきわめてあいまいな報道しかしていない。
 「接客業」とは普通売春を意味するが、もっと突っ込んだ報道を願う。


<広島県呉市の山中に若い女性の遺体が遺棄された事件は、新たに6人が死体遺棄容疑で逮捕され、新たな展開を迎えた。既に逮捕されている広島市の少女(16)や6人のそれぞれの役割について調べるとともに、少女と被害者の間の金銭トラブルの実態について解明を急ぐ方針。

 県警などによると、逮捕された6人の中には、被害者とされる広島市内の高等専修学校に通っていた元同級生の女子生徒(16))の知り合いも含まれているという。

 関係者によると、少女は接客業のまとめ役をしていて、利益の分配などを巡り、女子生徒との間でもめていたという。

 この接客業については少女が最初に関わり、女子生徒らに声をかけて一緒に始めるようになった。当初は順調だったが、途中からトラブルになっていたという。

 少女は12日午後、母親に付き添われて県警広島東署に自首。「友達を殺して灰ケ峰(はいがみね)に捨てた」と話し、供述通りに遺体が発見されたため、16日未明に逮捕された。>


 呉市は北を灰ヶ峰、東を休山、西を魚見山により囲まれた窪地で、狭い平地にはかつて海軍の施設があり、住宅地は山の斜面にある坂の町だ。かつては北側には道路がなく、東と西からはトンネルによってしか、この町は攻めることができなかった。
 呉湾の前が江田島で、呉港は東は狭い音戸の瀬戸により瀬戸内海に、西は江田島と本土の間の水道により広島湾に通じている。従って海から攻めるには 広島湾を通過するしかなかった。
 この地形が、かつて海軍が 横須賀と並んで呉を軍港として選んだ理由である。


 山が多いので、殺人死体は山に捨てられることが多い。滅多に人が行かないので発見が遅れるからだ。
 かつて 魚見山トンネルの上の山にも 殺人死体の遺棄がなされたことがあり、この事件も解決までに ずいぶん時間がかかった。
 20年くらい前には、呉共済病院のFという女性検査技師が、自宅で死体となって発見されるという事件が起きた。母親が死んで一人暮らしだった。兄が1人おり、第一発見者だった。被害者は生命保険をかけており、保険金殺人がまず疑われたが、結局、呉署は犯人を割り出せず、事件は迷宮入りした。


 このように呉署を中心とする「広島県警」の捜査能力は低い。たかが16歳の「高校生」が、県を越えて「交友関係」を結び、広島市から 呉市灰ヶ峰という くねくねとしてアプローチも難しい、犯行現場に行くことができるのは、「車社会、ネット交友」という、かつてなかった「移動・人脈」関係が成立しているからだ。この生活環境の大きな変化に、警察がどれほど対応能力をもっているか疑わしい。


 この事件は、いわば「来るべき社会」の予兆とも言うべき事件だ。地元紙「中国」も「毎日」に負けないで、本気に報道し トロい県警・呉署の尻を叩いてもらいたいと思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【索引不要】難波先生より | トップ | 【文藝春秋9月号】難波先生より »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

難波紘二先生」カテゴリの最新記事