ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【昨日までの世界】難波先生より

2013-02-25 12:27:40 | 難波紘二先生
【昨日までの世界】(The World Until Yesterday)というジャレド・ダイアモンドの新作が出た、とSFCの加藤君が知らせてくれた。読み終えたところだそうで、「アーノルド・トインビー以来の、スケールの大きい歴史書だ」と絶賛している。トインビーの『歴史の研究』はヘーゲル/マルクス流の「歴史法則」を否定したことと、「文明の分類」を行ったという功績がある。


 サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』は後者を引き継ぎ、「日本文明」を独自文明に分類した。イスラーム文明と中華文明との摩擦が、現代世界の不安定要因であることを考えると、適中した予測といえるだろう。


 ダイアモンドの本は昨年暮れに英語版が出ているのに、なぜ1月に丸の内丸善の洋書売場になかったのか不思議だ。日本語版は『銃・病原体・鉄』(草思社文庫、2冊本)でヒットを飛ばした倉骨彰訳で日経新聞社からもうすぐ出るようだ。
 http://www.amazon.co.jp/昨日までの世界-上-―文明の源流と人類の未来-ジャレド・ダイアモンド/dp/4532168600/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1361658589&sr=1-2


 これも邦訳は2冊本になり、消費税を入れると価格が4000円を超える。英語版だと「新古品」が1冊本で2,200円だ。書棚にもう余裕がないので後者を買うことにした。ペーパーバックで十分だ。原本を読むか、訳本を読むかというのは、洋画を字幕付きで見るか、吹き替えで見るかというのに似ている。吹き替えでもストーリーは変わらないが、俳優の生の声は聞こえない。ハンフリー・ボガードの声のない「カサブランカ」を少なくとも私は観る気がしない。せめて英語の本くらいは、著者の文体や用語法を味わうようにしたいと思う。たとえ読書スピードは落ちるにしても。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【脳死】難波先生より | トップ | 【献本】難波先生より »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

難波紘二先生」カテゴリの最新記事