文文文文文その2

2005-02-25 06:04:32 | Weblog
こうしてつまらぬ文章を、だらだらだら
だら書いていると、こんな駄文にも文体の
ようなものがあるのが不思議である。

 語彙やら文のリズムやら、なんかのマネ
だなと薄々は感じていたのだが、こないだ
ある文を読んで、「あ・・・これの影響を受
けてたのか」と自覚した。「読書子に寄す」と
いう、岩波文庫の最後についているアレ
であった。

「真理は万人によって求められることを自ら
欲し、芸術は万人によって愛されることを自
ら望む」で始まる、当時の岩波書店社長の岩
波茂夫が書いたこの文は、リズムといい語彙
といい、そしてその格調高き内容といい、高
校時代の脂ハゲ(当時は髪アリ)を引き付ける
のに充分なアビリチーを持つ文であった。

 「キチガイの真似をして大通りを全裸で
走ったら、それは本物のキチガイだ。悪人の
真似をしてひとを殺したら、それは本物の
悪人だ。よって、聖人の行動を真似る者は、
それだけで聖人に近づいたといえる」吉田
兼好が徒然草で述べていることである。こ
れが真理であるのなら、少しでも名文を真似
ようとしているわたしの人格も、やや高い
方へと目指しているといえるのか。

「頭髪はひとの頭皮において伸びうること
を自ら欲し、禿頭は頭髪のフサフサである
ことを自ら望む」

 なにより気になるハゲ頭。いくら文を真似
たとしても、ひとの器までは変えられないの
であった。