キャバクラ賛

2005-02-21 21:25:09 | Weblog
ひさしぶりの直出の出張、ラッシュアワーの小田急
線新宿行の電車になど乗ると、慣れない身には頭が
クラクラとしてきますな。あんな中でも、携帯片手
にメール打ってる女性がいる。こっちとしては身動
きできん状態で目をそらすのもおっくうなので、マ
ナー知らずを承知で携帯のディスプレイ見ていると
・・・

「今から長野にスキーです。あと、店長や調理場の
人にわたしがキャバ勤めしてること言わないでくだ
さいね」

 長野に行くなら町田で降りて横浜線使って八王子
行った方がよくねーか、とよけいなことを考えるよ
り、そうか、ここにもキャバ嬢がいたかと。たいへ
んだな本当に。

 ニット帽に眼鏡かけたこの女性、どう見ても可愛
いとか美人とか、そういう言葉とは無縁の女性であ
ったが、女とはやぱし化け物、メイクひとつでさそ
り座の女に化けるのかしれん。純粋にプライベート
のキャバクラ勤めを見る機会はなかなかない。同伴
や店外でキャバ嬢と会ったこともあるが、あれはあ
くまで営業、客に心を許すことはあまりない。

 キャバクラ勤めもかなり日の当たる仕事になって
きたようではあるが、やはり偏見を持つものの方が
マジョリティ。男喜ばすために嘘が必須のこの仕事、
「誠」をなにより尊ぶ頭の固い人間のなんたる多さ
よ。モテナイおっさんたちは「嘘」に対して喜んで
金を払っている。小説も「嘘」、映画も「嘘」。ならば
同じく「嘘」を売り物にするキャバ嬢を、さげすま
ねばならぬ理由などどこにもない。

 店の中で男を楽しませようとする意思、それに関し
て嘘がないなら、それでいいのだ。

 てなわけで落語の「紺屋高尾」を読んだりする。
一生懸命働いた若い職人が、三年がかりで金をた
め、絵姿に一目ぼれした花魁を抱きに行く話だ。
この花魁を女性アイドルタレントに置き換えて、
いまの若いやつらに語ったなら、無業者ももう少
しは少なくなるかもしれない。