で、本編。見たのは「椿山課長の七日間」。浅田次郎原作
のアレでありますな。
浅田次郎の「感動モノ」というのはだいたいストーリーの骨
子が似ていて、「生きてる人間の死んだ人間に対するさまざ
まな『こだわり』、それも悪い意味の『こだわり』を、死者が現
世に甦り消してくれる」というパターンがかなり多い。「鉄道員
(ぽっぽや)」も「角筈にて」も「うらぼんえ」もこのパターンであ
った。
この作品もおなじパターンを踏襲している。ただ大きく違う点
はいままでの作品はこの世に取り残され悔いている生者の視
点から世界を捉えていたのだが、この作品においては視点が
この世に戻ってくる死者なのだ。しかも「現世の時とはまったく
違う外見でこの世に戻ってくる」というシバリをかけたため、お
涙頂戴一本槍ではなくコメディの要素も色濃く持つこととなった。
で、感想をひとことで言うと、「まあまあ面白かった」。安定し
た泣きのパターンの浅田節、やっぱ例の「死者が生者を許す」
シーンで、脂ハゲほんのちょぃ涙ぐみました。あのパターンには
やはり弱い。以下ネタばれ注意。
ただやはり原作を先に読んでるこの身、映画というのは時間
的な制約もあり一部改変するのもしようがないと思うのだが、原
作では大きな意味を持っていた主人公の「邪淫の罪」が、まった
く触れられていないのはちよっとアレであった。つーか、同期入
社の女性との関係が、映画では極めてあっさりとしたものになっ
ているため、その分感動が弱いのだ。まああの部分については、
「46歳の女性の抱く思いとしては、やや重すぎ」という批判もあ
り、それで変えられたのかもしれないのだが。
あと大きな相違といえば、原作ではラストにおいてヤクザの武
田と主人公の父親が地獄行きになるのたが、映画では全員天
国へ行けるというハッピーエンド。映画の方が「安易だなあ」とい
う感じはするものの、後味ははるかにいいというのも事実。この
辺のストーリーの料理の仕方というのは、創作者の個性がモロ
に出ている結果なのか、それとも「興行収入」という数字がシビ
アに求められる映画というもの特有の、当然の改変なのか。そ
このところを考えるのもなかなかに楽しい。
自分が死に、この世に戻ってきたらどう行動するか。難しい問題
ですな。とりあえずよみがえるときの外見は叶美香を希望。
のアレでありますな。
浅田次郎の「感動モノ」というのはだいたいストーリーの骨
子が似ていて、「生きてる人間の死んだ人間に対するさまざ
まな『こだわり』、それも悪い意味の『こだわり』を、死者が現
世に甦り消してくれる」というパターンがかなり多い。「鉄道員
(ぽっぽや)」も「角筈にて」も「うらぼんえ」もこのパターンであ
った。
この作品もおなじパターンを踏襲している。ただ大きく違う点
はいままでの作品はこの世に取り残され悔いている生者の視
点から世界を捉えていたのだが、この作品においては視点が
この世に戻ってくる死者なのだ。しかも「現世の時とはまったく
違う外見でこの世に戻ってくる」というシバリをかけたため、お
涙頂戴一本槍ではなくコメディの要素も色濃く持つこととなった。
で、感想をひとことで言うと、「まあまあ面白かった」。安定し
た泣きのパターンの浅田節、やっぱ例の「死者が生者を許す」
シーンで、脂ハゲほんのちょぃ涙ぐみました。あのパターンには
やはり弱い。以下ネタばれ注意。
ただやはり原作を先に読んでるこの身、映画というのは時間
的な制約もあり一部改変するのもしようがないと思うのだが、原
作では大きな意味を持っていた主人公の「邪淫の罪」が、まった
く触れられていないのはちよっとアレであった。つーか、同期入
社の女性との関係が、映画では極めてあっさりとしたものになっ
ているため、その分感動が弱いのだ。まああの部分については、
「46歳の女性の抱く思いとしては、やや重すぎ」という批判もあ
り、それで変えられたのかもしれないのだが。
あと大きな相違といえば、原作ではラストにおいてヤクザの武
田と主人公の父親が地獄行きになるのたが、映画では全員天
国へ行けるというハッピーエンド。映画の方が「安易だなあ」とい
う感じはするものの、後味ははるかにいいというのも事実。この
辺のストーリーの料理の仕方というのは、創作者の個性がモロ
に出ている結果なのか、それとも「興行収入」という数字がシビ
アに求められる映画というもの特有の、当然の改変なのか。そ
このところを考えるのもなかなかに楽しい。
自分が死に、この世に戻ってきたらどう行動するか。難しい問題
ですな。とりあえずよみがえるときの外見は叶美香を希望。