HOBBYに首ったけ

2005-02-05 00:07:58 | Weblog
スーパーで買い物などをする。複数の店を比較し、
一円でも高いモノを買ったと知ると、歯噛みしてく
やしがる脂ハゲ。同じ男がキャバクラなどへ行き、
「ドリンク頼んでもいいですか~♪」と甘い声でさ
さやかれると破顔一笑、即座に応諾する。そのドリ
ンクはたいていの場合一杯千円(税・サービス料は
含まず)。昼間の買い物で一円単位をセコセコ節約
しても追いつく額ではない。

 このように人間の金銭感覚というのは理屈のみで
は割り切れない。 普段吝嗇で知られている人間が、
趣味に関しては信じられない大金を平然と投じる。
男の趣味としてヤバイのは車、カメラに腕時計だそ
うだが、案の定、わたしも40近くになって腕時計
にハマった。一般人にとって新品10万円の時計と
いうのは結構な高級時計のはずだが、時計オタにと
っては単なる中堅機に過ぎない。「せめて中古30万
くらいの時計が欲しいな~」と欲望はどんどん膨ら
んでくる。「そんな高い時計買っても、時間に変わ
りがあるわけじゃないだろ」というのはわたしの母
親の発言であるが、これはまさしく的を射ている。
ただその言葉の「正しさ」が理解不能になってくる
ところが、「趣味」のタチ悪いところなのだと思う。

 この間中野の時計屋をぶらぶらしていたら、婦人モ
ノの新品フランクミュラーに38万の値札がついてい
るのを見、思わず「やっすぅぅぅぅ」と大声をあげて
しまった。38万の時計を見て「安い」と感じるその
ことが異常だとは思うが、高級時計をショーウインドウ
越しにずっと見ているとそういう感覚にもなってくる。
新宿の某時計店の、中古売場に1500万(内税)の
値札のついた宝飾時計が置いてある。ああいうものを
見るにつけ、時計狂いの業の深さを思わずにはいられ
ない。

 服はほぼ量販店の安物で固めているのに、何故腕時
計のみ高級ブランドなのか。答えはごく単純であり、服
は自分で見るものでなく他人から見られるもの。対して
腕時計は自分が見るものだからだ。「他人から見られる
こと」を軽視するというのは、老化の証拠だとどこぞの
記事で見た記憶があるが、もしそれが本当ならば、わた
しは生まれた直後から老化していたのかもしれない。

 きょうも腕には39万のヴァシュロンが巻かれている
が、それに関して他人から反応があったことはない。
自分が思うほど、他人は自分を見ていない。これはやはり
思いっきり真実なのであるな。