日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

梅雨空の京都を行く 2019 - 帰着

2019-06-09 23:51:31 | 近畿
関ヶ原を越えて濃尾平野に下りると、雨粒が窓を叩いているのに気付きました。関東に戻ると本降りの雨でした。しかし、あちらでは土日を通じて小雨すらなく、それどころか時折日も射すそれなりの好天だったわけです。梅雨空をかわせたのは幸運だったといってよいでしょう。
この時期に関する限り、天候についての期待値が元々高くありません。雨さえ降らなければ、あるいは暑くならなければ十分です。そのような前提で考えれば、来週末も活動の余地はまだまだ残っています。天気予報を注視しつつ、機会を窺うつもりです。
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - ひかり536号

2019-06-09 20:56:23 | 近畿
どうにか狙い通りの列車に駆け込みました。最終の一本前の「ひかり」に乗って帰ります。
年を追うほど、速さ一辺倒ではなく、快適さとの両立を追求する傾向が強まってきました。快適さを直截に定義するなら、空いていることといっても差し支えありません。東北から戻るとき、「やまびこ」を多用するのもそのためです。同様の観点に照らし、今回も「ひかり」で帰りたいと思っていました。それも、最終の10分少々前を雁行する列車です。「のぞみ」と比較した場合、停車駅に米原と静岡が加わるに過ぎず、所要時間の違いもたかが10分ほどに過ぎません。それでいながら格段に空いているという乗り得の列車だけに、最終よりもこちらの方が好ましかった次第です。
しかし、難波を出るのが八時過ぎとなった時点で、何とも微妙な情勢になってきました。淀屋橋のロッカーに預けた荷物を引き取って、新大阪に着いたときには発車まで5分足らずに迫っていました。重荷を担いでコンコースを歩き、特急券を買ってホームへ上がる一連の流れを考えると、かなり厳しい状況です。それでも一縷の望みをかけてそのまま歩くと、ホームに上がった瞬間に発車のベルが鳴り出すという顛末でした。
そのようなわけで、性懲りもなく紙一重ではあったものの、逃しても次があるという心理的な余裕のおかげで、終始慌てる場面はありませんでした。空いた列車で悠然と帰ります。

★新大阪2026/ひかり536(536A)/2308東京
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - おかめ

2019-06-09 18:59:56 | 居酒屋
「ひかり」で帰るつもりなら、八時までには難波を出る必要があります。時間的にも体力的にも、さらに二軒のはしごは厳しく、次が実質最後となります。トリを飾るのは法善寺横丁の「おかめ」です。
二者択一で悩んだのは二軒隣の「上かん屋」です。去年も訪ねた「おかめ」に対して、「上かん屋」については一昨年が最後でした。順番で考えるならあちらへ行くべきだったともいえます。しかし、既に二軒はしごして、腹が相当満ちてきたのも事実です。無理に飲み食いするよりも、おでんを肴に軽く一杯やりたいという心情が勝りました。
実は二軒目から同行者がいます。しばしば登場する関西在住の仲間です。「初霞」へ向かうのが確定的となった時点で、暇を持て余しているようならと前置きの上、難波まで出て来られないかと一報入れました。いわゆる「無茶振り」にもかかわらず、毎度快諾してくれるのには恐れ入ります。次は甲子園を巡礼する再来月になるでしょうか。そのときにまたお会いしましょう…

おかめ
大阪市中央区難波1-1-8
06-6211-0761
1730PM-2230PM
祝日除く月曜定休
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - 正宗屋

2019-06-09 17:59:43 | 居酒屋
ミナミの繁華街が直近の数年で様変わりしました。有り体にいえば外国人、特に中国人観光客が激増したのです。明るいうちに再訪して、およそ正視に耐えない俗化ぶりを改めて実感させられました。
堺筋には外国人観光客を当て込んだ商業施設が造られて、車寄せに大型バスが次々発着する有様。道頓堀の畔にも外国人がたむろしており、戎橋など近寄る気にもなりません。とはいえ変わらぬ空間もあるにはあります。しばしの腹ごなしを経て「正宗屋」へ飛び込みました。
日曜の夕暮れ時ということもあり、カウンターは手前の方から隙間なく埋まった盛況。奥の方に残っていたわずかな空席に通されると、その位置からの眺めがまことに上々です。左斜め前に板場が、右斜め前に惣菜を収めたガラスケースがあり、玄関の方へ向かって鉄板、コンロ、おでん舟と酒燗器が続いていて、それぞれの持ち場で板前とお姉さんらが立ち回る様子を目の当たりにすることができます。決して広くはないながらも、機能的に設えられたカウンターを駆使し、熟練した面々が無駄なく立ち回る機能美と連携の妙は、横須賀の中央酒場を彷彿させるものです。しかし全く違う点もあります。
その一つが目の前のガラスケースに並んだ肴です。きずし、小芋、鯛の子に冬瓜など、関西ではありふれた、しかし関東にはなかなかない品々に、西と東の文化の違いを実感させられます。もちろんどれを選んでも外れはなく、なおかつ値段も良心的、というよりこの値段でいいのかと思えるほどの安さです。やはり、直売所こそ大阪の真骨頂と改めて思います。

正宗屋
大阪市中央区千日前1-4-14
06-6211-0339
1230PM-030AM(土曜 1100AM- /日曜 800AM- )
水曜定休
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - 初霞

2019-06-09 15:59:00 | 居酒屋
北浜まで一駅歩き、堺筋線で日本橋へ移動してきました。明るいうちから呑むのはいつ以来でしょうか。毎度おなじみ「初霞」の暖簾をくぐります。
京都に傾倒すればするほど、大阪を訪ねる機会はその分減ります。去年は一度も泊まる機会がなく、立ち寄ったのも二度だけでした。そこまで機会が絞られると、新規の店へ行く余裕はなく、必然的になじみの店の再訪となります。その中でもとりわけ愛用してきたのがここです。
教組の言葉を借りて、「実家」という表現をしばしば使ってきました。京都でいうなら「きのした」がこれに近い存在といえるでしょう。「実家」というからには、店主自ら差配する店であってほしいというのが自分なりの解釈です。かような観点からすると、この店を「大阪の実家」とまで言い切るにはいささかのためらいもあります。しかし、少なくとも「定宿」のような存在には違いありません。泊まること自体を楽しみとするまでには至らなくとも、他と比べるまでもなく半自動的に選んでいるという点では、会津若松のフジグランドホテルのようなものとでもいえばよいでしょうか。今回も、この店を差し置いて他へ行くことは考えられませんでした。

何がそこまでよいかといえば、直売所という関西特有の文化が、自身の描く究極の理想形まで昇華されていることです。朝から晩まで開いており、大晦日と元日以外は年中無休という絶大な信頼感、安くておいしく季節感があり、なおかつ関西らしい肴の数々、厨房を囲むカウンターだけの潔い設え、熟練したおばちゃんらによるほどよい間合いの客あしらいなど、美点を挙げればきりがありません。しかも、この手の直売所の場合、酒については大手の量産品なのが相場のところ、そのような割り切りすら必要なく、燗上がりするものを中心に多彩な酒が揃っています。一年ぶりに訪ねても、やはりここだと再認識した次第です。

初霞
大阪市中央区千日前1丁目 なんばウォーク内
06-6213-6256
平日 900AM-2200PM
土曜日曜 800AM-2200PM
なんばウォーク休業日及び元日休業

特別純米
牛すじ
とうふ
水なす浅漬け
秘蔵和え
ハモ天ぷら
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - 水の都

2019-06-09 15:04:55 | 近畿
淀屋橋まで乗り通し、そのまま地上に出てきました。大阪市内というと繁華街の周辺しかほぼ知らず、都心をまともに歩いたことがありません。特段先を急ぐわけでもない今回、周辺の様子を一度見てみようと思い立ったのでした。
食わず嫌いを続けてきたのは、無味乾燥な官庁街に食指が動かなかったからですが、これがあながち悪くありません。滔々と流れる川の中洲と岸に、威風堂々たる建築物が鎮座する景観は、威圧的な高層ビルが立ち上がる東京都心にない趣を持っています。遊歩道に並ぶ欅の緑も美しく、水の都の異名も宜なるかなと思わせる眺めです。
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - 京阪電車

2019-06-09 13:35:44 | 近畿
一晩と半日滞在した京都を後に、京阪電車で大阪へ下ります。
京都を訪ねる頻度が上がった一方で、京都駅に寄る頻度はかえって下がりました。その理由として挙げてきたのがバスの不便さです。市街にそのまま乗り入れる私鉄電車の便利さに気付いてからというもの、そちらの利用が主となって、今回も京都駅には一度も寄らずに終わることとなります。
京阪間の行き来に際し、とりわけ愛用してきたのは阪急電車ですが、その決め手は大阪側の発着駅にあります。梅田に乗り入れていることで、他線区との乗り継ぎが何かにつけて便利なのです。ただし京都側についていうと、河原町より三条の方が宿に近いという事実があります。今回は梅田を通る必要がなかったため、京阪電車で趣向を変えることにしました。
大津線を除くと、これが実質三年ぶりになるでしょうか。南海を筆頭に、今や関西私鉄にさえ安普請の規格型車両がはびこる中、阪急と並んで高い接客水準を保つのが京阪です。久々に乗ってみて思ったのは、特急に関する限りこちらの方が乗り得ではないかということでした。具体的にいうと、クロスシート主体の車内は同じでも、大きな固定窓を奢ったこちらの方がより上等です。しかも車内が空いています。
阪急の場合、桂から相当数の乗車があって、そこから先は恒常的に立ち客が出ます。つまり、大半の区間で混み合うということです。しかしこちらは所々空席があるほどよい乗車率を保っています。枚方市でも隣の席が埋まらなかったということは、京都から大阪まで実質二席を借り切れるということです。プレミアムカーとやらに乗ってみるにもやぶさかではなかったものの、その必要は全くありませんでした。
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - 頂妙寺

2019-06-09 12:42:19 | 近畿
続いては頂妙寺を訪ねます。語弊を恐れずいうならば、本能寺にもどことなく通ずる境内です。そう思うのは、見るからに立派なお堂と、その前に二本並んだ大木という組み合わせが共通しているからでもあります。欅が銀杏に替わり、前後ではなく左右に並ぶという違いはあるものの、緑の鮮やかさはどちらも同じです。引き続き青空が広がり、強い日差しが注ぐ中でも、木陰に吹く風は涼やか。梅雨というより薫風の頃を彷彿させる空模様です。
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - 新洞小学校

2019-06-09 11:57:00 | 近畿
続いて立ち寄るのは新洞小学校です。校門の前に立看板があるのを見て、取り壊しの予告かと一瞬身構えるも、よく見れば今年迎えた創立150周年に寄せる言葉を募集する内容でした。来月の夏祭りで公開すると文面にはあります。門扉こそ閉ざされてはいるものの、小ぎれいに保たれた前庭の様子からして、こまめに手入れされているのでしょう。閉校後もなお残る校舎に対する人々の愛着を、ありあり感じる光景です。
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - 大蓮寺

2019-06-09 11:16:00 | 近畿
今回是非とも再訪したかった場所の一つに大蓮寺があります。去年ここを訪ねたときの印象は鮮烈でした。全く同じ六月上旬の週末、何気なくたどり着いたこの寺の境内に、蓮の花が一足早く咲いていました。やがて通り雨に見舞われたため、雨宿りをしてやり過ごすと、直後に劇的な場面が待っていました。蓮の花が雨粒で濡れ、葉の中心では大きな水玉が揺れていたのです。梅雨もあながち捨てたものではないと実感した出来事でした。当時の焼き直しともいえる旅に出たのは、あの光景の再現を密かに期待していたからでもあります。
こうして現地へ乗り込むと、おそらく同じであろう株に花が咲いていました。ただし、あれほどの奇跡がそう簡単に再現されるはずもありません。予報に反し青空が広がり、蓮の花は初夏の日差しを浴びていたという顛末です。もちろん悪くはないものの、大きな花と水玉の取り合わせがあまりに絶妙だったため、あれには及ばないというのが率直なところではあります。雨上がりに最も映えるという点で、蓮の花は極めて稀な例外といえそうです。
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - 柳湯

2019-06-09 10:41:43 | 温泉
常々申している通り、同じ土地に何回足を運んでも、発見が一つや二つは出てくるものです。入母屋造の古びた銭湯が現れました。
去年の暮れに尋ねた東山湯、孫橋湯を始めとして、古い銭湯が点在する京都の中でも、これに匹敵する物件が果たしていくつあるのでしょうか。ただ古いだけではなく、背の高い一階の間口に明かり取りの窓が連続していて、その上下に庇が張り出していることにより、遠目には三階建てのようにも見える個性的な佇まいです。窓周りや手摺の意匠も凝っています。加えて秀逸なのが、角地で交差する東西、南北両方向の通りから分かるよう、片や屋号、かたや「ゆ」の文字を掲げた小さな袖看板です。こうなると、中の造りがどうなのかも気になってきます。次に京都で銭湯に寄る機会が巡ってきたとすれば、もちろんここが最有力候補の一つとなるでしょう。
コメント

梅雨空の四国を行く 2019 - 本能寺

2019-06-09 10:11:52 | 近畿
駅へと向かう道すがら本能寺を訪ねます。本堂の前に並んだ欅の緑が日射しを遮り、鬱蒼として涼しげな境内が印象的です。
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - ホテル杉長

2019-06-09 09:39:45 | 近畿
近年京都ばかりを贔屓にするようになった理由の一つとして、宿泊施設の収容力がきわめて大きく、閑散期には格安で泊まれるという事情を挙げてきました。ただし、定宿の「ホテル杉長」についていうと、団体客御用達という性格上、閑散期でも埋まっている場合がないわけではありません。幸い今週末は十分余裕があったため、手配は直前まで引き延ばし、岐阜を出てから押さえました。もう一つの定宿となりつつある「京都モーリスホステル」も、ドミトリーなら空いているという状況ではありましたが、誕生日を迎えるなら最も愛用してきた宿の方が望ましいに決まっています。ここで節目を迎えられたのは幸いです。
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - 二日目

2019-06-09 09:31:56 | 近畿
おはようございます。人間酔うと気が大きくなりがちです。カレーうどんをすすっても、腹具合にはなお余裕が感じられました。ならばついでにラーメンも、などと無謀なことを考えるも踏み止まり、二時前に宿へ戻るという顛末です。酔いこそ残らなかったものの夜更かしが響き、今朝はなかなか起き上がれませんでした。八時になったところでようやく覚悟を決め、朝風呂を浴びてから朝食をいただいて、宿を出ようとするところです。
外は明るい曇り空で、時折薄日も射してきます。本活動の目的は久々に京都を訪ねることにあり、天候については端から度外視でした。この程度であってくれれば上出来ともいえます。とりあえず昼頃まで滞在し、大阪にも寄ってから帰るつもりです。
コメント

梅雨空の京都を行く 2019 - おかる

2019-06-09 00:58:50 | B級グルメ
坂本から数えれば実に五軒、京都だけでも四軒の長丁場となりました。祇園の「おかる」で締めくくります。
「かず家」を出ると「大豊ラーメン」は目と鼻の先です。しかし、何故か今夜はカレーうどんの気分でした。ラーメンよりカレーうどんが浮かんだのは、弘前で散々世話になった「藪きん」の残像によるところが大きいのかもしれません。あちらに比べて出汁は上品、その代わりにとろみと辛さをより強く感じます。そして何より出色なのが油揚げです。京都ならではの一杯でした。

おかる
京都市東山区八坂新地富永町132
075-541-1001
1100AM-1500PM/1700PM-230AM(金曜土曜 -300AM)
日曜夜の部定休
きつねカレーうどん770円
コメント