赤坂のランチで不作だったものといえば、何といっても和食です。しかし、寿司、しゃぶしゃぶといった変化球に関しては、これが決定版という店が少ないながらもありました。そして、他の街ではそう滅多に出会わないと思われるのがちゃんこ鍋です。
「富風」という屋号が示す通り、店主は元琴風改め尾車の弟子です。店先には四股名を入れた幟が、店内には化粧まわしを着けた現役時代の写真と明け荷が飾られ、どこからどう見てもちゃんこ鍋屋といった雰囲気が漂います。
数少ない和食の選択肢の一つだった「魚六」と同様、この店も一言でいうなら実質本位です。古びた雑居ビルの三階にある店舗は明らかに居抜きで、元々が広くないということもあるのか、部屋割りがどうにも中途半端です。座敷で悠然といただけるのは歓迎ながら、当然ながら混む時間には一人客に不向きで、自身二時近くに乗り込むか、さもなければ二、三人で連れ立って行くのが常でした。
一方、出てくるものには価格以上の満足感があります。大きなお椀に取り分けられたちゃんこ鍋は、塩、醤油、味噌、味噌チゲ、カレーの日替わりで、丼飯との組み合わせは、相撲部屋でもかくやと想像させるかなりの分量です。ご飯のおかわりができない代わりに、あらかじめ大盛りにしてもらえば、よほどの大食でない限りは満腹になること請け合いでしょう。これで500円は破格です。
しかし、ここで何よりおすすめしたいのは「ちゃんから」です。ちゃんこに唐揚げがつくという、読んで字のごとき品なのですが、この唐揚げがうまいのです。白っぽく薄い衣でからっと揚げるところはザンギのようでもあり、タルタルソースを添えるところはチキン南蛮のようでもあり、なおかつ下味にもこの店独自の工夫が加えられています。500円のちゃんこに対し、唐揚げ三個で250円というのが一瞬引っかかりはするものの、それでもこの唐揚げを抜きにするという選択は自分には考えられません。
体格からは意外なほど甲高い声の店主は愛想よく、女将と二人で切り盛りする家庭的な雰囲気も上々。赤坂で安く、なおかつ目一杯腹を満たしたいならこの店がおすすめです。
★富風
東京都港区赤坂2-17-73 前岡ビル3F
03-3587-1123
1130AM-1400PM(LO)/1730PM-2330PM(LO)日祝日定休
「富風」という屋号が示す通り、店主は元琴風改め尾車の弟子です。店先には四股名を入れた幟が、店内には化粧まわしを着けた現役時代の写真と明け荷が飾られ、どこからどう見てもちゃんこ鍋屋といった雰囲気が漂います。
数少ない和食の選択肢の一つだった「魚六」と同様、この店も一言でいうなら実質本位です。古びた雑居ビルの三階にある店舗は明らかに居抜きで、元々が広くないということもあるのか、部屋割りがどうにも中途半端です。座敷で悠然といただけるのは歓迎ながら、当然ながら混む時間には一人客に不向きで、自身二時近くに乗り込むか、さもなければ二、三人で連れ立って行くのが常でした。
一方、出てくるものには価格以上の満足感があります。大きなお椀に取り分けられたちゃんこ鍋は、塩、醤油、味噌、味噌チゲ、カレーの日替わりで、丼飯との組み合わせは、相撲部屋でもかくやと想像させるかなりの分量です。ご飯のおかわりができない代わりに、あらかじめ大盛りにしてもらえば、よほどの大食でない限りは満腹になること請け合いでしょう。これで500円は破格です。
しかし、ここで何よりおすすめしたいのは「ちゃんから」です。ちゃんこに唐揚げがつくという、読んで字のごとき品なのですが、この唐揚げがうまいのです。白っぽく薄い衣でからっと揚げるところはザンギのようでもあり、タルタルソースを添えるところはチキン南蛮のようでもあり、なおかつ下味にもこの店独自の工夫が加えられています。500円のちゃんこに対し、唐揚げ三個で250円というのが一瞬引っかかりはするものの、それでもこの唐揚げを抜きにするという選択は自分には考えられません。
体格からは意外なほど甲高い声の店主は愛想よく、女将と二人で切り盛りする家庭的な雰囲気も上々。赤坂で安く、なおかつ目一杯腹を満たしたいならこの店がおすすめです。
★富風
東京都港区赤坂2-17-73 前岡ビル3F
03-3587-1123
1130AM-1400PM(LO)/1730PM-2330PM(LO)日祝日定休