日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

訪ね訪ねて麻布まで 2014早春

2014-02-25 22:11:32 | 居酒屋
居酒屋は旅先で入るものという傾向が明確になりつつある昨今ですが、平日が五日あるなら、そのうち一度は酒場で一献傾けたいものだと思います。本日は麻布十番の「こま」にやってきました。
当地では最も長く通い続けたこの店ですが、なんだかんだで無沙汰が続いた挙げ句先月は満席で振られ、これがほぼ一年ぶりの再訪です。本日も、10時を過ぎたというのにカウンターと小上がりは満席で、玄関脇の小さなテーブルに辛うじて滑り込みます。

魚介は鰤、鮃、牡蠣に白子といった具合に冬らしく、その一方で筍、うるい、つぼみ菜などの春野菜が混じるのは、去年訪ねたときと同様です。季節の移り変わりを常に一歩先取りした品書きは、眺めていて楽しいものがあります。テーブルの脇には小さなストーブが。戸の開け閉めで時折寒気が入る場所だけに、寒くないようにとの気遣いなのでしょう。日中はすっかり暖かくなったとはいえ、そばで焚かれたストーブを暖かく感じるところが、品書きともどもいかにも早春の夜ならではです。
もっとも、この店のよさとは、季節感に満ちた品書きもさることながら、頭巾を被った女将の気配りによるところが、少なからずあると気付いてきました。そして今日もそんな機転を感じる場面がありました。暑がりの自分が、鱈豆腐などを食して汗をかき始めると、いつの間にか足下のストーブが消えているのです。要は、自分が汗をぬぐっているのを見るやいなや、女将が機転を利かせてくれたということです。しかも汗が引いた頃には、これまたいつの間にかストーブが燃えていました。その間店は終始満席に近く、かなり慌ただしかったにもかかわらず、客の一挙手一投足に目を配るところが只者ではありません。さりげない気配りがありがたく、これからも通い続けたいと思う名店の一つです。

こま
東京都港区麻布十番1-5-10 第二石原ビル1F
03-3405-4849
1800PM-130AM(LO)日曜・月曜日の祝日定休

東洋美人・遊穂・幻舞
お通し三品(煮こごり・ささみと菜の花の和え物・ばい貝煮付け)
平目の薄造り
やきとり
ピリ辛たら豆腐
苺(おごり)
コメント