日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 -明鏡止水-

2013-08-20 22:42:28 | 晩酌
職場の隣の鈴木三河屋を筆頭として、生活圏内に名酒屋がいくつもありながら、そこで酒を買う機会は年に数えるほどしかありません。理由はもちろん、地酒はその土地で買い求めるのが一番だと考えるからです。縁もゆかりもない都会で地酒を買うのは、目当ての品が決まっており、なおかつ地元へ行く機会がしばらくないときに限られます。今回麻布十番の「はせがわ酒店」で買い求めた明鏡止水の「夏純米」も、まさにその手の酒の一つです。
この酒に出会ったのは、二年前初夏に信州を旅したときのことです。軒先で涼をとる老婆と子供を描いた叙情的なラベルにつられたのがそもそもの始まりとはいえ、水のように軽薄な夏場の酒とは一線を画した質実剛健たる味わいには、夏酒の理想型を見たようでした。去年は残念ながら入手の機会を逸してしまったこともあり、今年は手近なところで押さえることにした次第です。
「軽快」「爽快」といった言葉が当てはまる多くの夏酒に対し、この酒は趣を大きく異にします。大胆に表現するなら、熟れたメロンのような独特の風味とでも申しましょうか。初夏から夏にかけての風物詩を連想させるこの味わいが、季節感に満ちていて秀逸なのです。

★明鏡止水 夏純米
大澤酒造(長野県佐久市)
精米歩合 60%
日本酒度 +3
酸度 1.6
アルコール分 15度以上16度未満
東京都港区 はせがわ酒店にて購入
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