Verdure 4F

茶道25年、ブログ19年! 家業を継いで13年。息子は10才。子育て、茶道、季節行事、料理、日記、読書の記録など。

2022年の記録

2022年12月31日 | books
高校時代。
何の説明もなく、全員に配られたこの水色のノートはいったい何だったのか。。。解けない謎ですね。B5のハードカバーで、背表紙にはTOSHOとプリントされていました。
としょ? なんでしょ?
そのころ私の生活に「ハードカバーのノート」などという高級品は存在せず、しばら~く、使い道もなく大事にそのまま持っていたのですが、何か遺すものに使おう、と、読書ノートを始めました。としょ=図書? っていうだけですけどね★

読んだ日付が入っている。1985年10月です。基本1冊1ページですが、軽い時代小説とか、続き物は数巻まとめて1ページだったり、タイトルだけ何冊も書いていたりして、最後のページが1994年3月。ご存じの通り量を読むほうではないので、8年半かかったんですねぇ~

次のB5ハードカバーも探し回って、伊東屋オリジナルのノートを購入。また、ほぼ8年です。
次は伊東屋の同じノートを色違いで買いました。10年近く使うとなるとハードカバーでないと。そして、リングノートだと都合が悪いページは破り取ってしまう自分の性格を知っているので、破ったらバレる糸綴じがいいのです。読了したのにタイトルだけで記述がなにもないページも。そういうのは感想や思いが多くて、すぐ記録をまとめられないまま、そのままになってしまった… 何も書いてないのが、実は、感銘を受けた本だったりするのです。
そんなこんな、ほぼ10年。
次は結婚してさいたまに住んでいたとき、コクーンの雑貨店でA6ハードカバーを見つけ、ページに飾り枠が印刷されているのが気に入って購入。そのノートが今年まる10年となりました。

この記録のおかげか否か、読んだ本を忘れて二度買うことはありません。
ただし、本の内容を忘れていくことは全く当然と思っています。最近、本の内容を忘れないノウハウ本みたいの売ってるけど、不賛成。
読んだら、自分なりに理解するか納得したところを受け入れるか否定するものは吐き出すか、あるいは何かしらをモノにしたら、忘れて当然。自分が何か、知識でも考え方でも娯楽でも、得るための読書であって、本の内容を記憶してても仕方ないです。
覚えておきたいと思ってこのノートに書き抜きがある本もあるけれど、書き抜くことも納得するためのステップのひとつらしい。たまに見直すと「おおっ!?」とまた関心したりするもの(苦笑)。

37年の記録の4冊のノート。
来年から5冊目になります。


さて。今年の25冊。
また20冊代にもどっちゃった
でも、楽しんでいる読書であります。

ニュータイプの時代』  山口 周
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 』  山口 周

気になるタイトルの話題本を続けて出されていた氏のものを、いつも目次を見て「うーむ」と思っていたのですが、とうとう購入。コロナ前の出版かと思いますが、「コロナ後の新しい時代」とは?という情報収集から、やはり気になってとうとう…です。

というか、実は書店でさっと立ち読みの摘み読みしかしなかったのですが、ことし
ファスト教養  -- 10分で答えが欲しい人たち』 レジー
という本が出ました。
それそれ(笑)。昨年私が気になっていたの、それです。
これを摘み読みしていたら、なんと川喜田二郎さんのKJ法の考え方とかも登場して感激!(笑) おととしはハマったなぁ、川喜田二郎さんのネパール!

話がどんどん逸れていきますが、山口周氏のこの著書も、同じく『ファスト教養』にも参照されていました。

『ファスト教養』では2004年~2008年頃に「教養=ビジネスの役に立つ」論が始まったとあるようですが、私的には、2006年に出版された三品 和広氏の『経営戦略を問いなおす』です。何度かブログに書いていますが、これは衝撃でしたね。
ビジョナリーであるとか選択と集中を実践したとかの会社もその後傾いたりしており、それでも業績回復を成し遂げている企業の共通点を研究すると、経営者の素養だとしか言いようがないのだと、いう、報告でした。企業戦略とは日々の経営判断そのものであり経営者の「人」に宿る、ゆえに日頃から「素養」を養え、経営者になってからでは間に合わない・・・。
なんでなんで? それを言っちゃあ手の打ちようがないでしょ!? と思った。なぜなのか?どういうつながりで、風が吹くと桶屋が儲かるのか?経営者に素養があると企業の業績が回復するのか???

この点について、『ニュータイプの時代』に
目の前の世界を「そういうものだから仕方がない」と受け止めてあきらめるのではなく、比較相対化する。そうすることで浮かび上がってくる「普遍性のなさ」にこそ疑うべき常識があり、リベラルアーツはそれを映し出すレンズとして最もシャープな解像度を持っている(286ページ)
とあります。
『世界のエリートはなぜ「美意識」を~』でも、これから持つべきである「美意識」を、英語なら「スタイル」フランス語なら「エスプリ」、本当の意味での「教養」、要するに目の前でまかり通っているルールや評価基準を「相対化できる知性」、と言い換えています。
あぁ~、永続している企業には日ごろから教養を素養を養ってきた経営者がいた、というのは、そういうことなのか。。。?


本質を見抜く「考え方」』  中西 輝政
無敵の読解力』  池上 彰, 佐藤 優

上の本は、この『なぜ美意識を鍛えるのか』にちょっと引用があって、前後の文脈が気になって読んだもの。
そのせいか?なんかこのあたりも同じことを言っているような気がしてくるのでした。

『ファスト教養』でも、山口氏や千葉雅也氏の著作から、勉強し教養を身につけるのは、これまでの「ノリ」から自由になるため、という表現を引いています。
「ビジネスパーソンの役に立つから」という動機や目的でファスト教養を得ようとしても、得られるのは「大雑把な知識だけ」であると。

もっとも、池上さんらの指摘する、こういった二次情報にしかあたらない、私もそのテの人間ではあります。
でも、まだ知らない分野へ漕ぎ出してみようとするとき、二次情報で、大雑把な知識から入らないと、どういう本や場所が私の興味を満たしてくれるのかもわからないのですよね。
広く奥深い教養なる世界への手引きとして、ファスト教養は存在意義があると思うのですよ。

そのあと、どうするかですよね。儲けるための方策に追われるか、自由になり新しい分野を目指すのか、は。


世界の終わり 賢者たちの遺言(メッセージ)』  フレデリック ・ ルノワール
ベロボディアの輪~シベリア・シャーマンの智慧~』  オルガ・カリティディ

久しぶりにスピリチュアル系をすこし。
そして、ウクライナ侵攻のニュースが続くうちに、ロシアにもスピリチュアル系の世界があったよねぇ?、と、2010年に読んだ『ベロボディアの輪』を思い出し、本棚の奥を探し回って再読しました。
「なんらかの決定に直面したら、自分がなそうとしている選択が五つの必須条件を満たすかどうか自問しなければならない。一つでも欠けていたら、ほかの方向を探す必要がある。五つの条件とは真理、美、健康、幸福、光である。」
うーーーむ。
この投稿の『ニュータイプの時代』からの6冊を、一言に要約するなら、そういうことかもしれません。

ウクライナ侵攻の決定に、この五つの条件は満たされていたか?
少なくとも結果的には、満たされていないのが現状と思われます。


教えから学びへ; 教育にとって一番大切なこと』 汐見 稔幸

ひとりっ子の学力の伸ばし方』  富永 雄輔
子どもたちの未来を創ったプログラミング教育』 戸塚 滝登

いま、幼児~児童の教育、あるいは子育てについて、いちばん納得できる深い内容を示してくれるのは、汐見氏かもしれません。息子が幼稚園に入った2017年には『さあ、子どもたちの「未来」を話しませんか: 2017年告示 新指針・要領からのメッセージ』を読みました。あれもよかった。
とりあえず私は、この本を読んでこのところ読んでいた教育本はどうでもよくなってしまいました。
さらに懸案の教養についてまで、整理されてしまいました。

息子だけでなく私も、何か新しいこと<学び>たくなってきちゃった★

OECDの教育に関する報告の公表と、それを受けた教育指導要領の改訂および今後の改訂。
汐見氏の解説と、息子の成長にも伴い、主体的・対話的で深い学び、個別最適な学びと共同的な学び、総合学習…そういったものはどういうものか?関心が移っていきます。


物理学者のすごい思考法』  橋本 幸士
銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しい この世界の小さな驚異』  全卓樹

なぜか物理学者がカブった。。。
教養書のいう、本来的な読書の一つ。全く異なる背景や考え方を持つ人の頭をのぞき、相手の土俵に入って理解につとめ、自分に戻り、世界観を広げる…という点では、模範のようなエッセイ。特に『銀河の片隅で』ではちょっと考えさせられました。多数決、民主主義、自分の意志、とは…?
一方橋本氏くらい論理化された考え方で世の中を見ている人がいたら…少し離れたところから見ていると楽しいカモ(笑)。

気になって眠れなくなっちゃう…ないしは、一話を読み終わる前に眠くなっちゃう…文理融合とはこういうこと? いずれも楽しい読書ではありました。


歴史を変えた火山噴火―自然災害の環境史』  石 弘之
自然の仕組みがわかる地理学入門』  水野 一晴

私の好きな地学系。この分野への興味は枯れないですなぁ。



日米中枢9人の3.11』  太田 昌克



お点前の研究: 茶の湯44流派の比較と分析』  廣田 吉崇

ことしお茶の本はこれですねぇ。
たいへんですねぇ、これは、大変だったでしょうねぇ。でも、俗に大名と町人とか武家と千家とか、いろいろ言われる違いのところがなんとなく分かったような気がしました。
侘び寂びと言ってそぎ落としにそぎ落とした、すなわち効率化でもあり、ひたすらシンプルにシンプルに磨き上げた茶の湯と、それ以前の、古いと言えば古い、伝統を受け継ぎ続ける茶道と、そのあたりの違いなのでしょうか。
奥義になってくるとまた近づくのか? ヤジウマ的な興味ですが、興味は尽きません!


藍の雨--蒐集者たち』『白い久遠』  浅野里沙子
泣くな道真 大宰府の詩』  澤田 瞳子

お腹召しませ』  浅田 次郎
武漢コンフィデンシャル』  手嶋 龍一


ながいながいペンギンの話』  いぬい とみこ
二分間の冒険』  岡田 淳
ムギと王さま: 本の小べや 1』  エリナー ファージョン
隊商-キャラバン-』  ハウフ

自分が子供のころに読みそこねていた、おもしろそうな児童文学を最近知って、引き続きぽつぽつ読んでおります。
昨年は『宝島』面白かったなぁ! 今年は、『隊商-キャラバン-』。こんな児童文学があったのか! アラビアの砂漠をラクダで旅する商人たちが、代わるがわる物語る…クラシックでエキゾチックなアラビアンナイト風の説話集…かと思いきや。最後にオドロキのどんでん返し! しかも気づくと時代は近代。ドラマのスタートはフランス革命だったのだ! この衝撃は小学生でなく大人の楽しみですね。『千夜一夜物語』のイメージがあるからこそ、先入観をひっくり返される。
『二分間の冒険』も、多数の推薦本に選ばれているのも納得の面白さ。これも大人的には、ヒーロー=選ばれし者=主人公という既成概念をこうひっくり返してくるか!という面白さもあり。



「ベストセラー健康書」100冊を読んでわかった健康法の真実』  「健康書」プロ編集者の会

それに比べれば健康法というか人体に関わることはどんどん新しい研究が出てきて、まぁ「健康法」としては五〇歩百歩としても、新しい発見は面白い! 人体のしくみ系の新情報、興味津々です。

あと、これも書店でつまみ読みしかしていないのですが、『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』(森 勇磨)。
これはいい本ですね。現在わかっている情報が、普通の日常生活からの切り口でよく整理されていて、あまり関心をもってこなかった人にも入りやすく分かりやすい本になっています。
逆に「健康にアレがよい」「コレがよい」という情報に興味がありすぎて振り回されてきたタイプにもいいかも。


さぁ来年はどういう読書になるでしょうか。
数ももうちょっと読みたいなぁ


2021年の43冊はこちら
2020年の17冊はこちら
2019年の15冊はこちら
2018年の10冊はこちら
2017年の17冊はこちら
2016年の25冊はこちら
2015年の25冊はこちら
2014年の29冊はこちら
2013年の72冊はこちら
2012年の70冊はこちら
2011年の70冊はこちら
2010年の70冊はこちら
2009年の42冊はこちら
2008年の51冊はこちら

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