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律令時代からの郷の名残り

2007-01-06 19:00:22 | 日記・エッセイ・コラム

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 午前中、会社の新年祈願で伊予稲荷神社へ。商売繁盛ということもあるが、本店の所在地が米湊のため゛お稲荷さん゛にお参りする。

 稲荷神社の本殿の前に、奇妙な一対のキツネが鎮座している。しかしよく見ると耳もない、しっぽが違う。獅子と狛犬ならぬ、稲荷のキツネと狛犬との合体神ではなかろうか。何かしら不思議な霊験さえ感じる。

 さて、郡中は、伏見稲荷系統の゛お稲荷さん゛と石清水八幡系統の゛八幡さん゛とに氏子が二分されている。灘町は゛お稲荷さん゛、湊町は゛八幡さん゛。これは律令時代からの郷の名残りである。 『和名類聚抄』によれば、平安時代半ば(9世紀後半)、伊予郡には神前・吾川・石田・崗田・神戸・余戸の6つの郷があり、吾川郷の民は゛八幡さん゛に、石田郷(のちの山崎)の民は゛お稲荷さん゛に属していた。荘園時代には、吾川保は石清水八幡宮領。河野通有が弘安の役の功によって山崎庄を領してからは、゛お稲荷さん゛の地は大山祇神社の社領だった。いずれにしても゛領域゛が違う。明治・昭和・平成と近代以降の市町村合併を繰り返しても、1200年以上も前、律令時代からのシキタリが生きていることを、為政者は忘れてはならない。

Img_0406_edited  今年は、亥年。干支は「丁亥(ひのとい)」。新年のあいさつで「゛波瀾万丈゛の年だが、猪のようなエネルギーで飛躍を」と話す政治家も多い。しかし、木偏をつけた物騒な「核」はお断りしたい。伊予稲荷神社の拝殿にあるユーモラスなイノシシの絵馬。明治30年6月奉納。゛にんまり゛と何をか語らん。