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津島郷・岩松川点描-どぶろく「なっそ」

2008-01-28 15:50:23 | 日記・エッセイ・コラム

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  昨年末から、どぶろく「なっそ」が話題を集めている。岩松町並み保存会のメンバーらが特区認定を受けた「企業組合いわまつ」の新商品・どぶろく「なっそ」。地元方言のネーミングもいい。「それ何なん?」と不思議そうに問いかけるニュアンスがこめられた言葉。棚田でつくった米を70%まで精白し、二段仕込で仕込んだ、どぶろくとはいえない上等な酒に仕上げた。Img_0307_edited 昨年12月9日に第1回どぶろくまつりがあり、津島のH君のもとに上島町のK君ら応援団もかけつけた。1回の仕込みで350L、限定700本というから、あっという間に売り切れ。現状の製造能力とはいえ、この希少価値が大事なのかもしれない。

 1月27日は恒例の「しらうお祭り」。会場では、またもや30分で売り切れた。「西村酒造の蔵元に行けば、まだ少しあるかも」と中心的仕掛け人のMさん。Img_0012_edited 酒蔵を活かしたギャラリーでは版画家・山田きよさんの作品展も開催され、祭り会場の喧騒から解放された西村酒造や内山商店の静かなたたずまいが、岩松のまちの個性を引き立て る。

 ゛春を呼ぶ゛岩松川の「しらうお漁」、棚田の米から生まれたどぶろく「なっそ」。Img_0052_edited 津島郷・岩松川の自然の恵みをゆっくりと守り育む人たちがいる。

津島郷・岩松「なっそ」のHP  http://nasso.exblog.jp/


21世紀のライフスタイル-「グリーン」の意味の問い直し

2008-01-26 22:06:32 | 日記・エッセイ・コラム

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 四国の各地でもグリーン・ツーリズムの様々な挑戦が始まっている。1月26日、松山大学で第3回四国グリーン・ツーリズム・フォーラムが開催された。グリーン・ツーリズムは、国によって内容やよび方も様々だが、「農村地域において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動」とされている。基調講演に立った愛媛大学・藤目節夫教授は、日本のグリーン・ツーリズムとヨーロッパとの違いにふれ、「農家民宿と農業体験に特化した」日本の取り組みが、景観・環境の法整備など受け皿をおろそかにしたままで持続可能か、グリーン・ツーリズムの言葉だけが一人歩きし、パラダイムなき展開になってはいないかと問題を提起した。1世紀前、『日本奥地紀行』のイザベラ・バードが見た美しい日本の風景、それを学んだヨーロッパのまちづくりと今日の日本での景観法への無関心との落差。美しい景観・環境の整備は、住民の「まなざし」の醸成なしには成しえない。「知る・気づく・感じる」地元学によって景観法を活かすことだと語った。Img_0030_edited

  また、グリーン・ツーリズムの「グリーン」の意味の問い直しにもふれた。イギリスのグリーン・ツーリズム研究の第一人者・バーナード・レーンが指摘するように、「グリーン」の意味は、単なる「緑」や「自然」の意味ではなく、地上のすべての生命の尊重、資源の適正利用、多様性の評価、すべての生物の相互関連の認識が、そのコンセプトの根底にある。したがって、グリーン・ツーリズムは、人間を取り巻く自然環境や産業、文化などのとらえ方、自己の行動の律し方など、一人ひとりの人生観やライフスタイルにも影響を与える活動であること。自然と人間との共生がいわれる21世紀にどのようなライフスタイルをもつべきか。農山漁村が21世紀のライフスタイルという「知」の情報発信を行うべきだと提案した。Img_0047_edited

  パネルディスカッションでは、フライブルク出身の広島大学・カロリン・フンク准教授も「滞在型」をグリーン・ツーリズムというのだろうかという違和感とともに、ヨーロッパではサスティナブル・ツーリズムという考え方に重点があること。地域全体の環境・景観づくりのために、資源の再利用・省エネ・CO2削減、公共交通優先、建物規制、環境保全型農業などを考えたグリーン・ツーリズムの展開の必要を語った。事例報告として、香川県三木町の広野牧場での酪農体験、徳島県上勝町の廃校を再利用した宿泊体験施設・山の楽校、高知県黒潮町の黒潮カツオ体験隊、愛媛県内子町の農家民宿・ログ立山の経験もまた先進的なものだった。Img_0042_edited

  「一周遅れのトップランナー」として豊かな自然・景観をもつ四国の特性が活かされた都市と農村との交流・連携。地球環境時代、サスティナブルな21世紀のライフスタイルを発信する四国のグリーン・ツーリズムとそれを担う人材育成に、地域・行政・大学のネットワークが確実に動き始めている。


新たな「地域文化財」発掘の息吹き

2008-01-10 08:22:22 | 日記・エッセイ・コラム

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 いま、伊予市では「地域文化財」発掘に熱い関心が集まっている。1月9日に開催された伊予市文化財保護審議会では、新たな文化財保護の対象が次々と提案された。昨年11月1日には、文化5年(1808)の郡中三町の独立(郷町引き離し)と安政大地震の湊町の記録など『郡中湊町町方文書』が伊予市指定文化財となった。現在、柚山俊夫先生によって解説書が作成中であり、新たな関連資料も添付される予定である。また、宮内小三郎家の登録有形文化財の申請は、主屋・新隠居・古隠居に加えて裏庭の石積み堀についても対象とされ、2月に正式申請がされることになった。Img_0010_edited_2

  審議会後は、「平岡のヤマモモ」の現地視察を行う。昨年10月2日、えひめ森の案内人の方からの連絡で、県下にも類を見ない巨木であり天然記念物としてとりあげてほしいとのこと。平岡集落を抜けてキウイ畑を越え、東側の尾根伝いに20分ほど山道を登る。前日に教育委員会の職員らで竹藪を刈り道をひらいてあったが、それでも険しい。目の前に現れた「ヤマモモ」は確かに大きい。幹周4.22m、根回り3.77m、田島先生によれば樹齢300年位ではないかという。旧伊予市ではめずらしい巨樹の発見である。平岡集落は、中世城址・平岡氏の山城があったところ。集落の辻には地蔵堂が残されている。Img_0024_edited

「地域文化財」という考え方は、60年代の後半、京都大学の西川幸治らによって提唱された。上からの文化財保護行政に対して草の根からの文化財保護を訴えたものだ。町並み保存などの伝統的建造物群の概念は「面」としての文化財保護として重要だが、「点」としての価値を法の枠組みで評価できない限界もある。法の枠内での等級付けも価値基準の弊害としてある。あらためて草の根の視点から「地域文化財」の固有の価値を発見・再評価する作業が必要なのだろう。Img018

 この日の文化財保護審議会では、委員の松田米博さんが自費出版した『秋鰯が消えた海-伊予灘鰯網史』が披露された。47年間、小網の漁家で「共栄網」のイワシ網に従事してきた松田さんの体験に基づく伊予灘・鰯網の郷土史研究であるとともに自分史でもある。伊予灘の沿岸の地形と鰯漁の歴史、高所から漁群を見張る山見(魚見)、近代化による巾着網、昭和18年の「共栄網」の始まりなど歴史や当時の写真も興味深い。共同で得た利益を平等に分配する「相互援助」の組織がイワシ漁を支えてきたことがよくわかる。その「共生」の理念で伊予灘の海洋資源の保全をと、「伊予灘漁業公社」設立の夢を語られている。「夏までにチリメンを獲ってしまう」資源の乱獲・減少によって秋イワシが消えた現代への警告でもある。20070519_2949561 松田さんの郷土史研究の契機は、村上節太郎が撮った「共栄網」の写真にあったという。ヒヤマと呼ばれる棚にイワシやエビを天日干しする漁村風景もかつての小網の原風景だった。


『いーよ ぐるっと88』-伊予市「らしさ」の探求

2008-01-07 00:16:19 | 日記・エッセイ・コラム

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  新伊予市になってはじめての観光・歴史・文化のガイドブック『いーよ ぐるっと88』が発刊された。新春早々、伊予市内はもちろん松山の紀伊国屋・春屋などの書店にも並べられた。表紙の写真は、五色浜の旧灯台、中山の栗、双海の夕日と、旧市町のシンボル。タイトルや「癒しの心・ふるさと発見」も市民からの公募にもとづくキャッチコピーが採用された。新しい伊予市の総合計画は、「自立をめざす多様な地域が交流し共生するふるさとーひと・まち・自然が出会う郷(くに)づくり」を目標としている。そのためには、各地域の特性や多様な地域資源、地域づくりの経験・蓄積が生かされ、共有されなければならない。Img015

 今回の取り組みの経過を少し振り返ってみたい。一昨年の5月に伊予市の「宝」 地域資源調査の委員会を立ち上げ、調査の進め方について打ち合わせが行われた。まず第1に、地域資源・地域資産には、地域固有の自然的条件や景観、歴史的建造物などの歴史・文化遺産、産業や生活文化など、自然や地理的条件、歴史的に形成されてきた他の地域にはない「らしさ」があること。第2には、本来の「観光」とは、地域で形成された「国の光」文物・風光や暮らしを観ることであり、これまで地域資源を持続的に維持・活用する手立てをとらず、短期的な集客を目的とした施策によって貴重な景観や資源を磨耗・損失させたり、むら・まちを画一化・陳腐化させた例も多い。地域の個性である「らしい」資源・資産を再発見し、誇りにし、自ら守り育てるという住民による地域づくりの視点を大事にしたいということを基本においた。

Img009  その上で、①地域文化遺産の保全・公開・活用の視点(有形・無形の地域文化財・歴史的遺産の保全、地域づくりへの活用)②観光資源の維持保全・活用の視点(「観る・訪れる」側と住民との観光資源の保全・利活用のしくみ、「もてなし」の向上) ③風景・景観まちづくりの視点(夕日・里山・町並みなど海・山・里・まちの景観を生かしたまち・むらづくり)といった総合的視点で調査を行うこととした。

Img008  具体的な進め方は次のとおり。2006年6月からの第1次調査では、6月6日の伊予・中山・双海の地域めぐり。その後「地域資源調査カード」にもとづき、(A) 自然・気候・地質・植物(B)景観・町並み・村並み(C)文化財・史跡・寺社・歴史遺産・旧街道(D)伝統・祭り(E)農魚産物・特産品・食文化(F)観光・交通・デザイン(G)人物・物語などの地域資源を、「資源名」「所在地」「写真」「概要」「活用方法」についてまとめた個表を作成。この資源カードを集約して、ジャンル別の整理・検討を行うとともに、絵地図化して地域資源マップを作成し、地域の全体像をまず把握する。自然・空間・暮らしを横軸に歴史を縦軸に地域を読み解く。これは地元学の手法だ。この膨大な作業に7月から10月までかかった。10月25日から11月29日の1ヶ月間は、双海・伊予・中山をそれぞれ丸2日をかけて第2次の「あるく・みる・きく」の現地調査を行い、ポイントとなる地域資源箇所を委員が相互に解説・評価しながら選定を行った。文字通り、伊予市の山・海・まちのすみずみまで500ヶ所をこえるフィールド活動となる。大半が高齢者のメンバーとはいえ各委員の元気さ、熱心さには圧倒された。

Img011  2007年の1月に入ると、こうした基礎調査・データベースの成果を伊予市の観光ガイドブックとしてまとめることが提案され、まとめ方と編集方針が協議された。その結果、地域別には全市88のエリアを選定し、地域資源のポイントを整理する。テーマ別には、伊予市らしさをアピールできるテーマごとに観光・景観・歴史・文化・産業を紹介するという方針となった。そして2月以降は、新たに10名の編集委員会を構成して、伊予・中山・双海の委員で作業を分担し、エリアごとの資料調査・写真・取材活動、原稿執筆に取り組んできた。テーマについても、「いーよ」にかけて「14のテーマで伊予市がわかる」と、伊予市の特徴的なポイントについて新たに精査・整理を行うこととなる。

Img007  当初は、資料作成だけと考えていた委員も、原稿執筆や校正まで手がけることになるとは、とても考えていなかった。しかし、今回の88エリア500ヶ所をこえる地域資源の紹介は、出版業者委託では不可能なもの。ふるさとを愛し、地域の「宝」を知り尽くしたメンバーならではの成せる技である。中山担当の上岡貞義さん、双海担当の中嶋都貞さんは、ともに傘寿の80歳。伊予担当の松田建雄さんも喜寿の77歳。地域とともに歩んできた語り部によって、足元の「記憶を記録し」、地域への誇りが伝えられていくのではなかろうか。愛媛を代表する地理学者・村上節太郎に教えられたというお話も聞いた。写真1枚1枚にも、その思いが込められている。限られたページ内にまとめ上げる苦労もあった。この『いーよ ぐるっと88』によってむら・まちを読み解き、伊予市らしい新たな地域づくり、サスティナブル・ツーリズムに活用されることを何よりも期待したいものだ。

  「足元を掘れ、そこに泉湧く」。


2008年 新年のごあいさつ

2008-01-03 14:08:30 | 日記・エッセイ・コラム

    あけまして おめでとうございます。

Img013     生  業 オイルショック再来を思い起こす原油高。中国などの成長による需給逼迫。中東情勢の液状化と年々深刻化する地球温暖化。90%を中東からの石油に過剰依存した日本の環境エネルギー政策の不安定さを露呈した07年。「低炭素の経済発展という新たな革命、いわばポスト産業革命に世界を導いていかなければならない」(ホセ・マヌエル・バロン欧州委員会委員長)とする欧州の道。日本のエネルギー業界は大きな転換点にあるようです。

  Img006_2 足  元 伊予市総合計画に関わり自治基本条例づくりに参加する機会を得ました。「市民が自治の主体」という本物の「参画・協働」が育つかどうか、市民・行政の実践と意識改革はこれからです。2年をかけた地域資源調査をもとに『いーよ ぐるっと88』伊予市の観光・歴史・文化ガイドブックとして出版。地元学やサスティナブル・ツーリズムに活用されることを期待しています。

Img_0888     国際交流 2月のベトナム・ホイアン訪問では、町並み保存や世界遺産調査での日本の学術貢献・JICAの活動を知り、枯葉剤後遺症の治療やケアを行うハノイの「平和村」を訪れることができました。10月の中国山東省・青島訪問では、孔子の故郷・曲阜で論語を教育に取り入れる小学校の授業、ドイツ植民地時代の建築や都市景観・自然海浜を生かした青島のまちづくりを見学し、青島大学の学生たちとの楽しい交流にも恵まれました。

Img014     LOHAS 「スローライフな人生を」と少しずつ生活スタイルを改善。メタボ予防のための減量、生涯学習のための時間も取りはじめました。今年もLOHAS (Life-styles of Health and Sustainability )を心がけます。

                                   

         2008年元旦