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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

水曜日の午後

2010-07-14 23:38:21 | 日々随想
十三種類の ネコの鳴き真似が出来るのだけれど
どれも うまくいかなかったみたい・・・
上野の杜の 新しい猫の家族は 散会していって


ふうん





「目の下が赤いんだけれど 栄養失調なのかな」
『徹夜したんじゃない?』
「親ネコも 痩せっぽちなの」
『きっと 体脂肪が気になる年頃なんだよ』


トンカツ屋の帰り道
学生さんが 我がことのように訴える 猫の家族の症状に
僕は 呑気な答えを羅列してみた


振り返ると 学生さんは きつーい眼差し・・・


現場に行って 猫の家族に会った
鳴き真似の 三番目くらいで 家族は散会して
子猫が 一匹だけ ポワーンと僕を見つめていた


確かに 目の下が赤くて
さっきの 母猫も 痩せっぽちで
まるで ここだけ 南半球のようだった


『一匹だけ 僕の家族にしちゃおうかな』
やんわりと言った 思いつきのジョークにも
学生さんは きつーい視線で いなしてくれた


鳴き真似 四 五 六・・・
でも 立ち上がったら
最後の子猫も 慌てて どこかへ消えてしまった


傲慢な人間
ネコの家族が教えてくれた 僕の肩書き
ザマーミロ 学生さんの笑顔が そう語っていた


満腹な日々より
家族 みんな 一緒な方が幸せなんだよね きっと
うん ごめんね


水曜日の午後
セミが鳴いていた
空が蒼かった





樹木のつむじ

2010-07-13 23:45:19 | 日々随想
駅前のロータリー
すずめが姦しい 幾つもの樹木
いつだって 見上げるだけだった


でも 電車に乗ってみれば
全てを見下ろせて
あの樹木の つむじまで見えるくらい
てっぺんから 見下ろせたんだ


ふうん





見上げてる時は
いつだって いびつな円錐だったけど
見下ろしみれば ただの不恰好な円だった


どっちがいいのかな


視点が変われば
新しい側面と出会えるのだけれど
それが いい時と そうでない時と ある気がするんだ


僕は 見上げていたいものは
いつまでも 漠然と見上げていたい
鳥だって 下から眺めていたいんだ


全てを 貪欲に知り尽くしたい時代
それよりも 貧しい視点のままでいいから
憧れるものを ずっと 憧れていたい


電車が発車して 
車窓の領域から 外れてしまった
不恰好な円達


もっと高いとこに 
泣き出しそうな雲
自然の視点だけで 生きてゆけたらいいな




僕の小さなスフィンクス

2010-07-12 19:14:18 | 日々随想
どこに住んでるのか 分からないけど
きっと すぐ近所
だって 雨の日とか 時々 そこに居るから


ふうん





台所の窓から 見下ろした
隣の家の駐車場
全身 真っ黒なネコが 南東を見つめている


行儀良く 座っていたり
ちょっと退屈に スフィンクスになってたり
でも いつだって 南東を見つめている


何も 待っていない
何も 期待していない
ただ そこに居るのだろうけど


鼻から口にかけて 真っ白で
だから バットマンみたいなネコ
足の先だけ 真っ白で
だから 靴下を履いてるネコ


近所に ノラ猫はいないから
きっと 一人ボッチなんだろうな
でも いつだって 南東を見つめている


今度は いつ 会えるのかな


うさぎのシッポ

2010-07-11 16:24:17 | 日々随想
髪を後ろで結べば
風がぬけて
首の温度も下がって





東海道を歩いてる時
箱根を越えて 昼飯
その時 出会った 山歩きのドライバー


首の後ろを守れ
太陽から 守れ
それだけで バテなくなるから


そうだね


首の後ろは
たくさんの生命線が
脳と体を 結んでいる


だから 
ここを守れば
脳も体温も 守れる


風通しをよくして
首の温度を下げて
そうだ 飲みにいこう

小数点以下の逡巡

2010-07-10 23:17:45 | 日々随想
やっと 眠れたと思った明け方
呼吸器の異常で すぐに 目が覚めて
やっぱり 睡眠不足は致命的


ふうん





内臓とは 裏腹に
頭は アイデアの風を受けて
閃きが クルクル クルクル


計算式で表を埋めながら
ふと 思った
あれれ これは高炭素鋼の係数じゃん?


チェッ 軟鉄や真鍮じゃ 使えないじゃん・・・
ネットで調べても 文献を漁っても
そんな 特異な数値 出てきやしないし・・・


ま いっか


どうせ 自分の楽器の為の数値
小数点以下の 僅かな数字より
実際に生まれてくる 音とタッチの方が大切だから


はやく 図面を引きたいな
はやく 木工をやりたいな
はやく 呼吸が治らないかな