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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

音痴な縦と横

2009-12-27 20:51:10 | 日々随想
9時にホールに到着
今日は オルガンの調律師と 時間を分け合って
先に 僕が調律を始めた


オルガンの調律が始まると
僕は 朝飯を買いに駅前へ


ファーストフードで 朝食セットを抱えて
ロビーで 本を読みながら 
ハンバーガーを 食べ始めた頃





「おはよ」
彼女は 突然 懐かしい笑顔で 隣に座ってきた
『あ おはよ』
僕は 本を閉じて ちょっとだけ たじろいだ


「元気だった?」
『うん それしか取柄ないからね… そっちは?』
「うん 元気だよ! まだフットサルやってるの?」


そっか 彼女は 今 僕がサッカーをやる前
フットサルをやってる頃しか 知らないんだ
そっか そんなに時間は 流れたんだ


そんな話を 普通に やりとりしていた


『あの子犬 元気? 何歳になった?』
「うん元気だよ もう7歳かなー」
『ふうん』


『まだ ヨガ 続けてるの?』
「先生が変わっちゃったから やめちゃった」
『ふうん』


『ドラムは?』
「あ 聞いてよ! 5月の発表会の時 16ビートに挑戦したんだよ!」
『マジ? 凄いじゃん!』


高校 専門学校と 僕は バンドでドラムを叩いていた
だから ドラムの話は 二人の少ない共通のテーマだった


でも 僕は ギターや鍵盤に比べると
一番最初に 諦めたのが ドラムだった
あまりに 自分がリズム音痴だったから


歌っても 音程が音痴で
刻んでも リズムが音痴で
僕は 縦も横も 音痴なことを十代で悟ったんだ


『そろそろ リハ 始まるんじゃん?』
「あ 本当だ! 行かなきゃ!」
そう言いながら 彼女は 慌ててホールへ走っていった


バックステージで 僕は コンサートを聞いていた
チェンバロの調律は ほとんど狂わなかった
ただ 器楽も合唱も 縦と横が音痴なコンサートだった


でも 音楽は それでも大丈夫な時が たくさんある


魂の縦と横と 音痴な僕は
結局 関わる人と 長く一緒に いられない
楽器を積み込んで 挨拶もしないで エンジンをかけた

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