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ふぅん

闇閃閑閊 ≡ アノニモス ≒ 楓嵐-風

さよなら

2009-12-15 23:42:42 | 日々随想
20年くらい前
勤労青少年寮という施設で
2年間 棲息していた


暖房も冷房もなく
十時になれば 部屋の照明が落ち
零時には 電源の全てが 失われた


だから 冷蔵庫なんか 意味がないし
ただ ただ 仕事に夢中だった


浜松の 手作りピアノ
大橋ピアノでの2年間
月8万円の 研究生費で生きていた


今日 名古屋から浜松へ移動
早目に到着したので
かつての 寮や工場を見てきた


もう どちらも 終わっていた
建物が残っているのだけれど
生命は 終わっていた


大正生まれだった 
当時の職人のほとんどは
もう 生きてない


22歳の僕は
師匠から たくさんのことを 教わった


僕が東京に戻って 半年後に亡くなった
最後の 手作りピアノメーカーの研究生
ギリギリ あの時代 浜松に行けてよかった


大切なのは 師匠じゃないんだ
どの方向へ どうやって生きていくのか


学べることなんか 僅かなんだ
自分で 自分を 育めるかどうか
学校も師匠もいない あの末っ子のバッハは
あれだけの作品を 遺したんだよ


そんな ふたつめの 故郷