彼女は 笑顔で手を振って
そのまま 搭乗ゲートへ消えていった
僕は しばらく その場に立ち尽くしていた
「あのさ」
『…うん』
「マドリード 受かっちゃったんだ」
ふうん
僕は きっと とびきりの笑顔で
おめでとう って 言えたと思う
たぶん
それは 彼女の夢だったし
だから 応援していたし
でも きっと どこかで 無理だと思って 安心してたんだ
『いつから行くの?』
「遅くても 12月かな」
『そっか いよいよ本場でチャレンジだね』
あの頃
例え パソコンがあっても
スカイプが出来ても
毎日 メールを やりとりできたとしても
僕らは 同じ現在を迎えたことだろう
覚えたくもない ダンナの名前は ホセ
二人の娘
そして すっかり太ってしまった 彼女
12月の飛行機は 戻ってこない
飛び立ったまま 戻ってこない
乾いた空に 干からびていった黄昏
そのまま 搭乗ゲートへ消えていった
僕は しばらく その場に立ち尽くしていた
「あのさ」
『…うん』
「マドリード 受かっちゃったんだ」
ふうん
僕は きっと とびきりの笑顔で
おめでとう って 言えたと思う
たぶん
それは 彼女の夢だったし
だから 応援していたし
でも きっと どこかで 無理だと思って 安心してたんだ
『いつから行くの?』
「遅くても 12月かな」
『そっか いよいよ本場でチャレンジだね』
あの頃
例え パソコンがあっても
スカイプが出来ても
毎日 メールを やりとりできたとしても
僕らは 同じ現在を迎えたことだろう
覚えたくもない ダンナの名前は ホセ
二人の娘
そして すっかり太ってしまった 彼女
12月の飛行機は 戻ってこない
飛び立ったまま 戻ってこない
乾いた空に 干からびていった黄昏