日本の雇われ地質学士は、夕張(ユーパロ)を調査し「ここには石炭鉱脈が眠っているかも知れない」と言い残していた。
当時 同行していた北海道庁の地質技師「坂 一太郎」は それから14年後、夕張を再調査するべきと強く進言し採掘調査を行なった。結果。
大露頭(石炭鉱脈)を発見した !
当時 日本にはこれといったエネルギーはなく北海道からも大口で石炭が採掘・生産出来ることは、強国に囲まれている日本にとっては画期的な出来事だった。
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直ぐに、大々的な募集が始まり北海道へ夢を求め、土地がなく小作をするしかなかった人達が全国から集まり夕張は合衆国のように九州をはじめ色々な県からの人たちの坩堝と化した。
採炭夫への対偶は市営住宅・銭湯無料・公共料金はほぼ使い放題だった。
勢いは続き、天皇陛下をはじめ「美空ひばり」「三波春夫」「三橋三智也」「村田英雄」等 大物スターが次々とやって来た。
この蛇のようにうねる谷のような山地は11万人を超える人口に膨れ上がった。
みんな「いい振りこき」で家電は流行りが出ると直ぐ購入する。
買うとも言っていないのに業者が勝手に持って来て置いて行くのだ。
「いいっしょ 買っても」「ううううう~ん」
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しかし、昭和30年のエネルギー革命により、国は石油へシフトしはじめる。又 海外炭との価格競争、相次ぐ事故が続き、5年に1回は合同慰霊祭が執り行われクラスでも父のいない子が幾人も出ていた。
地下10階位下の狭い空間で、起こる落盤事故、鉱脈の隙間からガスが発生し採炭夫が休憩でタバコに火を付け引火し 大爆発を起こし213名が亡くなったこともあった。
深い穴の中では何が起こるかわからず、鉄砲水や落盤事故で救出してくれる筈の会社側は、ガス爆発の二次災害を危惧し確実に何十人も坑内にいることを、わかっていながらとんでもないことをした・・・・。
続く・・。