8・15
2013-08-16 | 日記
これは若き日の父
着ているのは海軍の制服か。
早稲田の演劇学生が学徒出陣で戦地に赴いた。
旧海軍 神風特攻隊七生隊の生き残り。
もう自分は一度死んだのだから好きに生きる、と言い
本当に好きに生き抜いた。
介護中、父の蔵書を片づけていたときのこと、
茶色くカサカサになった押し花(にしてはキタナイ)のようなものが
大事に挟んであるのをみつけた。
「これなに?」と訊いたら
「ああ、それは零戦に乗りこむ時足元に咲いていた花だよ。
思わず摘んでポケットに入れたんだね、どうしてかねえ…」
と言う。
「え?零戦に乗ったのに助かったの?」
「…お父ちゃんのだけエンジンがかからなかったんだよ。運だね…」
「これ何の花?」
「知らない」
この『押し花』のことを最近思い出した。
若い父の足元に咲いていた花はなんだったのだろう?
もう知るすべはないのだが…