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気の向くままに。。。 ダンス・バレエの関連トピックが一番多いかも。 by nao@momojrt020327

パリ・オペラ座バレエ団 『白鳥の湖』 1

2006年04月22日 | Ballet
2006/04/21 パリ・オペラ座バレエ団 『白鳥の湖』 全4幕

振付・演出:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパとレイ・イワーノフに基づく)
音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー

2006年4月21日(金) 18:30開演 東京文化会館

オデット/オディール: アニエス・ルテステュ
ジークフリート王子: ニコラ・ル・リッシュ
家庭教師ヴォルフガング/ロットバルト: ウィルフリード・ロモリ
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かなり感激しました。こんなに「白鳥」で感激したのは初めてかもしれません。まずもってコール・ドが素晴らしい! 技術はもちろんだけど、振り付け、フォーメーション、使い方が効果的! そして、家庭教師とロッドバルトの一人二役がとにかく活躍しまくりなのが新鮮でした。

さて、今回の「白鳥」はヌレエフ版でした。事前にキャストを再チェックしていて、初めて気がつきました(^_^;) そういえば、ヌレエフ版って知らないなぁ~と、ネットで調べてみると、どうやら、かなり古典的なバージョンとは違うらしいことが判明。物語の中心は気弱で、夢見がちな王子で、王子の家庭教師が城の中を仕切っていて、さらに、この家庭教師がロッドバルトをも演じます。。と、この設定はボーン版に似てるぞ。(というか、ボーンがヌレエフ版の影響を大きく受けたと言うべきなのでしょうが。。)がぜん、期待が高まりました。

第一幕
最初の音楽が流れます。何小節か流れた後、幕が上がりました。この辺りもボーン版と同じです! 幕が上がると、舞台の向かって左手に椅子に座って眠っている王子@ニコラ。舞台奥にはまだ人間の王女の姿のアニエス@オディールが。最初からオディールが出てくるなんてご機嫌です♪ 悪夢にうなされる王子。オディールはロッドバルトに連れ去られたかと思うと、ワイヤーで釣られて空中へ。。。あれって、アニエスじゃないですよね?? 曲が明るいトーンに変わったところで、コール・ド登場。ここからはコール・ドが踊りっぱなしです。難しそうなパとフォーメーションの連続で、曲が終わった時には自然に観客から拍手とブラボーの声が飛びました。王子が家庭教師に起こされて、コール・ドの女性と踊りますが、踊る順は一々家庭教師が仕切ります。

続いて、パ・ド・トロワ。これもかなり見応えがありました。ジルベールが脚力の強さを十分に生かしていたと思います。ティボー君も跳躍が高いし、素敵☆ 観客もかなり盛り上がる!!拍手喝采。。だけど、王子は奥で一人たそがれています。

女王のお付きの騎士たちが王子を囲んで踊りますが、王子はやる気なし。今度は家庭教師ヴォルフガングが王子に踊りを指導。ヴォルフガングの振りに一歩ずつ遅れて真似る王子。。。でも王子の方が数段美しい踊りなんですけど! 男同士のパ・ド・ドゥ。ボーン版の第2幕の王子と黒鳥の踊りのようなちょっと怪しい雰囲気。そして、王子のソロ。なんだかニコラさん、バランスが。。。怪我から復帰したばかりのはずなので、まだまだ本調子じゃないのかしら。。。そして、ヴォルフガングに促されるままに王子は湖畔へ。。王子は家庭教師の言いなりなんですね~。

従来版の白鳥って第一幕はなんだか物語と関係ない踊りが延々と続く。。という印象で、いつも次の幕が早く来ないかな~、主役の踊りが観たいよ~とか思うのですが、こんなに一幕目から興奮したのは初めてです。なかなかいいぞ「ヌレエフ版」。

第二幕
いよいよオディールに出会います。オディールの登場はプティパ/イワノフ版に同じくです。ひとしきり二人のシーンがあった後、コール・ドが登場。トゥの音がすごいです。以前「エトワール」を観た時もすごい足音だな~と思ったのですが、人数的にしょうがないのでしょうか??ここでも、コール・ドの複雑なパとフォーメーションが冴え渡ります。

アニエスは完璧。バランスもアチュチュードもピタッと決まってました。そして、以前より痩せた?? わりとがっしり系?という印象だったのですが、胸板が薄くなっていたような。。。オディールのはかなさが良く表現されていました。腕の動きがとても良かったです。

第三幕
チャルダッシュには藤井さんがいました♪ スペインの踊り、ナポリの踊り。。トランペットが肝心なところで一瞬よれた。。(怒!)続いてマズルカ。 この辺りもいつもは早く終わって欲しいな~というモードになるのですが、やはりここでも十分堪能♪ 花嫁候補たちの踊りでは、最後に花嫁候補たちが衣装の長い裾をなびかせて、左右から王子を回り込んでがまた左右に分かれてフィニッシュだったのですが、途中でその衣装がニコラにからんで、一人転倒して、もつれて動けないところに次の二人が突入(笑)して、さらに転倒。。。ドキッとしました。。。が、みんな何事もなかったように、とりあえず演技を続けます。

そのざわめきの中、オディール登場! なんと、ここでは、ロッドバルトとのパ・ド・トロワなのです!! びっくり! 振り付けは基本はプティパ版とかを踏襲しつつ、随所にロッドバルトがからんできます。う~ん、斬新。。。個人的にはちょっとロッドバルトがマントを捲し上げる衣の音が耳障りでした。アニエスが最初のソロでちょっとバランスを崩すシーンがありましたが、それ以外は完璧。グランフェッテも丁寧に回っていたように思います。ニコラさんもこの辺りでは全開!そしてロッドバルトのソロ!すごいですね~ こんなに踊るロッドバルトは今まで観たことがありません! ロモリさんは踊りのラインなどはとても美しいのですが、かなりもうシニアな方なので、マネージュなんかは辛そうですね~

ついに結婚を誓っちゃう王子。すぐにその罪にうちのめされ、おろおろになり、母にすがりついた後ショックのあまり気絶。。舞台に倒れ込みます。ニコラがかわいく見えました。

第四幕
休憩はないのですが、3幕の終了後一旦幕が降り、ちょっと置いてすぐに幕が上がります。幕があがっても先程の続きで舞台倒れたままの王子。そこへ白鳥たちが現れます。王子の夢の中。。という設定なわけですね。コール・ドの踊りが結構長かったな~ もちろん、堪能したけど。観客からも再び大きな拍手がおこりました。

王子とオデットの悲しみのパ・ド・ドゥ。そしてさらにまたまた王子とロッドバルトとのパ・ド・ドゥ。いや~ものすごいものを観たな~って感じです。ヌレエフのこだわりとでも言いましょうか。

戦いに敗れた王子。ロッドバルトはオデットを連れ去り、二人は大空へ舞い上がります。その姿を追いながら、王子絶命。。幕。

あ~素晴らしかった!ニコラさんがもうちょっと調子が良かったらなぁ。。。日曜、がんばってね! 次回、月曜のジロー&マルティネスも楽しみになってきました!

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女王: ミュリエル・アレ
パ・ド・トロワ: ノルウェン・ダニエル、ドロテ・ジルベール、エマニュエル・ティボー
4羽の大きい白鳥: エミリー・コゼット、オーレリア・ベレ、ローラ・エッケ、ローレンス・ラフォン
4羽の小さい白鳥: ファニー・フィアット、マチルド・フルステー、ジェラルディーヌ・ウィアール、ミュリエル・ズスペルギー

チャルダッシュ: ノルウェン・ダニエル、ブリュノ・ブシェ
スペインの踊り: ナタリー・リケ、ナタリー・オーバン、カール・パケット、クリストフ・デュケーヌ
ナポリの踊り: メラニー・ユレル、マロリー・ゴティオン