コクーン

アカデミー賞受賞（助演男優賞・特殊効果賞）した心温まる大人のファンタジー

1985年 アメリカ　SF、ファンタジー、ヒューマンドラマ
2006年2月2日　VTR(WOWOW)
監督　ロン・ハワード（ビューティフル・マインド、シンデレラマン）
出演　ドン・アメチー、スティーブ・グッテンバーグ（スリーメン＆ベビー）

異星人たちが古い時代に残した自分たちの仲間を救いにやってきた。ジャック（スティーブ・グッテンバーグ）の船を好条件で借りてメキシコ湾に沈む繭を回収するのだ。一方老人ホームにいた老人たちアート（ドン・アメチー）、ベン、ジョーは隣家のプールに忍び込んで楽しんでいた。異星人はその隣家を借りて海から回収した繭を沈めたため、そのプールに侵入した老人たちは若さを得てしまう。彼らは病気の進行が止まったり、妻や愛する女性とメイク・ラブするなど目覚しい変化があった。しかし、他の老人たちも内緒のはずの回春法を知ってしまい、プールに殺到して繭を乱暴に扱う。そのため繭の中の異星人の一人は死んでしまい、異星人たちは怒って全員を追い出す。翌日星からの迎えが来るため残りの繭は海に戻されるが、老人たちは永遠の命を得るその星に行かないかと誘われる。

ラストが現実逃避的ではあるが、老人と死を扱っている映画なのに暗さがなく、ヒューマニティーあふれる明るい映画である。長い間私のお気に入りの一本だった。久しぶりにWOWOWで放映していたので観たが、やはり楽しめた。
期せずして老人ホームで仕事をする事になったが、（日本の）老人ホームの現実とはかなりかけ離れている。あんなに元気な高齢者が夫婦揃って何組も入っているなんて、お金持ちだからなのか？アメリカだからなのか？まあそこは映画ということで大目に見て、基本的に高齢者が生き生きと生きることを賞賛している映画なので、その意味では違和感はない。
高齢の俳優さんたちのコミカルな演技が見もの。老体に鞭打っての撮影だったのかもと心配になるが、嬉々としてプールで遊ぶ姿、ダンスを楽しみ、愛を表現する姿がすばらしい。肉体は年を取ってしまっているが、気持ちは若い頃とちっとも変わらないのだ。妻たちが愛の夜をすごすと翌朝は気もそぞろで艶っぽくなっているというところも、ほほえましかった。