大人のための切ないファンタジー。フィッツジェラルドの原作を、ブラピ主演、監督デヴィッド・フィンチャーで映画化っていうだけで興味津々・予告編でCGを駆使したブラピの七変化もあって、見たいと勇んで行きました。
2009年(公開) アメリカ ヒューマンドラマ、ファンタジー
2009年2月11日 ワーナーマイカル・シネマズ新百合ヶ丘
監督 デヴィッド・フィンチャー(ファイト・クラブ、セブン)
原作 F・スコット・フィッツジェラルド
出演 ブラッド・ピット(バベル、ディパーテッド、トロイ、ファイト・クラブほか多数)、ケイト・ブランシェット(エリザベス・コールデン・エイジ、バベル、アビエイターほか多数)、ティルダ・スウィントン(コンスタンティン、ナルニア国物語/ライオンと魔女、ザ・ビーチ)、エル・ファニング(バベル)
(出演作品などは私が観たものに限る)
ニューオリンズ、1918年。第一次世界大戦が終結した日、1人の男の子が生まれる。しかし、生まれたばかりなのに80歳の老人の肉体を持った子供に驚いた父親は、その赤ん坊を老人施設の玄関先に捨ててしまう。老人施設を営む黒人女性クイニーはその赤ん坊を拾って育てる。その子・・・ベンジャミン(ブラッド・ピット)は周囲が老人という特殊な環境のため、あまり違和感を感じずに育っていくが、どんどん若返っていくのだった。施設入居者の孫娘デイジーと出会う。ベンジャミンは若返り、デイジーは美しく成長して行き・・・。
ありえない大人のためのファンタジーなのですが、CGの技術と特殊メイクで老人で生まれたベンジャミンが若返っていくのが興味深かったです。おじいさんのブラピは少々気持ち悪いのですが(しかも、子どもなのでしぐさは子どもらしいし、背丈も小さい)、確かに生身のブラピが演技しているのが分かります。子どもなんだけど、おじいさんという人間は演じにくかったでしょうね~。とはいえ、車椅子から2本の杖、それが杖も1本になり、元気に歩く彼は、ついにバイクにまで乗るようになります。母親の元を出て行き、船に乗り込み、第二次世界大戦に出会うのです。戦闘場面まであって、予想外でした。淡々としたストーリーかと思っていたので・・・。
ベンジャミンは幼いデイジー(エル・ファニング)と出会うのですが、彼は別の恋もします。大人の成熟した世界を教えてくれるエリザベス(ティルダ・スウィントン)です。さすが、「白い魔女(ナルニア物語)」です。彼に恋の手ほどきをして世の中の色んなことを教えてくれるし、ドーバー海峡を泳いで渡っちゃいます!ww
ベンジャミンは船での経験やエリザベスとの出会いで、1人の男として成熟し、誰よりも魅力的になっていくのです。この辺りの描写が淡々としていて、それでいて説得力があって脚本の力かなと思いました。
デイジー(ケイト・ブランシェット)は、美しく成長して、時代の最先端の自由を身にまとったバレエダンサーになります。ニューヨークでの再会は、お互いの若さゆえ気持ちがかみ合いません。ベンジャミンは見た目は当時、中年ですが中身はまだまだ青臭いのですよね。
しかし、やはり運命は二人を結び付けます。愛し合う二人ですがベンジャミンは普通の男ではありません。結末は切なさでいっぱいです。
青い月明かりの中で踊ったデイジーの美しさは、一瞬のものです。時を止めることはできません。徐々に老いていくデイジー。アメリカ人はとりわけ若さを愛する国民性があるので、デイジーの老けていく姿を残酷と捉えることでしょう。実際、あの気品と美しさの権化である「ガラドリエル様(LOTR)」が年を取っていく姿は、痛々しかったです。ケイトも撮影していて辛かったかも・・・です。バレエをやっているので、体形は崩れないし、もとが美しいので美しい中年女性になるのですが、ベッドから出て身づくろいする姿に老いを感じました。あれはどうやって撮影したのかな?微妙にたるんだ肉体を若いベンジャミンの前にさらすことは辛かったはずです。逆に、久しぶりに戻ってきたベンジャミンは「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の頃を彷彿とさせます。放浪していたのもインドってことで、(ファンを狙って)作為的かなって思いました。ww
何しろ、若さの輝くばかりの美しさの時代はデイジーにもベンジャミンにもありました。しかし、若く美しい時代は人生の中では一瞬なのです。しかも、彼らはすれ違ってしまう運命・・・。
若く輝く美しいビラピをスクリーンでまた見られただけでも感激です。息を呑む美しさです。しかし、それが美しければ美しいほどに切ないのです。
2009年(公開) アメリカ ヒューマンドラマ、ファンタジー
2009年2月11日 ワーナーマイカル・シネマズ新百合ヶ丘
監督 デヴィッド・フィンチャー(ファイト・クラブ、セブン)
原作 F・スコット・フィッツジェラルド
出演 ブラッド・ピット(バベル、ディパーテッド、トロイ、ファイト・クラブほか多数)、ケイト・ブランシェット(エリザベス・コールデン・エイジ、バベル、アビエイターほか多数)、ティルダ・スウィントン(コンスタンティン、ナルニア国物語/ライオンと魔女、ザ・ビーチ)、エル・ファニング(バベル)
(出演作品などは私が観たものに限る)
ニューオリンズ、1918年。第一次世界大戦が終結した日、1人の男の子が生まれる。しかし、生まれたばかりなのに80歳の老人の肉体を持った子供に驚いた父親は、その赤ん坊を老人施設の玄関先に捨ててしまう。老人施設を営む黒人女性クイニーはその赤ん坊を拾って育てる。その子・・・ベンジャミン(ブラッド・ピット)は周囲が老人という特殊な環境のため、あまり違和感を感じずに育っていくが、どんどん若返っていくのだった。施設入居者の孫娘デイジーと出会う。ベンジャミンは若返り、デイジーは美しく成長して行き・・・。
ありえない大人のためのファンタジーなのですが、CGの技術と特殊メイクで老人で生まれたベンジャミンが若返っていくのが興味深かったです。おじいさんのブラピは少々気持ち悪いのですが(しかも、子どもなのでしぐさは子どもらしいし、背丈も小さい)、確かに生身のブラピが演技しているのが分かります。子どもなんだけど、おじいさんという人間は演じにくかったでしょうね~。とはいえ、車椅子から2本の杖、それが杖も1本になり、元気に歩く彼は、ついにバイクにまで乗るようになります。母親の元を出て行き、船に乗り込み、第二次世界大戦に出会うのです。戦闘場面まであって、予想外でした。淡々としたストーリーかと思っていたので・・・。
ベンジャミンは幼いデイジー(エル・ファニング)と出会うのですが、彼は別の恋もします。大人の成熟した世界を教えてくれるエリザベス(ティルダ・スウィントン)です。さすが、「白い魔女(ナルニア物語)」です。彼に恋の手ほどきをして世の中の色んなことを教えてくれるし、ドーバー海峡を泳いで渡っちゃいます!ww
ベンジャミンは船での経験やエリザベスとの出会いで、1人の男として成熟し、誰よりも魅力的になっていくのです。この辺りの描写が淡々としていて、それでいて説得力があって脚本の力かなと思いました。
デイジー(ケイト・ブランシェット)は、美しく成長して、時代の最先端の自由を身にまとったバレエダンサーになります。ニューヨークでの再会は、お互いの若さゆえ気持ちがかみ合いません。ベンジャミンは見た目は当時、中年ですが中身はまだまだ青臭いのですよね。
しかし、やはり運命は二人を結び付けます。愛し合う二人ですがベンジャミンは普通の男ではありません。結末は切なさでいっぱいです。
青い月明かりの中で踊ったデイジーの美しさは、一瞬のものです。時を止めることはできません。徐々に老いていくデイジー。アメリカ人はとりわけ若さを愛する国民性があるので、デイジーの老けていく姿を残酷と捉えることでしょう。実際、あの気品と美しさの権化である「ガラドリエル様(LOTR)」が年を取っていく姿は、痛々しかったです。ケイトも撮影していて辛かったかも・・・です。バレエをやっているので、体形は崩れないし、もとが美しいので美しい中年女性になるのですが、ベッドから出て身づくろいする姿に老いを感じました。あれはどうやって撮影したのかな?微妙にたるんだ肉体を若いベンジャミンの前にさらすことは辛かったはずです。逆に、久しぶりに戻ってきたベンジャミンは「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の頃を彷彿とさせます。放浪していたのもインドってことで、(ファンを狙って)作為的かなって思いました。ww
何しろ、若さの輝くばかりの美しさの時代はデイジーにもベンジャミンにもありました。しかし、若く美しい時代は人生の中では一瞬なのです。しかも、彼らはすれ違ってしまう運命・・・。
若く輝く美しいビラピをスクリーンでまた見られただけでも感激です。息を呑む美しさです。しかし、それが美しければ美しいほどに切ないのです。
だからこそ輝いているし、だからこそ切ない。
いろんなことを考えさせてくれる良い作品でした~。
若さの輝きは、まぶしいですね。
そして、時間って残酷です。
切なさと共に、色々考えさせてくれたこんな映画が好きです。