ももママの心のblog

猫が大好き。有料老人ホームで生活相談員をしています。映画が好きだけど、なかなか見られません。

白いカラス

2005-09-14 | 映画 さ行
美しいニュー・イングランドの湖畔を背景に、人種差別の複雑さを静かに描く。

2003年 アメリカ ヒューマン サスペンス
2005年9月12日 VTR
監督 ロバート・ベントン(クレーマー・クレーマー)
原作 フィリップ・ロス
出演 アンソニー・ホプキンス(羊たちの沈黙)、ニコール・キッドマン(コールドマウンテンザ・インタープリター奥様は魔女)、エド・ハリス(戦争の始め方)、ゲイリー・シニーズ(フォーゴットン


名門大学で初のユダヤ人古典教授・コールマン(アンソニー・ホプキンス)は、「スプーク」という俗語を講義中に口にしたため、黒人への差別発言とみなされて辞職を余儀なくされた。ショックから妻も亡くなり、仕事と家庭を失った彼は失意と怒りを心に秘めて湖畔で暮らす。ある日作家のネイサン(ゲイリー・シニーズ)を訪ねて自分が職と妻を失った経緯を本に書くことを依頼する。ネイサンは彼が自分で書くことを勧めながら、二人の間に友情が生まれる。
ある日、コールマンはネイサンに恋人がいることを打ち明ける。恋人・ファーニア(ニコール・キッドマン)は、親子ほど年の離れた若い女で、義父の性的虐待・ベトナム帰りの暴力夫(エド・ハリス)・過失からの子どもの焼死というくらい過去を持っていた。経済的に恵まれた生まれにも関わらず、付きまとう夫・レスターから逃げながら掃除婦をしていたのである。
周囲の人々は彼らの関係を歓迎せず、二人の生きる世界の違いに違和感を覚える。しかし、コールマンは長年連れ添った妻にさえひた隠しにしてきた重大な秘密を彼女に打ち明ける。彼は黒人でありながら皮膚の色が薄く生まれたので、ユダヤ人と偽って生きてきたのだった。社会的な成功を得るために自らのアイデンティティを捨てた男と、裕福な生まれ育ちを捨てて貧困層に逃げ込んだ女。この二人の切ない交流は・・・

黒人に見えない黒人がいるということは、知らないことだった。たまたまそのような肌の色に生まれた為に、自分のアイデンティティを捨てる行き方をしてきたコールマン。普通は黒人として生きざるを得ないのに、選択できた為に大変な葛藤を抱えることになる。この設定自体が大変興味深かった。
アンソニー・ホプキンスの抑えた演技と灰色の風景が、切なく胸に迫ってくる。
ニコール・キッドマンは、このときはまだ普通に綺麗という感じ。(しかしこの映画で女優として画期的な注目をされたとのこと。この後、単なるトム・クルーズの綺麗な奥さんとしてではなく、ぐんぐん伸びていくのだろう
それより、ゲイリー・シニーズ、エド・ハリスが印象に残る。おじさん3名の名演が光る映画である。




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2 コメント

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是非 (Yoca@不眠)
2005-09-18 01:47:18
観たい映画ですニャ。
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やはりすごいアンソニー (ももママ)
2005-09-18 05:34:18
Yoca@不眠ちゃん

アンソニー・ホプキンスはやはりスゴイ俳優と再認識。黒人に見えないとの批判も一部であるようですが、黒人に見えたらこんなことにならないわけで、白人に見える黒人のお話です・・・

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