Masayukiの独り言・・・

老いの手習い日記です。

庭の藤花から思うこと

2007-04-20 22:30:30 | Weblog
 10日程前には枝の隙間から道路や向かいの家からの話し声が聞こえた我家の庭先も、今は新緑が芽吹き一面緑に覆われたようになっている。
何か自分の空間は他から隔離された柔らかい真綿のような中に居るような錯覚を覚える。この時期は一年の内で一番いいと思う。
 その庭の一角に小さな藤棚がある。長さ2m、巾1m程の藤棚だが今日濃い藤色の花をびっしり隙間なく付けた。1週間ほど前に薄い藤色の花を付けたが、少しずつ伸びて茎いっぱいの花は50cm程になった。
今日が一番の見ごろである。母と妻も「今年の藤が一番いいね」と言って眺めていた。
 思い出すに、12年前今は亡き父が「熊野の長藤のような藤を庭に植えたいなー」と言ったことだ。その時の父は弱く庭を見たり、手入れすることが唯一の楽しみだった。
探し求めて、一本の苗木を植えた。その父も11年前藤の花を見ることなく他界した。
その花が今を見ごろと満開の花を付けている。
きっと何処かで、父もこの花を見ているような気がする。