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新しいスーパーコンピュータ(ポスト京)について

2018-11-27 13:04:06 | Weblog

こんにちは、就職指導室の遠藤です。
今日は、スーパーコンピュータの話です。

 先月の10月23日、内閣府が文科省や理化学研究所が開発中の次世代スーパーコンピュータの製造には入ることを了承しました。

 スーパーコンピュータとは、科学技術計算を目的としていて、浮動小数点の計算を高速かつ大量にこなすことができるコンピュータです。利用分野としては、天気予報の計算、創薬の計算等々、大規模かつ大量の計算が必要なシミュレーション分野です。そして、スーパーコンピュータの価値を決めるのは、性能です。このため、各国/各メーカーともしのぎを削って、高性能のスーパーコンピュータを開発しています。

 理化学研究所が開発した現行のスーパーコンピュータは、「京」と名付けられています。京は、「ケイ」と発音し、万→億→兆につづく数字の単位です。日常生活に登場しない数字の単位ですが、1京を数字で書くと「10,000,000,000,000,000」となります。とても大きな数字ですよね。スーパーコンピュータの「京」という名前は、浮動小数点数演算を1秒あたり1京回も計算できる処理能力から命名されました。
 「京」は、フルスピードで動かしますので、当然、熱くなります。熱くなるので、きちんと冷やさないとオーバーヒートして動かなるどころか、下手をすれば火事になります。サーバやパソコンは空冷式といって、空気を循環させて冷やします。しかし、「京」では、より効率の良い冷却方法を採用する必要があり、空気ではなく水を使った水冷式を採用しています。
 昔から、相性の悪い関係は、「水と油」と表現します。電気の世界では、「水と電気」の相性が最悪です。その証拠に、スマホを水に浸けると、即、死亡します。一度水に浸かったスマホは、二度と息を吹き返すことはないでしょう。 私は、昔、スーパーコンピュータの組み立て現場で働いていたときがあります。このときは、スーパーコンピュータを間近で見ることもできましたし、触ることもできました。スーパーコンピュータのラックには、普通のサーバではまず見ない水道管が走っており、水と電気が共存している状況を見て、凄さを感じ、頬ずりしたくなった記憶があります。

 さて、新しいスーパーコンピュータは、「ポスト京」と呼ばれています。製造は富士通が担当し、現在の「京」の100倍の演算性能を目指し、2021年に稼働する計画です。100倍の性能が出れば、丸4日間かかっていた計算が、1時間で完了します。1年かかった計算は、4日間程度で完了します。しかしながら、100倍ですと、世界一にはなれません。さらに、切磋琢磨して、稼働時には、世界一の性能を叩き出して欲しいものです。

 「ポスト京」の総事業費は、1,300億円です。この1,300億円とは、スカイツリー2本分です。たかだか、コンピュータ(?)に対して、1,300億円も使ってくれるのです。しかも、スカイツリーと違い、スーパーコンピュータの寿命は10年弱だと思います。しかしながら、「ポスト京」は、費用対効果で考えても、十分に価値があると思います。ITの底力と将来性を感じざるを得ません。

【写真について】
冒頭の写真は、現在、建設中の5号館の様子です。来年の新年度からの利用を目指して、絶賛建築中です。
次の写真は、若幸祭(2018年10月28日)の一コマです。

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