いまや超々特大人気です。『アガサ・クリスティーへのオマージュとして書かれた推理小説の傑作!』と銘打たれて書店に山積みになっています。
しかぁし!私が『読もう』と思ったのは作者名に目がいったからです。
アンソニー・ホロヴィッツ(!)こっ、これは~、あの『刑事フォイル』のストーリーを組み立てているヒトぢゃないですか!これは読まずにいられません。毎回フォイル警視の推理について行けない私ですが、小説ならば犯人が分かるかも(?)と思って・・・買ってしまいました。
※アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件(上)』創元推理文庫 / 2019年2月22日11版発行
読み始めると、最初に『一読者の感想』らしきものが書かれていて『へっ?』と面喰らいます。
何と『この本を読んで人生が変わった』というのです。で、読み進める人に『ちゃんと警告しましたからネ』と念を押します。
すると『第二の表紙』が、現れます。
表紙には『名探偵アティカス・ピュントシリーズ「カササギ殺人事件」アラン・コンウェイ』なる文字が・・・さらにアティカス・ピュントシリーズの説明と有力紙による書評が・・・どうやら、いま私の居るこの世界とは異なるパラレルワールドの出来事のようです。その世界では『アラン・コンウェイによって創造された名探偵アティカス・ピュントが登場する小説が、エルキュール・ポワロに匹敵するような人気を博していて、すでに8冊が刊行されている』というのです。
読み進むとどうやら作者のアラン・コンウェイは、この名探偵アティカス・ピュントのシリーズを書き続けることに飽きたのか、あろうことかこの名探偵を『殺して』しまおうとしていることが分かるのです(この事件が『アティカス・ピュント最後の事件』になりそうです)。名探偵は『自分を悩ましている頭痛の原因が脳腫瘍であり、自分はあと数ヶ月の命である』ことを宣告され、病に侵された身体を引きずって調査に向かうのでした。
※フリードリヒ『槲の森の修道院』(イメージとして掲示してみました)
事件は1955年7月、田舎町サクスビー・オン・エイヴォンにある通称『パイ屋敷』で起こります。
家政婦が掃除機の電気コードに足を取られたのか、階段から転げ落ちて首の骨を折って亡くなります。
その葬儀に参列した謎の男の存在が語られ、事件は次の段階へ・・・パイ屋敷の当主が屋敷にあった剣で首を刎ねられる事件が発生、静かだった田舎町は疑惑渦巻く大騒動に巻き込まれて行きます。
最初に亡くなった家政婦は町内の出来事を詮索して日記(他人の悪口と中傷が満載のシロモノ!)に付けていました。村人の誰かを恐喝していたフシもあります。家政婦はパイ屋敷の当主に仕えていましたが、屋敷内で息子の一人を亡くしています。残ったもう一人の息子はここの生活を嫌って家を出、自動車工になっています。結婚を前提に付き合っている娘がいますが、母親(亡くなった家政婦)からは嫌われていました。
パイ屋敷の当主はといえば、ヒトの嫌がることを無理に行うようなネジくれた性格で、村人たちの愛する森を宅地開発しようと計画していました。また、当主の妹は財産を分与されず、貧しい生活をしていましたが、出生時の秘密が明らかになり(実は)正当な継承権を持つことが判明したところです。
上巻の章立てはカササギによる数え歌(好きだなぁ)によって構成されています。
第1章:悲しみ(一羽なら悲しみ)
第2章:喜び (二羽なら喜び)
第3章:娘 (三羽なら娘)
第4章:息子 (四羽なら息子)
第5章:銀 (五羽なら銀)
第6章:金 (六羽なら金)
※飛翔するカササギ。
ここで上巻が終わります。数え歌そのものは『七羽ならそれは、明かされたことのない秘密』で終わっています。
謎解きだけで下巻全部を必要とするボリュームがあるのでしょうか?
しかし、上巻の末尾近くで名探偵アティカス・ピュントは次のように宣言します。
ジェイムズ『誰が犯人なのか、あなたにはもうわかっているんでしょうね』
アティカス『わたしにはすべてわかっている、ジェイムズ。わたしがすべきなのは、それぞれの事実を結びつけることだけだったのだが、いまや、すべてがはっきりとした。』
ええ!?そうなの?全然ワカリマセーン!もう下巻を読むしかナイッ!
(つづく)←今スグこの文字をクリックして『カササギ殺人事件(下)』へGo!
しかぁし!私が『読もう』と思ったのは作者名に目がいったからです。
アンソニー・ホロヴィッツ(!)こっ、これは~、あの『刑事フォイル』のストーリーを組み立てているヒトぢゃないですか!これは読まずにいられません。毎回フォイル警視の推理について行けない私ですが、小説ならば犯人が分かるかも(?)と思って・・・買ってしまいました。
※アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件(上)』創元推理文庫 / 2019年2月22日11版発行
読み始めると、最初に『一読者の感想』らしきものが書かれていて『へっ?』と面喰らいます。
何と『この本を読んで人生が変わった』というのです。で、読み進める人に『ちゃんと警告しましたからネ』と念を押します。
すると『第二の表紙』が、現れます。
表紙には『名探偵アティカス・ピュントシリーズ「カササギ殺人事件」アラン・コンウェイ』なる文字が・・・さらにアティカス・ピュントシリーズの説明と有力紙による書評が・・・どうやら、いま私の居るこの世界とは異なるパラレルワールドの出来事のようです。その世界では『アラン・コンウェイによって創造された名探偵アティカス・ピュントが登場する小説が、エルキュール・ポワロに匹敵するような人気を博していて、すでに8冊が刊行されている』というのです。
読み進むとどうやら作者のアラン・コンウェイは、この名探偵アティカス・ピュントのシリーズを書き続けることに飽きたのか、あろうことかこの名探偵を『殺して』しまおうとしていることが分かるのです(この事件が『アティカス・ピュント最後の事件』になりそうです)。名探偵は『自分を悩ましている頭痛の原因が脳腫瘍であり、自分はあと数ヶ月の命である』ことを宣告され、病に侵された身体を引きずって調査に向かうのでした。
※フリードリヒ『槲の森の修道院』(イメージとして掲示してみました)
事件は1955年7月、田舎町サクスビー・オン・エイヴォンにある通称『パイ屋敷』で起こります。
家政婦が掃除機の電気コードに足を取られたのか、階段から転げ落ちて首の骨を折って亡くなります。
その葬儀に参列した謎の男の存在が語られ、事件は次の段階へ・・・パイ屋敷の当主が屋敷にあった剣で首を刎ねられる事件が発生、静かだった田舎町は疑惑渦巻く大騒動に巻き込まれて行きます。
最初に亡くなった家政婦は町内の出来事を詮索して日記(他人の悪口と中傷が満載のシロモノ!)に付けていました。村人の誰かを恐喝していたフシもあります。家政婦はパイ屋敷の当主に仕えていましたが、屋敷内で息子の一人を亡くしています。残ったもう一人の息子はここの生活を嫌って家を出、自動車工になっています。結婚を前提に付き合っている娘がいますが、母親(亡くなった家政婦)からは嫌われていました。
パイ屋敷の当主はといえば、ヒトの嫌がることを無理に行うようなネジくれた性格で、村人たちの愛する森を宅地開発しようと計画していました。また、当主の妹は財産を分与されず、貧しい生活をしていましたが、出生時の秘密が明らかになり(実は)正当な継承権を持つことが判明したところです。
上巻の章立てはカササギによる数え歌(好きだなぁ)によって構成されています。
第1章:悲しみ(一羽なら悲しみ)
第2章:喜び (二羽なら喜び)
第3章:娘 (三羽なら娘)
第4章:息子 (四羽なら息子)
第5章:銀 (五羽なら銀)
第6章:金 (六羽なら金)
※飛翔するカササギ。
ここで上巻が終わります。数え歌そのものは『七羽ならそれは、明かされたことのない秘密』で終わっています。
謎解きだけで下巻全部を必要とするボリュームがあるのでしょうか?
しかし、上巻の末尾近くで名探偵アティカス・ピュントは次のように宣言します。
ジェイムズ『誰が犯人なのか、あなたにはもうわかっているんでしょうね』
アティカス『わたしにはすべてわかっている、ジェイムズ。わたしがすべきなのは、それぞれの事実を結びつけることだけだったのだが、いまや、すべてがはっきりとした。』
ええ!?そうなの?全然ワカリマセーン!もう下巻を読むしかナイッ!
(つづく)←今スグこの文字をクリックして『カササギ殺人事件(下)』へGo!