吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件(下)』創元推理文庫 / 2019年4月12日10版発行

2019-06-19 05:37:29 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護
 (承前)←初めて見た方はこの文字をクリックして『カササギ殺人事件(上)』に戻ってから読んでください。

 下巻でいよいよ謎解きを・・・と思ったら、ここで本当の大事件が!
 ええ!?第七章の原稿が行方不明!・・・作者のアラン・コンウェイは自殺ぅ!
 何だってぇ!?


※アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件(下)』創元推理文庫 / 2019年4月12日10版発行

 予想もしなかった展開!いままで読んでいたのは作中で語られていた小説の原稿だったのです!
 ストーリーは失われた()第7章を捜す物語に大転換。ミステリーの結末が分からないなんて!

 『ミステリーを読んでいてこんなに腹立たしいことってある?

 こんなにヤキモキする展開を誰が予想したでしょうか?この時点でようやく、上巻の冒頭で読者に警告した人物がアラン・コンウェイの本を担当する編集者だったことが分かります。『何とかして失われた原稿を見つけないと』との思いで必死に原稿を捜すうち『実はアラン・コンウェイは殺されたのではないか?』と思うようになります。


※ピーテル・ブリューゲル『絞首台のある風景(絞首台上のかささぎ)』(小説の内容とは関係ありません。)

 調査を進めていくと、今回のアラン・コンウェイの作品の登場人物には全員、現実のモデルがいることが分かってきます。原稿の調査と物語の結末が絶妙にマッチングしながら明らかになる『アッ!』と驚く結末には、誰もが『ヤられたっ!』と悔しがることでしょう。

 二重の犯人捜しと、さらに大きな謎・・・しかもその答えは始めから目の前にぶら下がっていたのですから・・・。

 さあ、もう読まずにはいられませんネ!
 楽しめます!疑いもなく(いや、犯人が誰かは思う存分疑ってくださいネ!)。
 
 (了)