MiddleDayTripperの徒然記

気ままな中年オヤジの独り言

似て非なる2台

2013-03-16 21:20:40 | 細かい所が気になってしまう…

偶然、服のCMを見た。大河主演女優が地下駐車場を歩いていると、ヤバそうなオッサンとファンキーなオッサンの乗るクルマが近づく。そのクルマが一瞬名車に見えた。

勘違いしたのはルノー8で、実際にCMで使用されていたのはシムカ1000だった。

←ルノー8

←シムカ1000

識別点はトランク(RRなのでボンネットにあたる)が水平で、ヘッドライト下に小さなフロントグリルがあり、ウインカーがサイドフェンダーに回り込んでいた点だ。

この2台は60年代のフランス大衆車の代表でもあった。どちらも60年代初期に発売され、水冷4気筒1リッターエンジンをリアにマウントしているからか良く似ているが、その生い立ちが全く異なるので面白い。

ルノー8はナチス・ドイツ占領下で極秘に開発を進め、終戦後に発売した4CV(日本でも日野自動車が「日野ルノー」としてライセンス生産)と上級車種となるドーフィヌ(日野ルノーの後継車コンテッサもプラットフォームは共通)の流れを汲む4CVの後継車。8をベースにした競技仕様のゴルディニはヨーロッパのレースやラリーで大活躍した。73年にFFの12や6に交替して本国での生産を終了した。スペインのFASA-Renaultやルーマニアのダチアでは76年まで生産。

シムカ1000は親会社(当時)であるフィアットが主力の600の上級車となる850用に新開発したエンジンをフランス向けに944ccに拡大。独自のボディを加装したモデルだった。しかし会社がヨーロッパ進出を目論むアメリカのクライスラーの強硬な買収工作に遭って後継車が開発できない状況に陥り、17年間生産された。こちらもゴルディニのようなスポーツモデルがあったが、登場が73年と遅かった。理由は元々ベルトーネのデザインによるクーペがあったが、販売方針変更で71年に生産終了していたのと、背景にはモータースポーツ参加より販売テコ入れ策だった事である。シムカ1000は77年にクライスラー・オムニのフランス版となるオリゾンが登場し78年に生産中止となった。会社はオリゾン発表直後にクライスラーが経営危機に陥り、プジョーに売却され、社名をタルボに改称し、OEMで販売していたが、80年代後期に完全吸収されて消滅した。

シムカ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。