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小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(20)CG

2008-07-21 19:29:02 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(20)CG

「美保さん、良かったわね。お母さんもう用意してくれていたのね。京平、部屋に運んであげなさい」。
「お義父さんお義母さん、有り難うございます。私凄く幸せです」。
父と母は黙って頷くと、ス~ッと頬に涙が流れて床に落ちた。
私も胸が熱くなる思いで大きな箱を抱えて二人で部屋に戻った。
「京平さん有り難う、私どうしよう、嬉しくて、嬉しくて」。胸に飛び込んで身体を預けると泣いた。
「良かったな。きっとお父さんだって分かってくれるさ」。美保は二度三度と私の胸に額をぶつけて頷いていた。
そして二日後、二十四日。起きると結婚を祝ってくれるように晴れていた。
朝から業者が来てリビングは結婚式場に様変わりしていた。
私たちが行くと、まだだ。と父は中へは入れてくれなかった。美保は美容室に出掛けて私は一人部屋にいた。
何もする事もなく、ただ自分の部屋でテレビを観ていた。

そして十一時半、母が買ってくれた真っ白な礼服に着替えた。
すると、ノックして母が入って来た。その後に純白のウェディングドレスを纏った美保が入って来た。眩しいほど美しかった。
「へへッ、なんか恥ずかしいな。京平さんカッコイイ」。
「美保、奇麗だ。母さん有り難う」。
「美保さん、本当に奇麗よ。今日は天気も良いし、良い日になって良かったわね。さあ行くわよ」。
私と美保はリビングに降りた。すると、見違えてしまう程リビングは飾られ、親戚や友人たちが駆け付けてくれていた。
大きな拍手と結婚行進曲が流された。そして、その先には神父さんまで呼んでくれていた。そして宿泊客までが参列してくれていた。
私は前の結婚の事が頭に過ぎった。今の幸せは問題にならない程嬉しかった。
そして、カメラのフラッシュが炊かれ、シャッターの音が鳴り響いた。
そして神父の前に立ち、誓いの言葉を宣言し、指輪の交換をした。そして皆んなの前で誓いの口付けを交わした。みんなの冷やかす声と口笛が美保は嬉しかった。
席に掛けると、大きなウェディングケーキが運ばれて来た。
美保の頬をボロボロと大粒の涙が流れた。
それを京平の大きな手で拭うハンケチ。京平の母も貰い泣きしていた。
こうして素晴らしい結婚式を挙げてもらった。

そして午後、披露宴が始まり、皆んなが出口に並んだ、すると、ゲートを作ってくれた。その先には白のリムジンがドアを開けて待っていた。
父がチャーターしてくれていたのだ。
私達は人の手で作られたゲートをくぐり、リムジンに乗り込んだ。そして婚姻届を出しに白馬村役場に向かった。
すると、知らせが入っていたのか、役場の玄関には職員たちが拍手と花束で迎えてくれた。美保の驚きと喜び様とは涙が物語っていた。花束を抱えながら拍手に囲まれて婚姻届を提出した。
受付の向こう側ではではその姿をカメラに収めてくれていた。
私は父と母と、そして従業員達の手作りの結婚式に感謝し、一生忘れられない結婚式となった。

そして帰りのリムジンの中で京平は美保を幸せにする事を改めて誓った。
こうして結婚式も無事に済み、招待客も親戚も帰った。後は業者が来て片付けて夕方にはいつものペンションに戻っていた。
そして私達は部屋で繕いでいると母が呼びに来た。そして心配そうな顔をしていた「何かあったの、静岡から刑事さんが二人で訪ねて来たわよ」と言うのだった。
「やっぱり聞きにきたわね」。と美保は至極冷静な顔をしていた。私も美保もきっと来ると覚悟していた事であった。
顔色一つ変えず、刑事が訪ねて来た話しの内容を母に説明した。
すると母はホッとした顔を見せていた。そしてリビングに降りるとアパートに来た刑事が来ていた。

「近藤さん奥さん、済みません。こんな所まで押し掛けてきまして。それと、御結婚おめでとうございます」。
その刑事は既に今日の事は調べが付いている様だった。
「それで今日伺ったのは、ホテルで暴行をした二人組の事で少しお聞きしたいと思いましてね。すでにご存じだと思いますが、その二人組が何者かに殺害されましてね。その事で伺ったんです。
あの晩の事なんですが、貴方の車を二人の乗った車が敷地の交差点から追い掛けていたと言う目撃者がありましてね」。
「確かにあの晩アパートへ帰ろうとして敷地の交差点に来た時、暴走族みたいな車に追われて逃げました。でも顔までは分かりませんでした。あの暴力団だったんですか」?私は平然と答えて刑事の顔を見た。
「ええ、何人もの人が目撃していましたから間違いありません。それで、その後どうゆうように逃げたんです」。
「はい、あの交差点に来て、私が急発進して前に出たらピタッと後ろに付いてクラクションを鳴らしたものですから、これは暴走族のかなんかの車を怒らせてしまったと思って、京平さんがアパートに帰ると家を突き止められて徒されるとから真っすぐ走れって。それで久能街道の方へ走って右折したんです。
それで、大浜公園の交差点に来たら赤信号で止められてしまったんです。でも車が来てなかったもので、信号無視で大浜公園の方へ曲がりました。
そしたら後ろの車も追って来て、私は公園のT字路を左に曲がって逃げました。そして堤防へでました。それで少し走ったんですが追って来なくなったんです。
それで少し止まって来ないのを確認してUターンして来た道を戻ってアパートに帰りました。そしたら刑事さん達が前に走っていたんです」。
「御主人、それに間違いないですか?・・・」
刑事は驚いたような顔をしてそう言うと私の顔を覗くように見た。
「はい、間違いないですよ。でも追い掛けていた車があの二人だったなんて捕まらなくて助かりました。もし捕まっていたら何をされていたか分かりませんからね」。
「そうですか。所で、あの二人が殺害されていたと言うのがその堤防の所なんです。何故あとを追って来なかったんでしょう。それから、何か不審な車を見ませんでしたか」?
「どうして追って来なかったかとか、不審な車っていいますがね。刑事さんも変な事を聞きますね。私達はその不審な車に追われて逃げ回っていたんですよ。それに、どうして追うのを止めたかなんて分かる筈ありません」。
「そうでした。では質問を変えます。あの堤防から戻る時に車と擦れ違う事はなかったですか」?
「ええ、一台だと思いますが止まっていました。でもアベックの車でしょう。あの場所は夜になるとアベックが大勢来ますから、なあ」。
「うん、黒っぽい車だったかな」。
NO-20-48

小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(19)CG

2008-07-21 19:19:51 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(19)CG

「うん、あんなダニは生きていたってまた人に迷惑掛けて苦しむ人達が出るだけよ、いない方がいいわよね」。
「美保、もし警察があの二人の事でまた聞きに来たら知らない車に追っ掛けられて大浜まで逃げて行った事をそのまま話そう、それで左に曲がったら追って来なかった事にしようか」。
「そうね、警察だって馬鹿じゃないものね。敷地の信号から追われていた車の事は調べるでしょうから。変に嘘を言うより大浜公園まで逃げて左折したら追って来なかった事にしよう。それが真実だから、まさか私達があの二人をお掃除したなんて思わないでしょうからね」。
「お掃除は良かったな、懐に飛び込んだ方が警察は疑わないからな。それからレストランを出でからどうしてたって絶対聞かれるから、美保が車の運転の練習して街を走り回っていた事にして正直に話そう」。
「うん、分かった。それでバッチリだね」。
そして静岡から山梨と経て、白馬に入ったのは午前二時を回っていた。そして実家に着くと父が起きて待っていてくれた。
「全くお前と言う奴は、美保さんお帰り。疲れただろう」。
「いいえ、お義父さんこそ遅くまで済みません。母が宜しく伝えて欲しいと言っていました」。
「そうですか、荷物は明日にして今夜はもう休みなさい」。
私たちは大事な荷物だけ車から降ろすと部屋に入った。そして風呂に入るとベッドに入った。お休みのキスすると、話もそこそこに眠っていた。
そして翌朝、目を覚ますと美保は腕の中で眠っていた。そし枕元にあるリモコンでテレビを点けた。
すると八時のニュースが始まっていた。すると、静岡の海辺で起こった殺人事件のニュースが流れていた。
美保を揺すって起こすと、もう起きて聞いていた。
「始めに、静岡で発生しました殺人事件のニュースからお伝えします。本日未明、静岡県静岡市郊外の大谷海岸で射殺された二人の男性の死体が発見されました。静岡県南警察署の調べでは、此の二人は昨日の夕方、市内ホテルのレストランの支配人である、新田進一さん40才が、暴力団お断りと書かれた表示を無視し、来店した二人に入店を拒否した所、暴力を奮われ逃走した後、一時間後に死亡し、障害致死で探していた二人である事が分かりました。
二人は孰も至近距離から一発で首を打ち抜かれており、即死しだったと言う事です。
尚、殺害状況から二人を殺害したのはプロの仕業だと見ております。また、二人の車のトランクからは覚醒剤2キロが発見されており
二人は何物かと覚醒剤の取引の最中に話がこじれ、殺害されたものと警察では見ております。
殺害された二人の身元は所持していた免許証から、大坂市在住の暴力団、辻村連合の的場組み組員若頭、堀田俊也32才と、弟分の関野実30才である事が判明しました。また、殺害された二人は先週大坂府警から覚醒剤密売の容疑で全国に手配されていた事も判明しました。また詳しい事は目下調査中と言う事です。・・・」。
テレビを消した。美保はホッとした表情を浮かべていた。
「京平さん、これなら私達の事は疑われないね。まさかトランクに覚醒剤が入っていたなんて夢にも思わなかったね」。
「でも安心はできないぞ、例えそうであっても少しでも関連性があれば警察は調べに来るからね。打ち合わせ通り話すんだよ」。
カーテンを開けると、梅雨の合間の晴れ間が覗いて真っ青な空が広がっていた。
美保はブラを着け、Gーンズのショートパンツにフィラのロゴの入った真っ白なTシャツに着替えた。私もまたペアのTシャツにG~ンズをはいて食堂に行った。
すると、宿泊客は既に食事を済ませ、両親と従業員たちはお茶してた。
母は私達を見ると厨房に行った、美保はその後を追うように厨房に入ると、笑い声が聞こえ、覗くと二人で食事の支度をしてくれていた。
「もっと寝てれば良いのに。美保さん、良く眠れたかね」?
「はいお義父さん、皆さん今日からお世話になります。何も分かりませんので宜しくお願いします」。
「若奥さん、いまも社長とその話をしていたんです。私達こそ宜しくお願いします」。
チーフの飯島貞雄は椅子から立ち上がり、従業員を代表して美保に頭を下げた。すると七人全員が立って頭を下げた。
美保は暖かい眼差しに感激したのか、目に一杯に涙を浮かべて頭を下げていた。
「皆んな、夕べも話したように二十四日の木曜日は二人の結婚式をペンション挙げてしますから。宜しく頼むよ」。
父は私を事務所に呼んだ。私は美保と事務所に行った。
「京平、美保さん。仮祝いでなくて結婚式にしたからね。食事を済ませたら二人松本へ行って指輪を買って来なさい。
私の知り合いの貴金属店は知っているね、もう話してあるから」。
そう言うと父は分厚い封筒を差し出した。それが金だと言う事は直ぐに分かった。
「父さん有り難う、でも自分の貯金で買うから良いよ。そのつもりでちゃと貯金もしてあるから」。
「そうか、じゃあそうしなさい。美保さん大きいのを買って貰いなさい。それから婚姻届の用紙と書類は役場から貰って来てあるから。美保さん、夕べ京都のお母さんから電話を貰いましたよ。娘の事を宜しくって、それから一日も早くお父さんを説得して会いに行きますからって」。
「はい、済みません。父は頑固なものですから」。
こうして私と美保は食事を済ませ、松本に出掛けた。そして父の知り合いの宝石店に行くと結婚指輪とダイヤの指輪を注文した。
リングの裏には1998・6・24と、お互いのイニシャルの刻印した。
私はダイヤの指輪を美保の左手に嵌めた。美保は泣いていた。
そしてカードで一括払いで払い、白馬に帰った。
母と父は早速美保の指輪に気付いて冷やかしていた。美保は照れながら本当に嬉しそうだった。私はその笑顔が一番嬉しかった。
すると母が大きな箱を運んで来た。
「美保さん、此れ先程届いたの。お母さんから美保さんにって」。美保は驚きながらも梱包を解いた。そして開けた。
その中には純白のウェディングドレスとブーケ、そして冠が入っていた。美保は両手で顔を覆うとドッと泣いた。
「お母さん有り難う、私親不孝しているのに」。母はそんな美保の肩を抱いてそっと涙を拭いていた。NO-19