エンターテイメント、誰でも一度は憧れる。

PCグラフィック、写真合成、小説の下書き。

小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(18)CG

2008-07-20 18:12:26 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(18)CG

その時、私はなんの罪悪感も感じなかった。息も乱れなかったし、手も膝も震える事はなかった。
「京平さん完璧。車もないし誰にも見られなかったよ。あんな事するからよ。天罰よね」。美保は平然と何も無かったように言うのだった。
「うん、ついにやっちまったな」。
「あんなの人じゃないもん、獣以下よ。でもその弾凄いね。見えたよ、フロントガラスまで突き抜けてったよ」。
「うん、いま入っている弾は鉄鋼弾だよ。四~五ミリの鉄板なら突き抜けてしまう強烈な弾だからね」。
「じゃあ今度やる時は車から出ない方がいいね」。
「え、まだやるのか」。
「もう一個やるのも二個やるのも一緒でしょう。今度は私がやる。お願い」。
「京都の男か?・・・親友を死に追いやったって言う」。
「うん、どうしても許せない。あの子が死んでも線香一本供えに来ないんだから。のうのうと生きていると思っただけで腹が立つもん」。
「僕がやるよ、関係者は必ず疑われるから。それだけは譲れないよ美保」。
「そうだよね。じゃあ帰ったら計画立てよう」。美保は驚くほど冷静だった。
「美保、そこのコンビニへ寄ってくれないか」。
車が入ると飛び出し、あるものを探した。美保が追って入ってきた。
「どうしたんですか」。私が花火の前で止まると。「そうか、頭いいね」とお徳用の花火のセットを持った。
そして、支払い済ませて出ると袋を開けた。そして家に向かった。
すると、パトカーが赤色灯を回転させながら前に出た。
「何してるんだろう?・・・まさか」。
「もしかしたらレストランの件で訊きに来たんだろ」
美保は不思議な顔をして頷きながら京平の見ていた。

すると、前を走っていたパトカーがアパートの前で止まった。美保は構わず駐車場へ車を入れてエンジンを切った。するとスーツ姿の中年の男が下りてきた。
「今晩は、済みません。紺野京平さんですか」。
「はい、そうですが」。
「一時間半ほど前の六時ころですが、駅ビルのレストランで支配人の新田さんという方が暴力団風の二人組に殴られていたのはご存じですね」。
「ええ、ちょうど食事を済ませて帰ろうとしていた時でした」。
「その二人の顔は覚えていますか」。
「勿論覚えていますよ、確か関西の辻村連合とか言っていました。それで支配人さんは大丈夫でしたか」?
「いいえ、先程連絡がありまして内蔵破裂で亡くなられたそうです。それで此の写真を見て下さい」。
そう言うと数枚の写真を出した。そして一枚づつ捲りながら私達に見せた。写真で面通しを始めた。

「あっ、刑事さんその人が支配人さんを殴った人です」。
「そうですか、失礼ですが貴方はどう言うご関係てしょう」?
「私のフィアンセです。と言うかもう一緒に暮らしています。時期に籍を入れるんですけど。妻です」。
「そうですか、それはお目出とうございます。ではこの男が支配人の新田さんを殴ってから蹴ったんですね」。
「はい、それからもう一人は、その人です」。
「そうですか、レストランに居合わせた方全員にお聞きしているものですから。ご協力有り難うございました。あのレストランには良く行かれるんですか」。
「ええ、仕事でも良く使わせて貰っているものですから」。
「そうでしたか、それでウエートレスの方たちも紺野さんの事を良く覚えていたんですね。なんでも引っ越しされるとか」。
「ええ。急に家の稼業を手伝う事なったものですから。それと実家に戻って結婚するんです」。
「そうですか、いや御めでたい事の前に失礼な事を色々お聞きしまして済みませんでした。では失礼します」。

私は意識して冷静を装っていた。しかし美保は全く動じなかった。それには私も兜を脱いだ。
そしてブリーフケースを持ってアパートに入った。すると先に部屋に入った美保は椅子に座っていたが膝が震えていた。
「私もう膝がガクガクだった、でもバレなかったよね」。
「フフフッ・・・ああ、あの刑事何も気付いてないよ。それにまだ二人の死体は見付かってないようだからね。
それからあの堤防は舗装されていたから、タイヤの跡も残る事もないし、荒い仕事だったけど完璧だ」。
「うん、それで此れからどうするの」?
「ああ、いまから必要なものだけ持って実家に帰る。後は長野から引っ越ししてもらった引っ越しセンターに頼んで同じように引っ越しして貰うよ。今は便利だよ、衣類から食器まで総て引っ越しセンターでやってくれるから。住所変更から光熱費の支払い、アパートを引き払う手続きまでやってくれるから」。
「そうなの、そんなに便利になったんだ。じゃあ必要な荷物だけまとめるね。少し待っててね。下着だけはみんな持ってってもいいでしょう。触られたくにから」。
「うん、そうだな。じゃあ僕は引越しセンターと不動産屋へ電話するから」。
美保は旅行用のトランクを出すと必要な衣類を入れていた。
私は不動産屋に電話したり、長野の引っ越しセンターに電話し、明日来て引っ越しをして貰えるか確認を取っていた。
そして必要なのはパソコンとソフト、オーディオ。CD、後は処分してくれるように頼んだ。
美保と暮らし始めて新しく買い揃えた物は何も無かった。総て結婚したら揃える事にして我慢していたのだった。

「京平さん、用意出来ましたよ。京平さんはいいですか」?
「うん、鍵は配電盤の中に入れておいてくれって。何も可も頼んだから、あとは不動産屋の木村さんが立ち会ってくれるってさ」。
「じゃあ帰ろう、私が運転するね。このアパートから私達始まったんだね。お世話になりました101号室さん」。
美保は目頭をそっと押さえると両手に荷物を持った。そして車に運んだ。そして戻って来ると紙袋を運んでいた。
私もまた残りのダンボール箱を二つ車に積み、ドアに鍵をかけた。そして配電盤を開けると鍵を入れて綴じた。
そして、助手席の下へブリーフケースを入れると美保は車を出した。そして一路白馬に向かった。
「京平さん、私達って凄い行動派ね。少し荒っぽいけど」。
「本当だ、なんでも思い立ったら吉日さ。あの二人も僕等にあわなきゃ死なずに済んだんだよな。運命って言う奴かな」。
NO-18-41

小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(17)CG

2008-07-20 18:03:54 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(17)CG

「立ち入った事をお聞きしますが気を悪くしないで下さい。お義父さんの会社の方はどうなんでしょうか。話だと資金繰りがどうのとか。もし資金が必要なら少しくらいなら援助出来ますが」。
「ええ、有り難うございます。お陰様で今は持ち直しました。京平さんにまでそんな心配させて恥ずかしいです。機会をみて私から結婚した事を主人に話します。娘の事を宜しくお願いします。美保、あまり我がまま言って困らせるんじゃありませんよ」。
「うん、お母さん有り難う。私頑張って良いお嫁さんになるから」。
「じゃあ私は此れで失礼するわね。主人に黙って出て来ましたから。美保、元気でね。京平さん、娘をお願いします」。
そう言うと母親はホテルを出て行った。私達も見送ろうと追うと、「美保、見送りは要らないから。誰かに見られても困るから」。
「うん、分かった。また電話するから。お母さんもね」。母は頷いて駅に向かった。
美保は涙を浮かべながら、じっと母を目で追っていた。そして振り向く母親に美穂はいつまでも手を振っていた。そして母親は駅の構内に姿を消した。
美保は母から受け取った封筒を胸に抱くと椅子に掛けた。
「美保、優しいお義母さんじゃないか。会えて良かったよ」。
「うん、父も母みたいだと良いんだけどな、お腹空いた」。
「そうだね、ここのレストラン美味いから食事にするか」。そして、ホテルのレストランで食事をしていた。
そこへヤクザ風な男が二人入って来た。すると、レストランの支配人が見て、男達に入店を断っていた。

「なんだと~っ、客を追い払うってか。わしらを誰だと思っとんねん。関西の辻村連合を知らんってか」。
「お客様、このレストランはサングラス、セッタ。ノーネクタイ。暴力団関係者の方は総てお断りさせて頂いております。入り口に書いてありますのでお引き取り下さいませ」。
すると、一人が支配人の襟元をつかんだ。すると同時に腹部の膝蹴りを入れた。うう~っと腹を押さえながら倒れた支配人の顔を二人で殴りつけた。
私は立とうとすると、美保は私の手を持って首を振って止めた。
そこへ警官が五~六人走って来るのがガラス越しに見えた。
「おいっ、サツだ。ヤバイ、逃げるぞ」。一人がそう言うと、支配人を思い切り蹴りを入れて走って逃げて行った。
支配人はのたうちまわると動きを止めた。

「キャ~ッ」ウェイトレスが悲鳴を挙げた。私は美保を残して見に行くと、口から血を吐いて目を向いていた。グッタリとして既に息はなかった。
私は支払いを済ませて美保を連れて帰った。
「京平さん、支配人さんどうしたの」?美保は心配そうに聞いた。
「最後に蹴られた時に内蔵が破裂したかもな。息が無かったから助かるかどうか分からないぞ?・・」。
「ひどい、あの人達はヤクザじゃないよ。あんなの、ただのチンピラじゃない。本当のヤクザって私達みたいな素人には手を出さないって言うじゃない」。
「うん。あいつらは看板だけで生きているダニだな」。
「ねえ京平さん、あの時に出てってどうするつもりだったの」。
「どうって、止めようと思っただけだよ」。
「無茶よそんなの、貴方まで殺されたら私はどうしたら良いの。もうそんな事考えないで。お願いだから」。
「あんな連中が居るんだ。ひどいな、もし食事をしても何か因縁を吹き掛けて帰るつもりだったろう」。
私は暴力団の横暴な手口を初めて目の当たりにして腹が煮え繰り返っていた。そして例の銃が頭に浮かんだ。

二人は無口になったまま駐車場に歩いていた。そして車に乗り込むと美保は私を見た。と同時に私も美保を見た。
そして見詰めたままじっとしていた。すると、美保は黙ったまま二度三度と頷いた。私には何を意味しているのか分かっていた。
そして席を代わると私はシートの下からブリーフケースを出した。「美保」。
「うん、あんなのただのゴミだから」。と当たり前のように言うのだった。
私は手袋をすると銃を取り出して消音器を着けた。そして鉄鋼弾をカートリッヂに詰め込むと装填した。
そしてヤクザが逃げて行った方面へ車を出した。そして駐車場を探した。
しかし中々見付からなかった。そして諦めて銃に安全装置を掛け、ケースに入れた。そしてアパートに向かっていた。
「京平さん見て。あのチンピラの車よ」。
美保の指さす方を見ると、大坂ナンバーで運転していたのは、支配人を最後に蹴って逃げた男だった。
「少し挑発して海岸にでも逃げようか」?
「うん、運転は大丈夫か」?
「任して、運転には少し自信があるの。じゃあ行くわね」。
すると、美保は業と車に接近して縦走した。すると、助手席の男は睨みつけるように私達を見据えていた。

「バ~カ。早よう大坂にお返りやす」。美保は窓を開けると笑いながら挑発した。「やんやて!」と男は怒鳴ると睨み付けた。
美保はアクセルを踏み込んだ。そして男に車の前に出ると真っすぐ南に走り、大浜公園に向かった。
すると挑発に乗った黒い車が追い掛けて来た。
「乗った!行くね」と大浜公園の手前を左に折れ、堤防沿いを走り、人気の無い松林に車を止めた。
すると、少し遅れて追ってくると追い越し、ズズズ~ッと砂埃を上げながら滑るように前に止めた。
「京平さん、此々なら誰もいない。お願いね」。
「任せろ」私はルームライトを消して車を降りた。相手のドアが開いて男が一人下りてきた。その男に銃口を向けて引き金を引いた。
「パシュッ」と波の音に消され、男は地面に転がり落ちた。
遅れて降りて来た男は何が起きたのか分からず見ていた。月明かりに照らされた男に顔が一変した。
「わ、分かった。助けてくれ。頼むから」。と運転席へ飛び乗った。
男は震えた声で言いながら車に乗り込んだ。私は後ろから背もたれを狙って引き金を引いた。
リアウィンドーに小さな穴を開け、運転席の背もたれを突き抜けて男の首を貫通した。その弾はフロントガラスを突き抜けた。
私は辺りを見回して車に乗り込んだ。美保はバックして向きを変えると大浜公園方面に戻った。NO-17