エンターテイメント、誰でも一度は憧れる。

PCグラフィック、写真合成、小説の下書き。

小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(4)CG

2008-07-06 18:17:23 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(4)CG

「え~っ・・・この時期に転勤ですか。そりゃ大変だ」。
手慣れた手つきで丼を出した。両手で受け取ると、そのとき初めて寒さが身に染みて感じた。熱いラーメンを啜りながら、ふとあの女性の事が頭に浮かんだ。無事帰ったのだろうか、OLか、体は大丈夫かな?・・・そんな事を思いながら駅のタクシー乗り場に視線を向けて彼女の姿を探していた。
いる訳無いよな、そう思いながら流し込むスープも旨かった。
御馳走様、釣りはいいよ。と千円を渡して気前よく屋台を離れた。
駅の構内を通り抜け、ステーションホテルに入った。
チェックインを済ませ、モーニングコールを八時に頼んで部屋に入った。バスルームに入って風呂の蛇口を捻り、湯を張った。
そして部屋の冷蔵庫から缶ビールとつまみをだして飲んでいた。
ポケットから不動産屋から受け取ったメモを出し、新しい住所を手帳に書き込んで一本だけのつもりがロング缶を二本も空けた。
少し酔いが回ってフラッとしながら風呂に入ると、疲れがドッと出た。そしてベッドに入るといつしか眠っていた。
そんな中で私は夢を見ていた、とてつもなく恐ろしい夢だった。
ウワ~ッ・・・けたたましいベルの音で目が醒めた。それはモーニングコールの電話だった。そっと受話器を取ると
「お早いようございます、八時でございます」。優しい女性の声でした。
「お早ようございます。有り難う」
そして手帳を持つと再び受話器を持った、そして長野の引っ越しセンターに電話して住所を知らせた。
「分かりました、それでは住民票と電話の方も総てそちらの住所に変えておきます。光熱費もお立て替えしてありますので一緒に請求させていただきます。では午後三時には着くようにしますので」。
私は此れで長野に帰る事もなくなった、住所変更も光熱費、電話変更も何もかも引っ越しセンターがしてくれた。
便利になったものだ、そう思いながらモーニングを頼んでシャワーを浴びた。シャワーから出ると間もなくモーニングが届き、食事を済ませて十時前にホテルを出た。

そしてホテルの向かのMデートにに入った。コートを彼女に貸したまま、ジャンバーでも買おうと入った。中は人の熱気と暖房でむせかえる程熱かった。
みんな忙しいそうに買い物に夢中だった。そんな人混みを避けて空いているフロアーを探しながらエスカレーターに乗った。そして紳士服売り場で降りると思いの外空いていた。
すると、歳末大売り出しと書かれた看板が目に入って向かった。
そこは紳士服とスポーツ用品が並んだ売り場だった。一通り見ると、赤札のダウンジャケットが眼に着いた。
サイズは?・・・と手を延ばした。これから自分で買うのか。そんな思いが頭を過ぎった。
「お客様、それは大変お買い徳になっております」。と正面から声がした。見ると若い店員がニコッと笑っていた。
私はサイズを見ると袖を通した。軽くて暖かくて買う事にした。
「じゃあ貰います。着ていても良いですか」。
「はい、結構です。ではこちらへどうぞ」。
店員の後につづいてレジに行った。一万五千円を払ってフロアーを出た。
定価の半額か、信じられない思いにささやかではあるがリッチな気分になっていた。
デパートを出ると、先程とは打って変わって小雨交じりの冷たい風が吹いていた。私は歩いて15分ほどの七間町と言う町の映画館に向かった。そして切符売り場に顔を出すと、
「お客さん、もう始まって一時間半ほど過ぎていますからね。三十分待って入った方がいいですよ」。
私は開演時間を見た、言う通りだった、「じゃあそうするよ」と、私は筋向かいにあるパチンコ屋に入って時間を潰そうと入った。
五百円分の玉を買い、空いていた席に座った。
何気なく打っているとものの数分でフィバーした。店員が走って来て箱を置いてくれた、私は一杯になった箱を持って席を立った。
「あんた、それは無制限の台だから続けて打っていいんだよ」。と隣のおばさんが教えてくれた。
「そうですか、有り難うございます」。私は二掴みレーンに入れてやった。おばさんはニッコリしてチョコレートをくれた。
NO-4-8

小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(3)CG

2008-07-06 18:13:11 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(3)CG

肩のコートを両手で身体を包み込むようにする彼女を見ていた。
そして三島を過ぎる頃には身体が暖まったのか、幾らか顔に赤みがさして顔色も良くなっていた。
そして静岡に着くと長野から来たせいなのか寒さは感じなかった、ふと彼女を見ると以外と薄着だった事に気付き、コートはそのまま着せてホームに降りた。そして改札を抜けた。
「近藤さん色々有り難うございました。お借りしたお金とコートは必ずお返しに上がります」。
「いいえ、気にしないでいつでもいいですよ」。
そして駅を出ると知り合いの木下不動産の社長が待っていた。
私は彼女と別れ、車に乗り込んだ。
「お疲れさまです、また急な事ですね。あの美人は一緒じゃないんですか」。
見るとタクシー乗り場で私達の方を見て手を振っていた。私もつい手を出して振っていた。
彼女との出会いと事情を話した。そして車は駅から南に走り出し、アパートのある敷地に向かった。
「近藤さん、ちょうど会社のある高松の隣の敷地に新築のアパートの空きがありましてね、会社まで歩いても十分ですから見ましょう」。
それは私には嬉しい事だった。大学から今の会社に入ってから社用車を貰って通勤にも使っていた事もあり、未だマイカーは持った事が無かったからだ。
しかし静岡では買わなきゃならないと思っていた。
車は静岡駅南口から南に石田街道を南に向かって走った。登呂遺跡の入り口を素通りし、東名高速道路のガードをくぐって敷地町に入った。前に何度か出張で来て見慣れた道だっだ。
そして左折すると20メートルの道幅の道路に入り、二つ目の交差点を南に右折した。そして敷地公園の脇の一方通行の標識を左折した。
すると、左前方にハイツコンシエールと書かれた二階建てのアパートの1号と書かれた駐車場に止まった。
「角部屋に入る予定だった若い夫婦が夕方キャンセルになりましてね、それこそ近藤さんから電話を貰って直ぐでした。
新築ですから良いですよ、それで家賃ですが込み込みで六万です。それでも外の部屋より特別二千円安くしてあります。それで敷金と礼金が三ケ月ですがどうです」?
やはり長野の物価に比べて家賃は高かった。そして部屋に入って狭い事にまた驚いた。
長野なら3DKでも五万ちょっとで借りられる、それに比べて六畳と八畳と四畳半のキッチン、トイレ、バス着きなら仕方ないかと思った。それに一人暮らしだから。
私はその場で契約書にサインをして印鑑を押した。そして敷金礼金、そして二ケ月分の家賃を収めた。
「有り難うございます、ところで今夜はどうされます」。
木下は渡した金を数えながら眼鏡の奥の目を上目使いに聞いた。
私は駅のホテルに部屋を執った事を告げた。
「そうですか、では確かに頂戴しました。では此れが合鍵とスペアキーの二つ、一つは会社で管理しますので。ではお送りします」。木下はホルダーからキーを1つ残して差し出した。
そして風呂場とトイレ、洗面所、そして流しの水道とガスの設備を点検すると明かりを消して部屋を出た。
そして会社までのルートを走って貰うと来た道を戻り、ホテルに向かった。
そして南口で降ろして貰った。
もう人気もなく、タクシーが山のように止まっていた、駅の時計を見ると午前零時を回っていた。
すると、駅前にチャルメラの屋台が出ていた。暇そうにおやじがタバコをふかしていた。
ちょうど腹も空いていた所だった、小走りに駆け寄ると主はタバコを消して「いらっしゃい」
看板にはネギラーメン、味噌チャーシュ、そして醤油ラーメンとあった。
「おやじさん、味噌チャシュー下さい」。
「あいよ、仕事の帰りかね」。と気安く声を掛けた。
「いや、転勤で来たばかりです」。
NO-3-6