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小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(17)CG

2008-07-20 18:03:54 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(17)CG

「立ち入った事をお聞きしますが気を悪くしないで下さい。お義父さんの会社の方はどうなんでしょうか。話だと資金繰りがどうのとか。もし資金が必要なら少しくらいなら援助出来ますが」。
「ええ、有り難うございます。お陰様で今は持ち直しました。京平さんにまでそんな心配させて恥ずかしいです。機会をみて私から結婚した事を主人に話します。娘の事を宜しくお願いします。美保、あまり我がまま言って困らせるんじゃありませんよ」。
「うん、お母さん有り難う。私頑張って良いお嫁さんになるから」。
「じゃあ私は此れで失礼するわね。主人に黙って出て来ましたから。美保、元気でね。京平さん、娘をお願いします」。
そう言うと母親はホテルを出て行った。私達も見送ろうと追うと、「美保、見送りは要らないから。誰かに見られても困るから」。
「うん、分かった。また電話するから。お母さんもね」。母は頷いて駅に向かった。
美保は涙を浮かべながら、じっと母を目で追っていた。そして振り向く母親に美穂はいつまでも手を振っていた。そして母親は駅の構内に姿を消した。
美保は母から受け取った封筒を胸に抱くと椅子に掛けた。
「美保、優しいお義母さんじゃないか。会えて良かったよ」。
「うん、父も母みたいだと良いんだけどな、お腹空いた」。
「そうだね、ここのレストラン美味いから食事にするか」。そして、ホテルのレストランで食事をしていた。
そこへヤクザ風な男が二人入って来た。すると、レストランの支配人が見て、男達に入店を断っていた。

「なんだと~っ、客を追い払うってか。わしらを誰だと思っとんねん。関西の辻村連合を知らんってか」。
「お客様、このレストランはサングラス、セッタ。ノーネクタイ。暴力団関係者の方は総てお断りさせて頂いております。入り口に書いてありますのでお引き取り下さいませ」。
すると、一人が支配人の襟元をつかんだ。すると同時に腹部の膝蹴りを入れた。うう~っと腹を押さえながら倒れた支配人の顔を二人で殴りつけた。
私は立とうとすると、美保は私の手を持って首を振って止めた。
そこへ警官が五~六人走って来るのがガラス越しに見えた。
「おいっ、サツだ。ヤバイ、逃げるぞ」。一人がそう言うと、支配人を思い切り蹴りを入れて走って逃げて行った。
支配人はのたうちまわると動きを止めた。

「キャ~ッ」ウェイトレスが悲鳴を挙げた。私は美保を残して見に行くと、口から血を吐いて目を向いていた。グッタリとして既に息はなかった。
私は支払いを済ませて美保を連れて帰った。
「京平さん、支配人さんどうしたの」?美保は心配そうに聞いた。
「最後に蹴られた時に内蔵が破裂したかもな。息が無かったから助かるかどうか分からないぞ?・・」。
「ひどい、あの人達はヤクザじゃないよ。あんなの、ただのチンピラじゃない。本当のヤクザって私達みたいな素人には手を出さないって言うじゃない」。
「うん。あいつらは看板だけで生きているダニだな」。
「ねえ京平さん、あの時に出てってどうするつもりだったの」。
「どうって、止めようと思っただけだよ」。
「無茶よそんなの、貴方まで殺されたら私はどうしたら良いの。もうそんな事考えないで。お願いだから」。
「あんな連中が居るんだ。ひどいな、もし食事をしても何か因縁を吹き掛けて帰るつもりだったろう」。
私は暴力団の横暴な手口を初めて目の当たりにして腹が煮え繰り返っていた。そして例の銃が頭に浮かんだ。

二人は無口になったまま駐車場に歩いていた。そして車に乗り込むと美保は私を見た。と同時に私も美保を見た。
そして見詰めたままじっとしていた。すると、美保は黙ったまま二度三度と頷いた。私には何を意味しているのか分かっていた。
そして席を代わると私はシートの下からブリーフケースを出した。「美保」。
「うん、あんなのただのゴミだから」。と当たり前のように言うのだった。
私は手袋をすると銃を取り出して消音器を着けた。そして鉄鋼弾をカートリッヂに詰め込むと装填した。
そしてヤクザが逃げて行った方面へ車を出した。そして駐車場を探した。
しかし中々見付からなかった。そして諦めて銃に安全装置を掛け、ケースに入れた。そしてアパートに向かっていた。
「京平さん見て。あのチンピラの車よ」。
美保の指さす方を見ると、大坂ナンバーで運転していたのは、支配人を最後に蹴って逃げた男だった。
「少し挑発して海岸にでも逃げようか」?
「うん、運転は大丈夫か」?
「任して、運転には少し自信があるの。じゃあ行くわね」。
すると、美保は業と車に接近して縦走した。すると、助手席の男は睨みつけるように私達を見据えていた。

「バ~カ。早よう大坂にお返りやす」。美保は窓を開けると笑いながら挑発した。「やんやて!」と男は怒鳴ると睨み付けた。
美保はアクセルを踏み込んだ。そして男に車の前に出ると真っすぐ南に走り、大浜公園に向かった。
すると挑発に乗った黒い車が追い掛けて来た。
「乗った!行くね」と大浜公園の手前を左に折れ、堤防沿いを走り、人気の無い松林に車を止めた。
すると、少し遅れて追ってくると追い越し、ズズズ~ッと砂埃を上げながら滑るように前に止めた。
「京平さん、此々なら誰もいない。お願いね」。
「任せろ」私はルームライトを消して車を降りた。相手のドアが開いて男が一人下りてきた。その男に銃口を向けて引き金を引いた。
「パシュッ」と波の音に消され、男は地面に転がり落ちた。
遅れて降りて来た男は何が起きたのか分からず見ていた。月明かりに照らされた男に顔が一変した。
「わ、分かった。助けてくれ。頼むから」。と運転席へ飛び乗った。
男は震えた声で言いながら車に乗り込んだ。私は後ろから背もたれを狙って引き金を引いた。
リアウィンドーに小さな穴を開け、運転席の背もたれを突き抜けて男の首を貫通した。その弾はフロントガラスを突き抜けた。
私は辺りを見回して車に乗り込んだ。美保はバックして向きを変えると大浜公園方面に戻った。NO-17


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