小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(3)CG
肩のコートを両手で身体を包み込むようにする彼女を見ていた。
そして三島を過ぎる頃には身体が暖まったのか、幾らか顔に赤みがさして顔色も良くなっていた。
そして静岡に着くと長野から来たせいなのか寒さは感じなかった、ふと彼女を見ると以外と薄着だった事に気付き、コートはそのまま着せてホームに降りた。そして改札を抜けた。
「近藤さん色々有り難うございました。お借りしたお金とコートは必ずお返しに上がります」。
「いいえ、気にしないでいつでもいいですよ」。
そして駅を出ると知り合いの木下不動産の社長が待っていた。
私は彼女と別れ、車に乗り込んだ。
「お疲れさまです、また急な事ですね。あの美人は一緒じゃないんですか」。
見るとタクシー乗り場で私達の方を見て手を振っていた。私もつい手を出して振っていた。
彼女との出会いと事情を話した。そして車は駅から南に走り出し、アパートのある敷地に向かった。
「近藤さん、ちょうど会社のある高松の隣の敷地に新築のアパートの空きがありましてね、会社まで歩いても十分ですから見ましょう」。
それは私には嬉しい事だった。大学から今の会社に入ってから社用車を貰って通勤にも使っていた事もあり、未だマイカーは持った事が無かったからだ。
しかし静岡では買わなきゃならないと思っていた。
車は静岡駅南口から南に石田街道を南に向かって走った。登呂遺跡の入り口を素通りし、東名高速道路のガードをくぐって敷地町に入った。前に何度か出張で来て見慣れた道だっだ。
そして左折すると20メートルの道幅の道路に入り、二つ目の交差点を南に右折した。そして敷地公園の脇の一方通行の標識を左折した。
すると、左前方にハイツコンシエールと書かれた二階建てのアパートの1号と書かれた駐車場に止まった。
「角部屋に入る予定だった若い夫婦が夕方キャンセルになりましてね、それこそ近藤さんから電話を貰って直ぐでした。
新築ですから良いですよ、それで家賃ですが込み込みで六万です。それでも外の部屋より特別二千円安くしてあります。それで敷金と礼金が三ケ月ですがどうです」?
やはり長野の物価に比べて家賃は高かった。そして部屋に入って狭い事にまた驚いた。
長野なら3DKでも五万ちょっとで借りられる、それに比べて六畳と八畳と四畳半のキッチン、トイレ、バス着きなら仕方ないかと思った。それに一人暮らしだから。
私はその場で契約書にサインをして印鑑を押した。そして敷金礼金、そして二ケ月分の家賃を収めた。
「有り難うございます、ところで今夜はどうされます」。
木下は渡した金を数えながら眼鏡の奥の目を上目使いに聞いた。
私は駅のホテルに部屋を執った事を告げた。
「そうですか、では確かに頂戴しました。では此れが合鍵とスペアキーの二つ、一つは会社で管理しますので。ではお送りします」。木下はホルダーからキーを1つ残して差し出した。
そして風呂場とトイレ、洗面所、そして流しの水道とガスの設備を点検すると明かりを消して部屋を出た。
そして会社までのルートを走って貰うと来た道を戻り、ホテルに向かった。
そして南口で降ろして貰った。
もう人気もなく、タクシーが山のように止まっていた、駅の時計を見ると午前零時を回っていた。
すると、駅前にチャルメラの屋台が出ていた。暇そうにおやじがタバコをふかしていた。
ちょうど腹も空いていた所だった、小走りに駆け寄ると主はタバコを消して「いらっしゃい」
看板にはネギラーメン、味噌チャーシュ、そして醤油ラーメンとあった。
「おやじさん、味噌チャシュー下さい」。
「あいよ、仕事の帰りかね」。と気安く声を掛けた。
「いや、転勤で来たばかりです」。
NO-3-6
肩のコートを両手で身体を包み込むようにする彼女を見ていた。
そして三島を過ぎる頃には身体が暖まったのか、幾らか顔に赤みがさして顔色も良くなっていた。
そして静岡に着くと長野から来たせいなのか寒さは感じなかった、ふと彼女を見ると以外と薄着だった事に気付き、コートはそのまま着せてホームに降りた。そして改札を抜けた。
「近藤さん色々有り難うございました。お借りしたお金とコートは必ずお返しに上がります」。
「いいえ、気にしないでいつでもいいですよ」。
そして駅を出ると知り合いの木下不動産の社長が待っていた。
私は彼女と別れ、車に乗り込んだ。
「お疲れさまです、また急な事ですね。あの美人は一緒じゃないんですか」。
見るとタクシー乗り場で私達の方を見て手を振っていた。私もつい手を出して振っていた。
彼女との出会いと事情を話した。そして車は駅から南に走り出し、アパートのある敷地に向かった。
「近藤さん、ちょうど会社のある高松の隣の敷地に新築のアパートの空きがありましてね、会社まで歩いても十分ですから見ましょう」。
それは私には嬉しい事だった。大学から今の会社に入ってから社用車を貰って通勤にも使っていた事もあり、未だマイカーは持った事が無かったからだ。
しかし静岡では買わなきゃならないと思っていた。
車は静岡駅南口から南に石田街道を南に向かって走った。登呂遺跡の入り口を素通りし、東名高速道路のガードをくぐって敷地町に入った。前に何度か出張で来て見慣れた道だっだ。
そして左折すると20メートルの道幅の道路に入り、二つ目の交差点を南に右折した。そして敷地公園の脇の一方通行の標識を左折した。
すると、左前方にハイツコンシエールと書かれた二階建てのアパートの1号と書かれた駐車場に止まった。
「角部屋に入る予定だった若い夫婦が夕方キャンセルになりましてね、それこそ近藤さんから電話を貰って直ぐでした。
新築ですから良いですよ、それで家賃ですが込み込みで六万です。それでも外の部屋より特別二千円安くしてあります。それで敷金と礼金が三ケ月ですがどうです」?
やはり長野の物価に比べて家賃は高かった。そして部屋に入って狭い事にまた驚いた。
長野なら3DKでも五万ちょっとで借りられる、それに比べて六畳と八畳と四畳半のキッチン、トイレ、バス着きなら仕方ないかと思った。それに一人暮らしだから。
私はその場で契約書にサインをして印鑑を押した。そして敷金礼金、そして二ケ月分の家賃を収めた。
「有り難うございます、ところで今夜はどうされます」。
木下は渡した金を数えながら眼鏡の奥の目を上目使いに聞いた。
私は駅のホテルに部屋を執った事を告げた。
「そうですか、では確かに頂戴しました。では此れが合鍵とスペアキーの二つ、一つは会社で管理しますので。ではお送りします」。木下はホルダーからキーを1つ残して差し出した。
そして風呂場とトイレ、洗面所、そして流しの水道とガスの設備を点検すると明かりを消して部屋を出た。
そして会社までのルートを走って貰うと来た道を戻り、ホテルに向かった。
そして南口で降ろして貰った。
もう人気もなく、タクシーが山のように止まっていた、駅の時計を見ると午前零時を回っていた。
すると、駅前にチャルメラの屋台が出ていた。暇そうにおやじがタバコをふかしていた。
ちょうど腹も空いていた所だった、小走りに駆け寄ると主はタバコを消して「いらっしゃい」
看板にはネギラーメン、味噌チャーシュ、そして醤油ラーメンとあった。
「おやじさん、味噌チャシュー下さい」。
「あいよ、仕事の帰りかね」。と気安く声を掛けた。
「いや、転勤で来たばかりです」。
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