めいすいの写真日記

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「雨月物語」・・・ 巨匠・溝口健二監督作品、ベネチア映画祭銀獅子賞を受賞

2020-06-15 | 映画

巨匠・溝口健二監督が、戦国時代を舞台に、人間の欲望がもたらす悲劇を幻想的な映像美で描いた傑作。1953年作品 2020.06.13 BS4K

(出演)
宮木・・・田中絹代
朽木屋敷の姫、若狭・・・京マチ子
阿浜・・・水戸光子
源十郎・・・森雅之
藤兵衛・・・小沢栄太郎

監督・・・溝口健二
撮影・・・宮川一夫
原作・・・上田秋成「雨月物語」から「浅茅が宿」、「蛇性の婬」
上映時間・・・96分 

戦後時代 ある年の早春 近江国琵琶湖の北岸の農村

貧しい農民の源十郎(森雅之)は畑仕事の傍ら、焼き物作りを行っていた。賤ヶ岳の戦いを前に羽柴秀吉が占領した長浜が賑わっていることを知った源十郎は妻の宮木(田中絹代)と子を残して、大八車に焼き物を積み長浜に向かうことにする。

義弟の藤兵衛は、妻の阿浜(水戸光子)の止めるのを振り切り「侍になりたい」と源十郎に付いていく。「刀も、槍も握ったことのないくせに」との罵声を浴びながら・・・

長浜から帰った源十郎は、陶器が売れたと大金を持って帰ってくる。

源十郎は妻と子供に美しい着物を買い与え、普段は手にすることの出来無い酒や食べ物を手に入れる。宮木は「着物を買ってくれた貴方の心が何よりも嬉しい」という。
 一方、藤兵衛は長浜で侍を志願するが「具足も槍も持たないものなどようは無い」と追い返される。

宮木はろくろを回す。源十郎は戦争が続くうちにと必死で陶器を作る。

藤兵衛も「具足と槍を買う」必要があり、何としてもそれを買うための金が欲しいと人が変わったように陶器作りの手伝いに精を出すすることになる。
「家族が幸せにさえ暮らせれば」と手伝う女性達、宮木と阿浜はつぶやく。

 もう少しで窯の火を落とす時期に来るというところに運悪く、柴田勝家の軍勢が近づいてきた。男は人足として徴用され、女は乱暴され、食料と物資は強奪される。村の人々は山へと逃げ出す。

戻ってくると窯の火は消えていたが焼き物は綺麗に焼けて残っていた。
 源十郎と宮木と子ども、藤兵衛と阿浜は裏道を使い、陶器を運び出し、琵琶湖畔に出て使える廃船を探し出し、船の漕ぎ手の経験のある阿浜が櫓を漕いで対岸の丹羽氏の城下である大溝に向かう。湖は霧が出て美しい光景となっていた。途中で海賊に襲われた瀕死の男に出会う。そこで、宮木と子は、湖畔に引き返し、村に戻ることにする。大溝で源十郎の焼物は飛ぶように売れた。分け前を手にした藤兵衛は、、阿浜を振り切って逃げ、具足と槍を買って兵の列に紛れてしまう。

  一方、焼き物を売る源十郎の前に現れたのは、どこの姫君かと思われる美しい女性 若狭(京マチ子)だった。

「雨月物語」の奇異幻性は現代人の心にふれる時さらに様々な幻想をよび起こす。これはらそれらの幻想から新しく生まれた物語です。

 映画の冒頭にこう述べられますが、ここからが幻想の物語に入っていきます

宮川一夫の撮影はワンカット、ワンシーン・・・長回しを多用しています。このため、役者の緊張感や映像の臨場感を維持し続けることができるという効果がでています。

   陶工を演じる森雅之、その妻を演じる田中絹代、そして京マチ子の姫を演じる妖艶な魅力が強烈な印象を残します。

 溝口健二監督は田中絹代に好意を持っていたらしく、宮木が丁寧に描かれていると感じました。



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