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MIUコンサルティングオフィス・社会保険労務士三浦剛のブログです。

大阪の最低賃金

2010年10月28日 | 労働法
 10月15日から大阪府の最低賃金は、779円に変わりました。これは、府内の事業所で働くすべての労働者に適用されます。
 ところで、最低賃金には「地域別最低賃金」と「産業別最低賃金」の2種類があります。

 Q:両方が同時に適用される場合は、どうなるのでしょうか?
 A:いずれか高い方の最低賃金額が適用されます。
  
 ※例外があります。
 1.18歳未満又は65歳以上の方
 2.雇入れ後3月未満の技能習得中の方
 3.清掃又は片付けの業務に主として従事する方
 以上の方は「産業別最低賃金」の適用を除外され、「地域別最低賃金」が適用されます。

 Q:最低賃金の計算方法?
 A:【時給制】…「時間給≧最低賃金額」ならOK。
   【日給制】…「{日給÷1日の所定労働時間}≧最低賃金額」ならOK。
   【月給制】…「{(月給×12)÷年間総所定労働時間}≧最低賃金額」ならOK

 Q:最低賃金に含まれるの?
 A:次の賃金は含みません。
   ▽精・皆勤手当、通勤手当、家族手当
   ▽一か月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナスなど)
   ▽臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
   ▽時間外・深夜労働及び休日労働に対する賃金


■大阪府地域別最低賃金…779円(平成22年10月15日~)【762円】
  (注)【 】は、それ以前の最低賃金。以下同じです。
■大阪府の産業別最低賃金
 ▽塗料製造業…850円(平成22年10月31日~)【845円】
 ▽はん用機械器具製造業、生産用機械器具製造業、業務用機械器具製造業、
  暖房装置・配管工事用附属品、金属線製品製造業、船舶製造・修理業,舶用機関製造業
   …832円(平成22年10月31日)【827円】
 ▽電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械、器具製造業
   …811円(平成22年10月31日)【806円】
 ▽鉄鋼業…846円(平成22年11月30日)【841円】
 ▽自動車・同附属品製造業…824円(平成21年11月30日)
 ▽非鉄金属・同合金圧延業、電線・ケーブル製造業
   …803円(平成22年11月30日)【798円】
 ▽自動車小売業…818円(平成22年11月30日)【813円】
 ▽各種商品小売業…779円
   ※平成22年10月15日から大阪府最低賃金が適用されます。【768円】


 最低賃金法の違反については罰則がありますよ~!

10月は「個別労働関係紛争処理制度」周知月間

2010年10月12日 | 労働法
 改めて、「個別労働関係紛争処理制度」周知月間について

 各都道府県の労働委員会と中央労働委員会では、毎年10月を「個別労働関係紛争処理制度」周知月間としています。全国共通ポスターをご覧になった方はいらっしゃいますか?

 都道府県労働委員会では、平成13年度以降、「個別労働関係紛争処理制度」を設け、労使間に起きた個別のトラブルを、労働問題の専門家である「あっせん員」が公正・中立の立場で解決の支援に当たっています(大阪府は知事部局でのあっせんが不調だった場合のみ、労働委員会であっせんを行っています)。
 昨年度は全国で503件の利用があり、254件のトラブルが解決しています。

□個別労働関係紛争処理制度
 公益側(弁護士など)、労働者側(労働組合役員など)、使用者側(会社経営者など)を代表するあっせん員(労働問題の専門家)が、三者構成でトラブル解決のサポートに当たります。
 制度の利用は無料で、秘密厳守。そして、あっせんを受けたい労働者・事業主が、申請書を労働委員会へ提出するだけという簡単手続きです。
 他の紛争処理機関より早く解決することができます。昨年度は、2ヵ月以内に処理が終了した割合が85.7%となっています

 10月の1ヶ月間が同制度の一層の利用拡大を図るための周知月間となっています。

 都道府県労働委員会(各労働委員会により実施内容は異なる)では
ア 労働相談会の開催
イ ポスター・リーフレットの配布
ウ 広報誌への周知記事掲載、ラジオなどによる制度PR
 が、実施されます。

 ポスターのキャラクターは、昨年に引き続いて「ゲゲゲの鬼太郎」ですよ。

平成22年度地域別最低賃金改定

2010年10月08日 | 労働法
 すべての都道府県の最低賃金が公示されました。
 【平成22年度地域別最低賃金改定状況】
都道府県名 最低賃金時間額(昨年度) 発効年月日
 北海道 691(678)平成22年10月15日
 青森  645(633)平成22年10月29日
 岩手  644(631)平成22年10月30日
 宮城  674(662)平成22年10月24日
 秋田  645(632)平成22年11月3日
 山形  645(631)平成22年10月29日
 福島  657(644)平成22年10月24日
 茨城  690(678)平成22年10月16日
 栃木  697(685)平成22年10月7日
 群馬  688(676)平成22年10月9日
 埼玉  750(735)平成22年10月16日
 千葉  744(728)平成22年10月24日
 東京  821(791)平成22年10月24日
 神奈川 818(789)平成22年10月21日
 新潟  681(669)平成22年10月21日
 富山  691(679)平成22年10月27日
 石川  686(674)平成22年10月30日
 福井  683(671)平成22年10月21日
 山梨  689(677)平成22年10月17日
 長野  693(681)平成22年10月29日
 岐阜  706(696)平成22年10月17日
 静岡  725(713)平成22年10月14日
 愛知  745(732)平成22年10月24日
 三重  714(702)平成22年10月22日
 滋賀  706(693)平成22年10月21日
 京都  749(729)平成22年10月17日
 大阪  779(762)平成22年10月15日
 兵庫  734(721)平成22年10月17日
 奈良  691(679)平成22年10月24日
 和歌山 684(674)平成22年10月29日
 鳥取  642(630)平成22年10月31日
 島根  642(630)平成22年10月24日
 岡山  683(670)平成22年11月5日
 広島  704(692)平成22年10月30日
 山口  681(669)平成22年10月29日
 徳島  645(633)平成22年10月16日
 香川  664(652)平成22年10月16日
 愛媛  644(632)平成22年10月27日
 高知  642(631)平成22年10月27日
 福岡  692(680)平成22年10月22日
 佐賀  642(629)平成22年10月29日
 長崎  642(629)平成22年11月4日
 熊本  643(630)平成22年11月5日
 大分  643(631)平成22年10月24日
 宮崎  642(629)平成22年11月4日
 鹿児島 642(630)平成22年10月28日
 沖縄  642(629)平成22年11月5日
 全国加重平均額 730(713)

 発効年月日までに御社の状況を確認下さい。

派遣社員、政府の規制強化に5割超が「反対」 東大調査

2010年09月30日 | 労働法
【派遣社員、政府の規制強化に5割超が「反対」 東大調査】
             《日経Web 2010/9/27 20:28》より
 東大社会科学研究所は27日、請負・派遣社員の働き方に関する調査結果をまとめた。政府が10月召集の臨時国会への提出を目指す労働者派遣法改正案について、派遣社員の55.3%が「反対」と答えた一方、「賛成」は13.5%にとどまった。派遣規制を強化すると働き先を失いかねないという派遣社員の不安心理を映した結果とみられる。

 調査は請負・派遣社員4千人を対象に8月に実施し、56.9%から回答を得た。

 労働者派遣法改正案は、仕事があるときだけ働く「登録型派遣」や製造業派遣の原則禁止などが柱。調査によると、反対理由のうち「禁止しても正社員の雇用機会は増えない」が69.5%とトップ。「派遣で働けなくなる」が65.9%と続いた。賛成理由のトップは「派遣は雇用が不安定」で83.2%を占めた。

 同案が施行された場合に失業する可能性があるか、との問いには79.1%が「ある」と回答。同研究所は「派遣禁止が失業リスクを高めると考える派遣社員が多い」と分析している。

   ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

以下、いくつか調査結果から
□仕事に関する満足度(満足+やや満足)
 ▼仕事内容・やりがい…40.8%
 ▼労働時間・休日等の労働条件…42.9%
 ▼請負・派遣社員との人間関係、コミュニケーション…44.4%
 ▼働いている工場の正社員との人間関係、コミュニケーション…40.2%
 ▽賃金…20.2%
 ▽人事評価・処遇のあり方…17.2%
 ▽教育訓練・能力開発の機会…14.8%
 ▽雇用の安定性…18.1%
 ▽今後の仕事やキャリアの見通し…8.1%

□製造派遣禁止に関する意見(記事にあるように反対が半数強)
 派遣社員では、
   反対…55.3%、 賛成…13.5%
   どちらともいえない…22.4%、わからない…6.0%
  反対する理由(複数回答)
   禁止しても、正社員などの雇用機会が増えないから…69.5%
   自分が派遣で働けなくなるから…65.9%
   正社員の仕事が見つかるまでのつなぎの仕事がなくなるから…39.0%
  賛成する理由(複数回答)
   派遣は雇用が不安定だから…83.2%
   派遣で働き続けても安定した仕事に就職できないから…64.4%
   派遣は賃金など労働条件が低いから…56.4%

 請負社員では
   反対…41.0%、 賛成…20.4%
  反対する理由(複数回答)
   禁止しても、正社員などの雇用機会が増えないから…71.4%
  賛成する理由…派遣社員とほぼ同様の回答

「製造派遣の禁止に反対する者が多いが、その理由は、禁止しても正社員などの雇用機会が増えないだけでなく、派遣社員として働けなくなり、雇用機会を失う危惧があることによる。」とは東大社会科学研究所の分析

□失業の可能性
 「かなりある」…53.1% 「ある程度ある」…26.0%
 両者を合わせると記事にあるように79.1%と約8割です。

□労働者派遣法の改正を別として、今後1年間の失業のリスク
 「かなりある」…18.2% 「ある程度ある」…31.5%
 両者の合計は49.7%で約5割。

□今後希望する働き方(請負社員・派遣社員)
 今の請負・派遣会社の役職につかない請負・派遣社員…38.4%
 今の請負・派遣会社の製造現場の管理者やリーダー…16.5%
 正社員を希望する者は18.4%
  ○働いている工場の正社員(正社員登用を含む)…11.1%
  ○働いている工場以外の製造企業の正社員…2.5%
  ○請負・派遣会社や製造企業でない企業の正社員…4.8%

 厚生労働相は。労働者派遣法改正案は次の臨時国会での成立を目指す方針を示しています。
 「雇用のセーフティーネットを考えれば、どうしてもやらなければならない法案だ」とのこと

 さて、いかに?
 現実に働いている派遣社員の方が持っている不安は解消されるのでしょうか?

知って役立つ労働法

2010年09月16日 | 労働法
 就職を控えた学生、若者向けのわかりやすい労働法のハンドブックを厚生労働省がつくりました。

 「知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~」です。

 このハンドブックは、昨年2月に『今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会報告書』の中で「労働関係法制度を知ることは、労働者・使用者双方にとって不可欠であり、わかりやすさを最優先にしたハンドブック等を作成・配布するといった取組を強化すべき」という指摘を受けたことを踏まえて作成されたものです。

 PDF版でさっと見ましたが、厚労省が『「知って役立つ労働法」の主な特徴』であげているように、
 1.分かりやすいです。
 2.労働に関する幅広い分野や法律をカバーしています。
 3.内容もそれなりに充実しています。
 と、思いました

 教育の現場でも、労働教育の必要性を感じておられる方は多いのではないでしょうか?
 ただ、知識だけを教えるのでは不十分でしょう。
 社会に出るとは?働くとはどういうこと?働くときの権利と義務…、等々を考える機会をつくることが大切ではないでしょうか。


 「知って役立つ労働法」は、印刷版のほか、ホームページにPDF版があります。ダウンロードして自由に使えるようになっています。全国の大学・短期大学にも送付されるそうです。

 ホームページはこちらです↓↓↓
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000rnos.html