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【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

〜季語で一句 20〜

2021年07月08日 23時09分23秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜季語で一句 20〜
 
◆『くまがわ春秋』7月号が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
Mail:info@hitoyoshi.co.jp 
☎ 0966-23-3759
 
「くまがわ春秋」
【季語で一句】(R3・7月号)
 
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
 
麦秋(ばくしゅう《ばくしう》)「夏-時候」
山野邉茂
墓碑にはみな猿田の名字麦の秋
【永田満徳評】
「猿田」は『古事記』に登場する道案内した猿田彦でお馴染みの祭神。掲句は、季語「麦の秋」を使って、神々しい「猿田」の「名字」を持った人々が寄り合う、穀物の豊かな集落の様をうまく描き出している。               
【季語の説明】
「麦秋」とは初夏の頃の季節のこと。麦が熟し、麦にとっての収穫の「秋」であることから名づけられた時候の季語。麦の種を蒔くのは晩秋から初冬にかけてで、冬に芽を出し、春を迎えるとすくすくと育つ。やがて、麦の穂がたわわに実り、麦畑が黄金色に染まる時期が麦秋で、目でも楽しめる初夏の風物詩である。
 
鰺(あじ)         「夏-動物」
江口秋子
鯵握りこの子誰に似たんだらう
【永田満徳評】
「鯵」は大衆魚。新暦5月は鯵の美味しい季節。鯵の握り寿司を頬張りながら、唐突に「誰に似たんだらう」という疑問が起こる。掲句は日常のふとした疑念と庶民的な「鯵」とが取合わせられて、面白い。
【季語の説明】
「鰺」はアジ科に属する海魚で種類が多い。鰺の代表格は真鰺で、日本各地の沿岸に分布していて、釣り、定置網、底引き網等の沿岸漁業で漁獲される。刺身、塩焼き、フライ、干物などにして食す。「味がいい」から「あじ」だとも、鰺のおいしい季節が旧暦の3月なので、数字の「参」が使われたとも言われている。
 
花菖蒲(はなしょうぶ《はなしやうぶ》) 「夏-植物」
篠木 睦
菖蒲田の水明りして亀沈む 
【永田満徳評】
「花菖蒲」の紫は色濃く、そこに混ざって咲く白は初夏の日差しを受けてまぶしい。水を張った「菖蒲田」は空の青と菖蒲の花の色を映して美しい。「水明り」の表現がよく、「亀沈む」が絵画のようで、心惹かれる。
【季語の説明】
「花菖蒲」はアヤメ科の多年草で、ノハナショウブをもとに、江戸時代を中心に品種が育成された。6月頃色彩もさまざまな花が開く。梅雨の最中に花弁を雨粒が濡らす姿は風情がある。優美な花形が魅力で、色彩の魔術師とも呼ばれ、花色の変化に富んでいる。アヤメは花弁のつけ根などでカキツバタと区別できる。
 

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