中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
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日銀に「無制限に債券を購入させる」ことへの漠とした不安

2012-11-19 | 政治・経済を考える

安倍氏は15日、日銀はインフレ・ターゲットを2~3%とし、そのためには無制限の金融緩和をするべきだと述べた。現在のインフレのゴールは1%であり、日銀は今年、これに向けて小刻みに債券購入枠を増やしてきた。それ以上のインフレ・ターゲットに向けて無制限に債券を購入することになれば、日本円の唯一の魅力として残っていたセーフヘイブンとしてのステータスは消え去るだろう。さらに日本の国内総生産(GDP)は7-9月期に前年比マイナス3.5%となった。だが、円安は日本のトップメーカーにとってありがたい話だ。ソニーやパナソニック、シャープなど、一時は民生用エレクトロニクス業界を席巻した企業はいずれも円高と世界の競争激化によって利益が打撃を受けている。これら企業やその他の輸出業者にとって円安は再びトップの座に返り咲くチャンスを与えてくれるかもしれない。(WSJ記者: Stephen L. Bernard、Vincent Cignarella)

 おそらく今回の選挙で、自民党が勝利する。それは、大方の見方ですし、私もそう思っている。その党首である安倍さん(次期政権の総理)が、建設国債を含めて日銀に「無制限に債券を購入させる」と言っている。それに呼応するかのように、日本株は上昇している、市場は敏感に反応していると言っていい。しかしながら、私には違和感がある。これまでにも、為替介入や金融緩和を幾度となく試みている、しかも、その効果は限定的であることは周知のことです。このような、過剰とも思えるような「日銀への圧力」を何故繰り返すのか・・・WSJ記者が皮肉を交えて指摘している「危うさ」を、私も覚えてしまう。それでなくとも、欧米の「金融緩和策」で溢れた資金が地球を毎周回しているのに・・・このままでは世界経済は破綻してしまう。出口の見えない世界経済の状況に、どう日本は対応するのか・・・次期総理の責任は重いと言わざるを得ない。

 



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