中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
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画家フェルメールの絵

2007-09-06 | 美術を考える

画家フェルメール

1932年、オランダ南部の古都デルフト生まれ。オランダを代表する画家のひとりで「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」「牛乳を注ぐ女」などの作品が有名。19世紀に再評価され、世界に広く知られる存在となるが、その生涯については不明な部分が多い。寡作の画家で、フェルメールの作品とされるものは世界中に40点足らずしかない。

フェルメールの絵は静寂の中にある。風景も室内も、限られて光の中にある。これはカメラ・オブスキュラ(写真装置の原型)の像面にあらわれるフレアーとよばれる光学現象を忠実に描写したためといわれる。肖像画の構写真装置の原型である図に人物を画面の中心にすえる傾向があるが、これも彼の所持したカメラ・オブスキュラのレンズの性能に由来すると考えられている。

サルバドール・ダリは生前、あるインタビューで「あと10分で世界が滅亡する。一点だけ絵画を救うことが許されるとしたら、あなたは誰の作品を救うか」との質問に一言「フェルメール」と答えている。

フェルメールの絵の魅力はその永遠性にあると、わたしは思っています。すべてが作家の意図のもとに構成され、描き込まれています。カメラがとらえる一瞬とは異なる、画家の眼がとらえた一瞬がそこにはあります。

 

 



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