



タール砂漠で水汲みをする女性の姿を撮影したくてインドへ来てしまった。入国審査のゲートを出た途端、この国の女性の位置がひどく虐げられているのを真っ先に感じた。
よく説明は出来ないが、イスラム原理主義が強い国などのそれと共通する匂いを嗅ぎ取っていたのだろう。到着したばかりなのに、何だかひどく嫌な気分になってきた。並外れたフェミニストではないけれど、ごく普通の男女平等意識は備えている。でもこの国は違う、女性の地位がひどく低い。それと壁にこびりついたしつこいカビのように、未だにカースト制度が社会全体を覆っている。
日本の封建時代のことを、女性が安んじられていたという非常識者がいるが、日本はかなり以前から男女平等の意識が、広く庶民の間に浸透している。「八重の桜」でも証明しているように、女性が侍と同等に扱われている。
しかし、ここインドは全く違う。この写真の少女たちの中の多くは、既に結婚し子供さえいる。何も早婚が女性蔑視とは限らないが、結婚するときに女性が男性の家に、持参金を届ける。それが少ないと婚家の家族にいびられ、焼殺されたり、撲殺されたりする例が絶えない。
そんなことを聞くと、益々この国の女性に同情の念を禁じえない。とにかくそんな社会でも、幸せに感じているなら、と願いながらインドの砂漠を彷徨った。