My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

今まで自分のやってきたことが不安になるとき

2010-02-19 09:56:28 | 8. 文化論&心理学

こういう話ばかり書き続けると、これ何のブログ?ということになるが(注:技術経営と留学のブログです)、
今日はMBA受験中の方にお会いしたりして、ちょっと書きたくなったので・・・。

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私が大学受験をしたのはちょうど13年前の今頃だった。
家の事情もあり、国立一本狙いで、それに向けて勉強していた。

私が通ってた高校は、受験シーズンの1月末から学校がお休み。
だから、友達にも会えず、特に私大の試験を受けることもない私は、
迫る国立大の2次試験に向けて、ただひたすら家で一人で勉強する日々。

自分がやってきた勉強が本当に正しかったのだろうか、たびたび不安になった。
夏休みに遊んでて、真面目に勉強してなかったことを後悔したり。
模試ではいい点取っていたはずの数学で、立て続けに分からない問題がいくつもでてきて急に不安になったり。
物理が全然終わってないのは絶対にやばい、もっと前から真面目にやっておけばよかった、とか。

そんなときに、当時やっていた通信教育の某Z会(某のイミなし)から一枚のはがきが届いた。
はがきには、

「神は曲線によりて、まっすぐに描く」

と書いてあった。

そうか、要領の悪い自分は、無駄なことや余計なことをたくさんやって、曲線を通ってきたように見えるけれど、
それは実は自分にとってはまっすぐな道だったのかもしれない、と思った。

別にそう考えても、過去の自分がやってきたことは変わるわけではないのだが、
「自分がやらなかったこと」に焦点を当てるのでなく、「やってきたこと」に焦点を当てて、
前向きに考えた方が良い結果が出るだろう、という当たり前のことに気が付いたのだ。
そういえば、同じことが、デール・カーネギーの「道は開ける」にも書いてあった・・・。

そう考えれば、「やってきたこと」はそれなりにある。
そういう意味では、ここまで来た道は「まっすぐ」だったのだ。
あとは残りの時間でどう「やらなかったこと」をどうやるか-ここからどうやって山に登ればいいか-を考えよう。

そう思うと、急に不安が和らいできて、今までのことを後悔するのではなく、
受験日まであと2週間無いのだから、それをどう使うのが効率的か考えよう、と急に建設的になった。

おかげでその後、受験は無事突破して、その春には大学生になった。
でも、相変わらず要領の悪い私は、その後の人生もいろいろ無駄なことに時間を使ったり、寄り道をたくさんして生きている。

それでも、私の心の中にはあの「神は曲線によりてまっすぐに描く」という言葉があって、
「人から見れば寄り道をしてるかもしれないけれど、それがあるから今の自分があるわけで、
 そういう意味ではまっすぐな道だったのだろう。
  それよりも目標に向けて、まだやってこなかったことを単にやろう。」

と思い、前向きに人生を生きるように心がけている。

受験生の皆様、留学準備中の皆様、そのほかここが人生の踏ん張りどころに来ている方、頑張ってください!

道は開ける 新装版
デール カーネギー,Dale Carnegie,香山 晶
創元社

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18 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
しみじみ。 (michiyuki)
2010-02-19 18:50:30
はじめてコメント致します。
ええお話ですね~。
これからも楽しみにしています。
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過信と確信 (takayosi_sg)
2010-02-19 23:48:44
こんにちは。

すばらしい格言ですね、ここ最近英語でもがいているものの、結果のでないもがくだけの日々に思えて少し落ち込み気味でしたので元気ができました。ありがとうございます。

もがいてもがいて、自分大丈夫なのか?やっていることは本当に正しいのか!?なんて思うことはしょっちゅうです。スラムダンクのゴリすら悩んでることがありました・・・。
でも、結果が伴ってくると、過信かもしれない気持ちが確信に変わって、自信になるのかな、なんて思います。その日まで頑張ろうと思います。

余談ですが、先日Lilacさんの過去のblogを拝見して、今日、シンガポールの日本人向け古本屋さんにて「巨象も踊る」を購入してまいりました。

私は、実はガースナーさんが寄稿した日本経済新聞の私の履歴書の切り抜きをコレクションとしてもっていたります。

熱狂的ファンってわけではないんですが、大前研一ファンではあります。(人によっては賛否両論でしょうか?)僕の視点上、エリート街道を歩いている彼が困難に立ち向かう姿は、大学生の僕には、美しくてたくましく思えたんです。

彼がIBM再建の際の苦労を社会経験をした今なら面白く読めるかも、って思って買っちゃいました。楽しみながら読書してます。(英語の勉強しろって感じかもしれませんが。)

僕はこの手のお話が好きなので、またご寄稿される日を楽しみにしております。
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元気をもらいました。 (Elle)
2010-02-20 11:12:40
はじめてコメントします。
私もアメリカに留学中です。
まだまだLilacさんのように学んだことをほかの人とシェアするレベルにはとても遠く、いつもLilacさんのブログで勉強させてもらってます。

私にとってLilacさんやLilacさんが紹介してくださるブロガーの方はみなさんとても遠い雲の上のような存在です。勝手に強い憧れを抱いているのですが、でもやっぱり努力の積み重ねというか、そういうものが大切なんだなと改めて感じました。

~しておけばよかったって思うのではなく、自分がやってきたことに焦点をあてて前向きに私も考えられるようになりたいなと思います。
まだまだ未熟すぎて、成長の兆しが見えないとへこむくせがあって・・・

上記の方がコメントされてるようにスラムダンクのゴリでも悩むことがあるという言葉にも励まされました。

学校の様子やまたこういった話をお伺いするのがとても楽しみです。
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Unknown (salie)
2010-02-20 13:29:57
スケールが小さくて笑ってしまった
おめでたい方ね
返信する
はじめまして (ミナ)
2010-02-20 19:37:24
働きながら留学を目指している者です。
おそらくlilacさんと同じ歳くらいかと思いますが、今から留学なんて大丈夫かと不安になっていたところだったので、この言葉に大変励まされました。

このブログはlilacさんもビジネスも国の在り方についても、考え方が前向きで好きです。これからも応援しています。
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ドアノブ (かばん)
2010-02-20 23:49:06
Lilacさん

こんにちは。
3年前でしたが、私も留学を決めた時に小娘なりに考え「歩いてきた道は結局一本の道だった」と当時思えることができました。

その時は、ぐるぐる行ったり来たりしていた道に大きな壁があって、登れもしないし他の道を探せもしない状態でした。でも、しゃがんで足元を見たら見えたんですね、今まで進んできた道が。そして、自分の中で何かがはじけた時、その壁にノブを見つけたんですね。あとはぐっと力を入れてその扉を開けるだけ。

ちょうどその頃の思い出話を書いていたので、ついコメントを残してしまいました。そしてカーネギーの著書は短大生の時に授業で買わされましたが一度も開かず、卒業後に読みなおし、たくさん線を引いていました。

ブログ、いつも興味深く拝見しています。

それでは、身体に気をつけてくださいね。
イングランドの小さな街から応援しています。

かばん
返信する
コメント有難うございます (Lilac)
2010-02-21 15:24:06
>Michiyukiさま
初めてのコメント有難うございます。これからもよろしくです。

>Takayoshiさま
結果が出ないとくじけそうになることもありますが、自分が既に成し遂げたことを振り返るのもたまにはこうかあると思います。

確か英語のリーディングで苦しんでるとのことでしたが、
「巨像も踊る」も英語の原本で読んでみたらいかがでしょう?
ガースナーの文章は、一文が短く、言葉が明瞭で、割と読みやすいと思うので、お勧めです。
日本語で読むより、彼の言をひとことひとことかみ締めて読めるので、ファンにはお勧めです。
Kindle版でも出てるので、もし単語力が心配でしたらこちらで読むのをオススメします。
辞書内臓なので、分からなければ、カーソルを合わせるだけですぐにイミが出てくるのは便利です。

大前研一はやっぱり「企業参謀」が最高だと思います。
今の自分の年で、この本を出していたのか、と思うと焦りますけど(笑)

>Elleさま
コメント有難うございます。憧れてるなんていわれると照れちゃいます。
応援していただけて嬉しいです。

成長の兆しが見えないとへこむのは私も一緒です。
MBAは授業で発言するのが大切だったりするのですが、「あーまた授業の発言で失敗しちゃったよー」ということはしょっちゅうで、人知れず落ち込んだりしてます。
でもそういう時は、予習と称して英語の教科書を読むことでそういう気持ちから逃避。
勉強してるうちに、キモチがだんだん落ち着いてきたりします。

>ミナさま
有難うございます。
私が今TAをやっているクラスには、30代後半や40代の学生もたくさんいます。
アメリカ人だけでなく、留学生も多いです。
皆さん、今まで技術者を長年やってきたが、経営について学んでキャリアチェンジをしたい、という感じで留学されてるようです。

きっと留学に遅い、ということはなく、その年代によって、新たな経験から学ぶことがあるのではないか、と思いました。
若いとき留学したときには学べないことがたくさんある、と思っています。
是非頑張ってください!

>かばんさま
コメント有難うございます。扉の話、ステキですね。
私もかばんさんのブログを始めて読んだとき、英文学を学ぶために意を決して留学した様子が伝わってきて、非常に心が励まされたのを覚えております。
日本での経験も生きる経営学などと違い、言語のハンディキャップが大きい文学のような分野で学ばれるのは、とても大変かと思いますが、心より応援しています。

これからもよろしくお願いします。
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はじめまして (sho)
2010-02-21 23:15:50
はじめまして。

励まされました。ありがとうございます。

大学に行かずに社会人になったものです。
年を追うごとに、系統だった「知」というものへの憧れが増すばかりで、
大学へ行って勉強をやりなおすことを決意しました。

3日後に試験を控えたこのタイミングで、
やっていないことに意識が集中してしまい、
ちょっとナーバスになっていたところでした。

ありがとうございました。


いつも楽しく読ませて頂いています。
トム・ピーターズが大好きで、
なんというか、「なにごと最後は情熱だろ!」と思っているので、
Lilacさんのエントリーには、しばしば勝手に親近感をおぼえています(笑
これからもお体に気をつけてがんばってください。
返信する
DNA (Lilac)
2010-02-22 04:39:19
>Shoさま
試験頑張ってください。
落ち着いて実力を発揮してくださいね!

このブログの文章を読んで、皆様が大前研一やトム・ピータース、ガースナーを思い出すのは面白いと思いました。
彼等は1970~80年代に活躍した人たちですが、企業や経営者へのEmpathyや情熱というDNAがファームの中に流れており、私も同じ会社にいて自然とそれを受け継いでるのかもしれない、と思いました。
もっとも私などはまだまだ及びませんが、ロールモデルとして尊敬してます。
返信する
Unknown (sokuradesu)
2010-02-27 12:32:24
はじめまして。
来年から、運良く浪人生活が始まりそうな高校生です。

記事の内容をつかめないながらもいつも読んでます。


入試1週間前、自分の要領の悪さに嫌気がさしていた頃、この記事をよんでもちこたえることができました。

結果は悲惨なものですが、前向きに浪人生活を満喫してやろうと思います。

ありがとうございます。
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