My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

MITでアニメの研究してる人たちと「サマーウォーズ」を見た

2010-03-07 13:10:23 | MBA: クラブ活動・講演会

昨年夏に日本で話題になったアニメ映画「サマーウォーズ」がMITで上映されたので、友人と見に行った。
監督の細田守氏にも会えた。

何でも、MITでアニメやJポップなど現代日本文化研究をしてる教授が、監督をボストンに呼んだのだそうだ。


(画像クリックするとこのページに行きます)

世界最高峰の科学技術の大学であるMITは、ご多分に漏れず日本のアニメやゲームが好きな人も多い。
そのアニメオタクぶりが嵩じてなのか、本当に研究をやってる人も結構いる。

今回、映画会を主催した文化人類学のコンドリー助教授も、日本アニメの研究もやっており、
最近は「萌え」ブームの中で愛や性はどのような装置で語られてるか、なんてこともやってるらしい。
MITの比較メディア論学科(CMS) には、他にも日本のアニメやゲームを研究対象にしている先生や学生がいる。

映画会を見に来てるのも、ほとんど日本人以外の学生ばかり。
多くが、MITのアニメ研とか、アニメ含む日本文化の研究してるとか、
日本語勉強してるとか、何らかの理由で日本に興味があるガイジンばかりの様子。
日本人は一割未満といったところか。

ちなみに、私は宮崎アニメを見るくらいでそんなアニメファンとかではないのだが、
アニメの世界に興味は持っている。
たぶん理系だったから、周りにコアなアニメオタクの人が割といて、身近に感じてるんだと思う。

先輩が二次元での電子の研究をしてると思ったら、実は本人も二次元の女性も好きだったなんてのもあった。
私がLASIC手術をしてメガネをやめたら、「君はメガネが美しかったのに、何故やめたのか」と言う人がいたり(笑)。
現実世界では男性には全くモテない私だが、アニメ界には私のような極端なキャラがモテるらしく、
アニメオタクな人に、「アニメのヒロインだったら大人気だったと思うよ」というようなことを言われたことが何度かあった。
そんじゃ、次に生まれ変わったらアニメに出てくるかな(笑)

教室ではポップコーン屋さんが来ていた。
こんなのも呼ぶんだね、本格的。

上にトロトロのバターを大量にかけてくれるんだよね。
不健康そうだけど、これがとても美味しいのよ。

そして信じられない大きさのカップのポップコーンを平気で平らげるアメリカ人たち。
(まだ映画開始前)

映画が始まると、「え、ここ笑うところ?」みたいなところで大きな笑いがたくさん起こる。
最初の学校のシーンで、主人公が先輩の女の子にバイトに誘われるところとか、5秒に一回大爆笑だ。
主人公が手を握られて真っ赤になるところとか、笑いがずっと止まらない。
日本人の感覚だと、そんなにおかしいかな?と思うところでものすごく大笑いしている。

それから、字幕が追いついてないのに笑ってる人が半分くらいいて、日本語分かる人がこんなにいるのか、というのはかなり驚いた。
日本語で一回、字幕で一回笑いが起こるのだが、日本語だけで笑う人の数が多いのが分かる。
アニメ好きが嵩じてなのだろうか?こんなに日本語が分かるようになるなんて。

絵がとってもきれいで、特にヒロインのおばあちゃんの家の周りの自然がとてもきれいなのが泣けた。
久しぶりに日本にまた帰りたい気持ちになった。
すっかり廃れてしまったセカンドライフな世界が、現実化してしまった感じなのが面白かった。
結局、ネットの世界が暴走しても、現実世界の絆やネットワークが勝つんですよ、みたいなメッセージ?
いろんなハプニングが次々に起こって、最後は良く分からないままに納得させられてしまったが、まあ面白かった。

途中、数学オリンピックとか、映画のMercury Risingのように公開鍵暗号(?)を解いてしまう主人公とか、
何テラフロップスのコンピュータを電気屋のおじさんが運んできて、それを
氷で冷やすとか、
MITの学生が大好きそうなネタがたくさん仕込まれていて、
数ある日本のアニメ映画の中から、この映画を選んだのは正解だなあ、と思った。

かなり長い映画だったけど、みんな最後まで楽しんでたみたいで、かなりの人が残っていた。
終わると、スタンディングオベーション(立って拍手すること。最高の賛辞)。

右側が主催のコンドリー先生、左が細田守監督。

この後は質疑応答タイムだったのだが、のっけから素人には全く分からないオタクな質問ばかりでびっくり。
「○○のシーンは、○○のアニメの○○のオマージュなのか?」みたいな質問で、そのアニメを知らないと分からなかったり。
質問をしたい学生がマイクの前に10人以上並んでいて、どれも素人には分からない質問ばかりだったので、この辺りで教室を出ることにした。

■アニメに個人以外の金の流れを作ることで、産業として大きくすることは大切と思う

今回、細田氏の「サマーウォーズ」を見ていて気が付いたのは、映画内広告が多用されてること。
出てくる携帯電話はドコモばかりで、携帯からアクセスして色んな問題を解決する、っていうこと自体、ドコモらしいコンセプトだった。
テレビはソニー製ばかり
任天堂も、ニンテンドーDSに加えて、最後は花札で終わるという。
邪推かもだが、一体どのくらいのお金が企業から流れてるのだろう、と思った。

(追記:
確かにiPhoneは重要なアイテムだったけど、アメリカのiPhoneだからAT&Tのローミングなので結局ドコモなのでは?
すみません。パナソニックも多々登場していたそうです。ソニーのロゴが目立っていたのでそうかと思ってました。
任天堂ってもともと花札作ってた会社だからね。)

私は、こうやってアニメに視聴者以外からの大きなお金が流れることは大切だと思っている。
ちゃんと金儲けが出来る仕組みを作らないと、どんなにコンテンツが良くたって、産業として廃れてしまうだろう、と思うからだ。
だから、このように金の流れを作る試みが行われているのは非常に好感が持てた。

こういう事書くと「ビジネスにすると良いものが出来ない」「金儲けなんか考えるな」と反感買うかもだが、
私は別に金儲けが好きなわけじゃない。
(クライアント企業の金儲けを手伝ってるけれど、個人ではお金儲けには全く興味がない)
でも、良いものがちゃんとお金を儲けられる仕組みを作ることは非常に大切だと思っている。
「儲からなくても世の中の役に立てばいいんです」という人を良く見るけれど、その思想は危険だと思う。

イノベーションのところでも何度も書いてるけど、どんなに良いものを生み出しても、金にならなければ、
その良いものを世の中に普及させるためのお金も出ない。
技術そのものがすごくても、世の中の誰もが使いやすいように作り直すにはお金がかかる。
世の中に宣伝して、教育して、多くの人の手に届くようにするためにも、お金がかかる。
それをやらないと、一部のギークな人たちだけのものになって終わってしまう。
そうしたら、どんなに良いものを作っても、世の中のためにならないだろう。

そして、次の良いものを生み出す開発にも、お金がかかるわけよ。
だから、良いものでちゃんと儲けるのは、良いものを普及させ継続的に生み出すために、重要なことだと思っている。

私はアニメの詳しいことは知らないが、日本のアニメはプロやクリエーターには大きな影響を持っていると聞くだけに、
規模が小さく、ちゃんと金儲けが出来ていないのは残念に思うのだ。
アニメを愛する人たちの善意で支えられていても、その人たちにちゃんとお金が落ちる仕組みを作らないと、産業として長続きしない。

ついでに言うと、個人・消費者からのカネの流れだけで儲けるためには、
ディズニーやDream worksのようにマス・ボリュームゾーン狙いのコンテンツをつくるしかない。
そうすると、「ソフトパワー」と言う割には日本の経済を活性化させるほどの産業になってない、日本のコンテンツ産業も、変わって来ると思う。

久しぶりに日本のアニメを見ながら、そんなことを思っていた。

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21 Comments

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Unknown (Unknown)
2011-01-25 08:45:12
任天堂はサマーウォーズで広告にお金は出してなかったと思います。
細田さんの先輩がマリオの生みの親、宮本さんで、サマーウォーズは任天堂の思想を色濃く受けているというインタビュー記事がありました。
返信する
お返事ありがとうございます。 (soo)
2010-03-14 14:50:19
早速お返事くださってありがとうございます。

オタクのマーケットは本当に特殊です。
アニメと一言で言っても、ディズニー~宮崎アニメ~コミケでの同人アニメまで全然違ったマーケットです。

また、ご指摘にあったように、アニメをきちんと海外に輸出する、ということはアニメ業界全体の大きな課題の一つです。これまで多くの日本のコンテンツホルダーが海外でのライセンスを現地のディストリービューターに頼ってきました。結果、市場のバブルが弾けて、各作品のライツアウトされるディールの額は下降の一方を辿っています。このような状況に対して、ディストリビューションの方法を一度きちんと立て直す必要性がありそうです。

私も色々返信したいのですが、ソフトビジネスというのは本当に奥が深くてキリがないので、本当、機会があればぜひお話してみたいです。

私は学生の頃、現代アートを専攻していて、当時はアートマネジメントに興味がありました。それから映像音楽業界に入りましたが、当時から変わらず、ビジネスとクリエイティブの接点というテーマを追っています。

そういった意味では、やはりコンテンツ大国であるアメリカで一度映画製作ビジネスについて学びたいと思っていて、FilmSchool、MBAを目指して頑張ってます。

Syntaxさんのブログも拝見させていただきました。私自身はオタクではありませんが、よかったら是非紹介してください^^。色々とお話を伺ってみたいです。
返信する
ありがとうございます (Lilac)
2010-03-14 02:44:10
@Sooさん

なるほど。こういうコメントは非常にありがたいです。
そしてMBA受験中というところに感銘を受けました。
MBAで全てが学べるわけではないですが、経営への意識の高い方がアニメ業界にいるというのが重要だと思っています。
同じことはMBAのアドミッションも考えますから、その経歴と、アニメ業界を良くしていきたい、というのはMBA受験には非常に有利だと思いますよ。
是非受験頑張ってください。

アニメといえば、ご存知かもですが、MIT Sloanの1年生でもSyntaxさんという方がもともとアニメ含む配給の仕事に関わっていて、今後もアニメ業界に関わろうとされてる方がいます。
こちらが彼のブログ→ http://www.thesyntaxerror.net/

もしご興味あれば、つなぎます。

>お金を集めることに関して言うと、コンテンツの金融商品化などは数年前に一時期流行ったのですが、どれも失敗に終わりました。
>スポンサー集め、出資者を募ることは本当に難しい。。

アメリカではDisneyとDreamWorksがうまく行った例かなと思いますが、Dreamworksとかってそれこそオプション化で相当お金集めたんですよね。
これはMBAのケースでやりました。
でもケースでやった程度なので、具体的な話は余り知りません。
今度誰かに聞いてみます。

もっとも日本でそれがうまく行くのかはまた別の話ですが。。。

>まず、ディズニーやDream works、またハリウッド作品もそうですが、彼は製作費のかけ方が桁外れです。そして、それを回収できる北米という大きなマーケットを相手にしている。
>邦画やアニメはやはり、言語の壁があります。

なるほどね~。
そうするとアメリカEtc、英語圏でアニメを理解する人たちの強力なユーザーコミュニティを作り、そこで完全翻訳して、彼等を中心に売り込みかけていくってやったらうまく行くでしょうか。
製作現場もインターナショナルにする必要があるでしょうね。

製造業の方も、昔から日本人は寡黙ですが、寡黙にいいものを作ることで売っていた。
でも今はコンテンツやソフトに価値が移動しているため、そうは行かなくなっています。
組織自体もグローバルにしなければ、あるいはグローバルなリンクを作らなければ成功しなくなりました。
同じことがアニメでも言えるのかな、とこれを読んで思いました。

>ただ、ジャパニメーションといわれるほど、日本はアニメ大国・漫画大国ですし、素晴らしい可能性を秘めていると私も思っています。それらをどう実のある形にしていくかは、ビジネススキームの構築も大事なのですが、それよりもクリエーター・プロデューサーの育成がとても大事だと思っています。

なるほど。
しかしながら、クリエーターの育成も結局儲かってないとうまく行かないので、やっぱりビジネススキームの構築はそういう意味で大事なのかなと。

記事にも書いたように、近くにアニメオタクな人が多かったこともあり、この業界には興味はあります。
でも、私が製造業やハイテクをやってるようにはちゃんと調べてないんですよね。
MITはアニメやるには最高の環境だと思うので、ちゃんと調べれば色々出てくると思うのですが。。。

他にも色々返信したいのですが、長くなるのでこの辺で。
機会があれば、一度お話してみたいですね!

>私は女性ですが、Lilacさんが今回アニメオタクにモテるという件には妙に納得しました(笑)

しかしキャラにしたらモテるというだけで、実際にオタクの人にモテているわけではないのです(爆笑)
私の方からアプローチすれば、もしかしたら彼等は落ちるのかもしれませんが、私のような女性に向こうからアプローチするのはかなり勇気がいるでしょうね~。
しかも彼女にしたいかというのは違う質問でしょうね~。
それが一般的にモテない原因なのだと思いますが(笑)
返信する
はじめまして。 (soo)
2010-03-13 22:53:38
はじめまして。
MBA受験中で、いつもこちらのブログを愛読させていただいています。

私のアニメ映像製作会社に勤めていまして、コンテンツビジネスに携わっている者として、今回のLilacさんの記事とその反響について思ったことがいくつかありました。

>私はアニメの詳しいことは知らないが、日本のアニメはプロやクリエーターには大きな影響を持っていると聞くだけに、
規模が小さく、ちゃんと金儲けが出来ていないのは残念に思うのだ。
アニメを愛する人たちの善意で支えられていても、その人たちにちゃんとお金が落ちる仕組みを作らないと、産業として長続きしない。

アニメは金儲けできていない、というのは少し誤解がもしれません。ドラマや映画など他の映像ビジネスと比較すると、アニメビジネスというのは、消費者がお金を落としてくるビジネスだと私は思っています。今回のサマーウォーズの例で言うと、つい先日発売されたDVD、BDは十万枚以上のセールスをあげています。興業収入は20億近くまでいきました。対して、これくらいの劇場版アニメーションの製作費は恐らく4~5億くらいでしょう。少なくとも興業収入だけど十分回収し、かつ数億の利益を生んでいます。更にDVDが十万枚以上売れているので、そのボーナスもあります。

サマーウォーズはアニメとしては大ヒットでしたが、その他コンテンツ業界全体としてむしろ問題なのは、DVDが売れなくなっている市場構造(違法配信やアジアでの海賊版の横行などが原因)や若者の映画離れ、などにあると私は思っています。

コンテンツの利益の回収はTVシリーズであれば、DVDや二次利用、映画であればさらにその前の興業収入によるところが大きいですから。

お金を集めることに関して言うと、コンテンツの金融商品化などは数年前に一時期流行ったのですが、どれも失敗に終わりました。ポートフォリオ化もシネカノンという映画配給会社が「フラガール」という映画でやっていましたが、その後はうまくいかなったようで、つい先日倒産してしまいました。

スポンサー集め、出資者を募ることは本当に難しい。。細田さんくらいネームバリューのでた方は逆に今あらゆるところから引く手あまたでしょうが、スタッフや原作などにある程度知名度がない限り、大企業がスポンサーについて出資をすることは可能性としてとても難しいのです。なぜなら、お金を出す側にはコンテンツの目利きがいないので、作品が当たるかどうかを見極められないのです。プロジェクトローンチ前に製作側も100%当たりますとは当然言えないわけですし。。

>ついでに言うと、個人・消費者からのカネの流れだけで儲けるためには、
ディズニーやDream worksのようにマス・ボリュームゾーン狙いのコンテンツをつくるしかない。

ディズニーやDream worksのような作品を日本で作れたら本当に良いのですが、ではそれをどうやって作るか?というのが難しいんです。

まず、ディズニーやDream works、またハリウッド作品もそうですが、彼は製作費のかけ方が桁外れです。そして、それを回収できる北米という大きなマーケットを相手にしている。日本の映画市場が2000億なのに対しておよそその5倍といわれています。更に彼らは英語という世界共用語をもってワールドワイドにセールスをかけていく。邦画やアニメはやはり、言語の壁があります。アメリカにオタクはいてもやはりニッチなマーケットです。殆どのアメリカ人は宮崎駿すら知りませんし。

ただ、ジャパニメーションといわれるほど、日本はアニメ大国・漫画大国ですし、素晴らしい可能性を秘めていると私も思っています。それらをどう実のある形にしていくかは、ビジネススキームの構築も大事なのですが、それよりもクリエーター・プロデューサーの育成がとても大事だと思っています。

>そうすると、「ソフトパワー」と言う割には日本の経済を活性化させるほどの産業になってない、日本のコンテンツ産業も、変わって来ると思う。

これはもう、国を挙げてのコンテンツ産業に力を入れているレベルが他の国に負けてしまっています。韓国映画が今また伸びてきていること、他国とハリウッドが手を組んで共同製作をし、ワールドワイドでディストリビューションを行えるのは、国が多額の助成金で支えているからなんですね。

経産省あたりがこの辺が頑張っているのですが、まだまだ大変なようです。

記事UPされた日からちょっと日が経ってしまいましたが、珍しく自分の業界の記事だったので、コメントしてみました。

あと、私は女性ですが、Lilacさんが今回アニメオタクにモテるという件には妙に納得しました(笑)
返信する
コメントどうも~ (Lilac)
2010-03-12 13:06:02
@Daisukeさん

はじめまして。コメント有難うございます。
なるほど、アニメーターの技能は日本が圧倒的に高く、労働力の安い新興国がいくらローエンドでやってきても、品質では負けていない。
しかしそのローエンドたちの安い労働力によって、日本の賃金体系すら低くなっていると言うことですね。

ミクロ経済学的に考えると、アニメというコンテンツ産業は、公開前にはいくらお金が儲かるか分からない、つまりアニメーターの技能が収益に直結するとは限らないので、製作段階では技能よりコストが重視されてしまう、というジレンマですね。
製作会社としては質の高い労働力を雇いたいとしても、会社も中小の規模なので、一つ一つの作品で確実に利益を出さないとまずいから、高い労働力は雇えないですよね。

こういう市場の問題解決の典型例は
1)オプション化
2)製作前の格付け
などで製作前に価値を高めることと
3)ポートフォリオ化
もうかるものも儲からないものも全部やることで一つ一つのリスクを押さえる

なんですけどね。日本ではどれが出来るかな?

@Yasuさま
本当にそうですね。例えば上に書いたようなコンテンツの金融商品化とか、日本のアニメやってる人はNever考えないですよね。
金融業界が硬直しているから、というのもあるでしょうけど。

どうやって儲かるビジネスにして、日本のコンテンツ産業を底上げしていくか、というのは考えどころですよね。
返信する
Unknown (yasu)
2010-03-11 20:02:47
Lilacさん、いつも楽しくブログを拝見させていただいています。今回、初めてコメントさせていただきます。

日本のアニメ産業がこれから海外に出ていくに当たって、重要なことは何なのかな?って考えながら読んでいると、とても興味をそそられました。

技術の上で日本は優位性を保っていますが、それをビジネスにつなげるシステム作りが重要なんだなぁとか、日本の文化に興味を持ってくれた海外の人をどう巻き込めばいいのか、どう日本に呼び込むか、など足りない頭で考えました。

こうした身近なものでビジネスを考えるのも楽しいなって改めて思いました。
返信する
Unknown (Daisuke)
2010-03-11 08:54:02
初めてお邪魔します。LL.M留学中のDaisuke@Londonです。

アニメーターの技能というのはなかなか特殊です。アジア圏のアニメ制作下請先として一番古い韓国が日本の下請を始め、その後アメリカや西欧の下請もするようになってもう20年以上が経ちますが、未だに原画で十分高いレベルのアニメーター達を擁したスタジオがあるという話は聞きません。遠い将来はともかく、近い未来で追いつき追い越されるという事態には未だ至っていないように思われます。

ただ、外的要因で競争に負けるより、国内のアニメーター不足による生産性低下が先に来るかもしれません。御多分に漏れず、アニメーターも中核世代が高齢化しつつあり、低賃金のため、次世代は思うように育っていないのが現状です。人気があるので、目指す若者は多いのですが、20代の平均年収110万円という現実の壁は厳しいということでしょう。

製作者レベルのマネタイズを頑張ってもらうと同時に、制作に携わるクリエーター達の人材のエコシステムが機能する程度の労働対価の再評価と制作予算配分の適正化が必要だと思います。
返信する
これパナソニックもスポンサーだったら怒りますよね (Lilac)
2010-03-09 02:24:14
ご指摘どうも♪訂正しておきました。
一番良く出てきたテレビにソニーと書いてあったからそう思ったのかも。
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Unknown (ミスターX)
2010-03-09 02:17:40
Panasonicのテレビも出てたじゃないですか・・・。
ビエラ使ったことある人ならあのリモコンみたら一発で分かるとおもうんですけど。
返信する
コメントありがとうございます (Lilac)
2010-03-09 01:59:32
>Gazさま
私も目先の利益にとらわれず「良いもの」を作りたいという意識は常に大事だとは思ってます。
それが完全になくなってしまったら、世界のトップレベルのクリエーターを刺激する作品は出なくなってしまう。
だけど、儲からなくてもやっていこう、という人ばかりになってしまっては、それはそれで終わりだなあと思ったわけです。

ファンの方から見ると、商業化されすぎてしまった作品ばかりなのは残念に思うのでしょうね。
私の友人の例えによると「好きな同人作家がデビューして売れるようになるのは嬉しいが、もうそれしか書かなくなってしまうのかと思うと寂しい」と言ってたのに近いかな。
あるいは私のダンナがこのブログに対して「読者がどんどん増えてるのは嬉しいけど、昔みたいに旅行や料理などの日常的な記事が読めないのは寂しい」と言っるとか。

>Yoshiさま
なるほど、イギリスはお金になることだけを主眼において、コンテンツが育たないということでしょうか?
アングロサクソンらしいですね。
逆に商業化だけをもくろんだマス作品がそれはそれでひとつのアートになってるアメリカの現代美術みたいな発展を遂げたら面白いんですけどね。
返信する
Artsの育て方:英米日 (Yoshi)
2010-03-08 19:02:46
Lilacさま、

文系もMITですか。なるほど。そう言えば、私の知人も、言語学をやってMITの研究員として働いていますし、チョムスキーも確かMITでしたね。

イギリスにいるとアメリカのArts関連(映像も含め)の育て方が悪い例として批判されることが多いですね。お金になることが主、一過性のチャリティーに頼って長期的育成が出来ていない、レベルの高い作家・作品が育たない、というようなことが言われます。残念ながら、日本も同様の悪い例としてあげられたりします。確かに、イギリスでは、私の好きな演劇分野などで、Royal Shakespeare Company, National Theatre等の主要劇団だけでなく、地方の小劇団、劇場まで国の補助がArt Councilを通して行きわたり、大不況の今、イギリス演劇界は近年に見ない豊作の年と言われています。音楽、美術、ヘリテッジ、テレビや映画等を含め、手厚い保護と育成が、製造業では弱々しいイギリスという比較的小さな国の価値を高め、結果的に雇用やお金も生んでいるように感じています。英語で発信できるという有利な点があるのも大きいですけどね。 Yoshi
返信する
どうなんでしょう? (gaz)
2010-03-08 18:10:50
ビジネスとして見るのは非常に大切ですが、儲からなくてもいいから作って(投資して)みるという日本のカルチャーが無くなってしまったら、それはそれで終わりなような気がします。
玉石混合が日本の良さですし、そこから大きく伸びる作品も出てくる事もあるのですから。

細田監督は有名になりすぎて、もう大きなプロジェクトしか手がけない雰囲気になってますね。
良い悪いは抜きにして、ファンとしては少し寂しいです。
返信する
Unknown (Lilac)
2010-03-08 15:50:28
>YSJournalさま

そんなところで勝負しないでくださいよ!!(爆笑)
もうすっかりアメリカ人ですね。
あ、でも私も飲めるワインの量ならアメリカ人にも負けませんね。
ビールは一部のビヤ樽みたいな人たちには負けますが・・・。

>松本さま
なるほど・・若者はそうやってたきつけられて搾取されてるわけですね。
前に記事で書きましたが、私は技術者に対しても同じことを感じる-昔は終身雇用が保証されてたから給料が安くても良かったかもしれないけれど、今はいつリストラされるか分からないのに、あの給料の安さはヒドイ、だまされてる、といつも思ってます。
返信する
まさにその通り (松本孝行)
2010-03-08 14:19:22
>>「儲からなくても世の中の役に立てばいいんです」という人を良く見るけれど、その思想は危険だと思う。

まさにおっしゃるとおり。
これを理解せずに、NPOやボランティアなんかに突っ込んでいく若者が、年金と退職金で食うに困らない中高年とのギャップに泣いて、理想に燃え尽きてしまうのではないか、そう危惧したりしています。
返信する
ボップコーンとコーラ (ysjournal)
2010-03-08 10:28:17
私もあのバケツ位のポップコーンなら、開演前に平らげます。バターと一緒に塩も振るので、32ozのコーラも同じペースで飲み切ります。

こんなところではアメリカ人と対等以上に勝負出来ます。

悲しいのかな、膀胱の大きさが決定的に違うようで、映画の途中で必ずトイレに行くはめになります。

失礼致しました。
返信する
Unknown (Lilac)
2010-03-08 04:53:37
>ツバメさん
ちゃんと金儲けを考えてないからでは?

>Yoshiさま
そういえば私は大学の学部の代表で韓国の大学を尋ねたことがあったのですが、そのときに先方の代表のリーダーの男性が、すごい日本のアニメとコミックが好きな人でした。
そのせいで日本語もかなり達者。
たしか「るろうに剣心」と「カレカノ」という漫画が当時の彼のマイブームだったようです。
その影響で私も「カレカノ」を読みました。

MITはすでに20%の学生が「文系」です。
どうやらアメリカの法律における総合大学(University)の条件を満たしてるので、Masachusetts Universityにも変更可能なのですが、Masachusetts Institute of Technologという名前が有名すぎて、今更名称変更をしたくないので、何とかInstituteにとどまろうとしてるようです。
アメリカではInstituteよりはUniversityのほうが格上なんで、普通はUniversityになりたいわけですが、MITは既に別格と言うことですね。

>Takayoshiさん
シンガポール生活はいかがですか?
個人的にはまずライティングをはじめて、ある程度慣れてきてからスピーキングに入るのがオススメです。
書くことは話すことにもつながるので、いわば「ゆっくり考えながら話す練習」になるからです。
もちろんあとどのくらいシンガポールにいられるのかにもよりますが。

>MKさん
あれ、MKさんアニオタだったんですか?
なるほどだから私のファンなんですね~(笑)
もう知り合って2年近くも経つのに知らなかった。
Syntaxだけかと思ってましたよ・・。

ちなみにどのアニメがすきなんですか?ガンダム?
エヴァンゲリオンくらいだったら私も分かりますよ。

Christensenの話に置き換えるなら、アウトソースをどんどん進めることで、技術が移転してしまい、最後に家ごと取られてしまうってやつですね。

>Abcさん

全くその通りで、製作・配給・権利保護にちゃんとカネをかけられるだけの原資を儲けることは大切ですよね。

ソフトウェアみたいな技術も同じで、ベーシックな開発はひとりの天才がいれば出来るのかもしれませんが、細かいユーザインターフェースやアプリケーションの開発(製作に相当)や、
広告宣伝、プロモーションによる普及活動(Distributionに相当)にはお金がかかるんです。
それと同じように考えられると思ってます。

もうすこし海外の企業ともタイアップして、海外にDistributeしやすい流れを作れるといいですね。
そのためには英語でビジネス出来る人材がこのアニメ業界にもいないとダメですが。
返信する
Unknown (abc)
2010-03-08 01:55:27
>アニメに...金の流れを作ることで、産業として大きくすること

これ、大事ですよね。儲からないと良い人材もきませんし。
一握りの芸術系の人はお金はさほど関係ないかもしれませんが、製作会社・配給・権利保護などはビジネスとしてきっちりしないと負けてしまいますから。

日本文化・日本語輸出にもつながる分野なのでがんばって欲しいものです。
#ガイジンさんとの雑談で、日本のアニメについて聞かれてしまい、向こうの人のほうが詳しくて面食らいました。まあ、日本・日本人に親近感を持ってもらえるので良いことです。
返信する
アニメの文化的影響 (MK)
2010-03-08 01:31:35
SloanアニオタのMKです。
アニメ界に金の流れをという意見には強く賛成します。アニメは日本の代表的な文化と言われて久しいですが、実態として作画などの手作業の部分はコストの観点から海外に移転が進んでいます。これはChristensenのいうローエンドの産業移転が起こっている状態で、いずれ中国などもフルラインのアニメ製作能力を整えると思います。シナリオなどのハイエンドの部分は日本に残るでしょうが、アニメも他の産業のようにフルラインの海外移転が起こる可能性は十分にあると思います。お金の流れができてもこの現象の完全な処方箋となるわけではないですが、いずれにしても疲弊するアニメ産業には重要なことだと思います。
アニメというのは文化的に非常に重要な側面で、Sloanに日本語を片言でしゃべる非日本人は相当数居ますが、私の話した限りほとんどの人はアニメから日本語を学んでいます。アニメをみたいから、独学で日本語を本格的に学んだという人を知っています。たぶん、サマーウォーズをみて日本語を理解していた人の中には、アニメから日本語を学んだ人が多く含まれていると思います。アニオタなので思いが強い傾向はあると思いますが(笑)、アニメは日本のキラーコンテンツとして国を挙げて支援したい産業ですね。
返信する
日本でのサマーウォーズ  (takayosi)
2010-03-07 20:54:38
Lilac先生、こんにちは。

昨年、サマーウォーズが面白いとヲタクの友達に強く勧められて行きましたが、僕は「?」という感じでした。
個人的にアニメ映画で一番いいなと思えるのは、ナウシカとラピュタな気がします。

そんなサマーウォーズですが、東京では結構流行ったみたいですが、びっくりしたのは、上映映画館が少なかったこと。予想外だったんですかね?

先週末初TOEFL試験受けてきました。シンガポール人は、TOEFL試験が不要なため、外国人のみの受験者数は25人。少なさに驚きました・・語学留学間違えたかもしれません(笑)

今は、ひたすらボキャブラリー強化に努めておりますが、同様にライティングとかスピーキングも始めてますが、いつも"I"とか"we"ばっかり始めてしまったり毎回稚拙な文章が出来上がってしまうのが悩みです。
返信する
MITの日本研究、もうひとつ (Yoshi)
2010-03-07 20:19:12
Lilacさま、
 アニメには興味ありませんが、この記事、とても楽しめました。確かに、アニメが好きで日本語を学び始める人が世界中にいますね。イギリスも多いようです。韓国や中国にもファンが多くて、日本への留学を後押ししているようです。ところで、MITの日本研究には、こういうのもあります:
http://web.mit.edu/shakespeare/asia/
理系の大学でも色々教えるんですね。蜷川幸雄をはじめ、日本の演劇への関心も結構ありそうです。 Yoshi
返信する
Unknown (ツバメ)
2010-03-07 19:38:11
優良なコンテンツをいっぱい持っているはずの日本の大手出版社が軒並み赤字を計上しているのはなぜだろう。不思議。。。
返信する

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