草書

楷書

行書

東風天地に満ち
貧家独り春無し
薪を負いて花下を過ぐれば
燕語人を譏るに似たり
多情
一生の風月 蜩悵(ちょうちょう)に供す
至る処 煙花 別離を恨む
止竟 多情 何れの処が好き
少年 長く抱く少年の悲しみ
秋 夕
ロウソクの秋めく光は屏風を冷ややかに照らし
うす絹の小さな扇子で飛ぶホタルをそっとうつ
宮殿の階段から見る夜の空は水を流したように涼しく
じっと眺めやる 牽牛と織女の星を
自ら去り自ら来り復た留まらず
暗然として空しく歳時の流るるに任す
今朝何事ぞ殊に驚愕するは
まさにこれ傷心の第一の秋なるべし