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スタインウェイはコールバーグに買収される

2013年08月15日 17時20分22秒 | 学習支援・研究
高級ピアノ:スタインウェイ、
身売り先を変更

毎日新聞 
2013年08月15日 10時00分


高級ピアノメーカー「スタインウェイ・アンド・サンズ」の親会社は
14日、著名投資家ジョン・ポールソン氏が率いる
米投資ファンド「ポールソン・アンド・カンパニー」に
約5億1,200万ドル(約501億円)で
身売りすることで合意したと発表した。

7月に米投資ファンド「コールバーグ・アンド・カンパニー」に
約4億3,800万ドルで身売りすると発表していたが、
ポールソンがそれを上回る提案額を提示。
コールバーグは買収を断念した。

スタインウェイ・アンド・サンズは、
1853年に米ニューヨークで創業。
歌手のビリー・ジョエルさんら
多くの有名アーティストが同社のピアノを愛用している。
(共同)


高級ピアノ・スタインウェイの身売り先、別ファンドに
2013/8/15 6:54
【ニューヨーク=清水石珠実】

高級ピアノメーカー「スタインウェイ・アンド・サンズ」を傘下に持つ
総合楽器製造会社、米スタインウェイ・ミュージカル・インスツルメンツは
14日、米著名投資家ジョン・ポールソン氏のファンドに
総額約5億1,200万ドル(約500億円)で
会社を売却すると発表した。

同社は7月上旬に別のファンドへの売却を決めていたが、
ポールソン側の提案額が上回ったために
売却先を変更した。ポールソン氏のファンドは、
スタインウェイ株1株あたり現金40ドルを株主に払う。
先に買収提案していたコールバーグ・アンド・カンパニー案は、
1株あたり35ドルだった。

ポールソン氏は発表資料のなかで、買収理由について
「創業160年の同社が培った製品の質と職人技は、
今後業績が伸びる基盤になる」と説明した。
売却手続きは9月下旬の完了を目指す。
手続き完了後、同社は非上場企業となる。

楽器業界は売上高を継続的に伸ばすのが難しい状況にある。
ポールソン氏は買収による非上場化で、
既存株主の圧力を避けて大胆な経営改革に踏み切るとみられる。
景気回復による富裕層の購買意欲の回復も見込んでいるようだ。

スタインウェイは、1853年にドイツ移民の家具職人が
ニューヨークで創立した老舗ピアノ企業。
ビリー・ジョエルやハリー・コニック・ジュニアら
愛用する有名な音楽家は多い。
傘下には、ピアノ以外にトランペットやサックス、
スネアドラムなどの楽器ブランドが名を連ねる。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGN15003_V10C13A8000000/


ポールソン、スタインウェイ買収で合意
2013年 8月 15日 06:55 JST株価情報

米ヘッジファンドのポールソンは、
160年の歴史を持つ老舗ピアノメーカー、
スタインウェイ・ミュージカル・インスツルメンツ (LVB +7.89%) を
約5億300万ドルで買収し、非公開化することに合意した。

ポールソンは、スタインウェイ1株につき40ドルを支払う。
取引は9月下旬に完了する見通しだ。

この合意に先立ち、6月に1株当たり35ドルでのスタインウェイ買収で
いったん合意していた未公開株(PE)投資会社コールバーグは、計画を断念した。
スタインウェイは12日、ポールソンの名を明かさずに
1株当たり38ドルでの買収提案を受けたと発表し、
コールバーグに対して3日間で条件引き上げの是非を
検討するよう求めていた。

スタインウェイはコールバーグとの合意を破棄し、
約670万ドルの違約金を支払う

ポールソンとの取り決めには、他の身売り先を探すことを認める
「ゴーショップ」条項
が盛り込まれていない。
だがスタインウェイは一定の条件下で対抗買収案に反応し、
ポールソンとの取引が完了する前により有利な提案を選ぶことが許される
という。
その場合の違約金は約1,340万ドルに上る。

ポールソンは、米住宅市場の崩壊前に
サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅ローン)証券の
下落を見込んだ持ち高を形成し、名をはせた。


ポールソンのスタインウェイ買収案は、
コールバーグとの合意に設けられたゴーショップ期間中に提示された。
ゴーショップ期間に一段と有利な買収案を呼び寄せられる例は少なく、
大抵は身売りする企業が、株主の利益追求に最善を尽くさなかったと
訴えられないための方便に使っている。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324593704579013234168539174.html


米スタインウェイ、コールバーグ上回る対抗買収案が浮上
2013年 08月 13日 01:36 JST
[12日 ロイター] -

米楽器メーカーの老舗、スタインウェイ・ミュージカル・インスツルメンツ
(LVB.N: 株価, 企業情報, レポート)は12日、
コールバーグの買収案を上回る対抗案を受け取ったことを明らかにした。

販売低迷などに苦しむスタインウェイは昨年12月、
戦略的選択肢を見直した結果、いったんは身売りしない方針を固めたが、
その半年後、コールバーグから4億3,800万ドル(1株当たり35ドル)の
買収案を提案されていた。

スタインウェイによると、新たな買収案は4億7,700万ドル(1株38ドル)で、
コールバーグ案を上回る。
買い手候補の社名は明らかにしていないが、投資会社としている。

コールバーグは買収案を引き上げることが可能。

発表を受け、スタインウェイ株価は8%超上昇している。

© Thomson Reuters 2013 All rights reserved.



スタインウェイに対するコールバーグの買収の第1報は、
このブログでも取り上げていた

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大学で学ぶ目的

2013年08月15日 10時05分41秒 | 学習支援・研究
なぜ「学ばない自由」を求めて大学に入るのか?
ハーバード大生が日本で抱いた素朴な疑問



写真:ハーバード大

日本の公立高校を卒業すると、単身で渡米して、ハーバード大学に入学。
その後、INSEAD(欧州経営大学院)、マッキンゼー、BIS(国際決済銀行)、
OECD(経済協力開発機構)と渡り歩き、
現在、京都大学で、若者たちにその経験を伝えている。
日本・アメリカ・ヨーロッパ、本物の世界を知る日本人が明かす、
国境すら越えて生きるための武器と心得とは。

なぜ、日本の大学生は勉強しないのか?

今年の7月上旬、夏休みを利用して、ハーバード大学の学生が
東京の語学学校にインターンシップにやって来ました。
せっかくの機会だと考え、京都大学の私の授業で、
大学生活についてプレゼンテーションをしたり、
学生と一対一で話をしてもらったことがあります。

彼女は中国系アメリカ人で、英文学を専攻していますが、
政治にも興味があり、将来はロースクールに進学して
弁護士の資格を取得したいと考えていると言っていました。
勉強の傍らフィールドホッケーの選手としても活躍する、
とても明るい学生です。


河合江理子(かわい・えりこ)
[京都大学国際高等教育院教授]
東京都生まれ。
東京教育大学附属高等学校(現筑波大学附属高等学校)を卒業後、
アメリカのハーバード大学で学位、
フランスの欧州経営大学院(INSEAD)でMBA(経営学修士)を取得。
その後、マッキンゼーのパリオフィスで経営コンサルタント、
イギリス・ロンドンの投資銀行S.G.Warburg(ウォーバーグ銀行)でファンド・マネジャー、
フランスの証券リサーチ会社でエコノミストとして勤務したのち、
ポーランドでは山一證券の合弁会社で民営化事業に携わる。

1998年より国際公務員としてスイスのBIS(国際決済銀行)、
フランスのOECD(経済協力開発機構)で職員年金基金の運用を担当。
OECD在籍時にはIMF(国際通貨基金)のテクニカルアドバイザーとして、
フィジー共和国やソロモン諸島の中央銀行の外貨準備運用に対して助言を与えた。
その後、スイスで起業し、2012年4月より現職。

彼女は、京都大学でとてもいい経験をしたと話してくれましたが、
同時に、1つ気になることを言っていました。
それは、「日本の大学生はどうして平気で授業を休んだり、
遅れてくるんですか?」ということです。
もちろん、時間通りに積極的に授業に参加してくれる学生も多いですが、
彼女の指摘が間違えているとは言えません。

とくに、アメリカの大学生にとって、大学での勉強はとても大切です。

GPAという言葉を聞いたことはありませんか?
「Grade Point Average」、つまり成績の平均値のことを表し、
Aが「4」、Bが「3」、Cが「2」、そしてDが「1」と計算されます。
当然、GPAの最高は4になります。

私のときとほとんど変わらず、いまも希望の就職先を得るためには、
3.5程度のGPAが必要とされています。
また、私が大学生のころには履歴書にGPAを記入する欄はありませんでしたが、
いまでは履歴書にGPAを記入することが当たり前になっているそうです。

一般的に、アメリカの一流と言われる大学の学生は本当によく勉強します。
その理由の1つには、いい成績(高いGPA)をとることが
就職や大学院入学を左右することもあるでしょう。
また、なかには、借金をしながら高額の授業料を支払い、
教育という自己投資をしている人もいます。
そのため、日本のように、夜遅くまで飲食店でアルバイトしていたため、
朝の授業をサボる人はほとんどいませんでした。

学生の意識はもちろん重要ですが、
大学や教員側でも彼らが学びやすい環境をつくっていることも挙げられます。
例えば、ハーバード大学のキャンパスにある
「ラモント・ライブラリー」は24時間営業です。
試験期間になると、深夜まで勉強している学生のために、学部長が、突然ピザを持って現れることもあります。


写真:ラモント・ライブラリーに集う学生たち

実は、韓国の留学生からも、「日本の大学は
勉強する雰囲気になっていないのでは」という指摘を受けたことあります。
たしかに、日本の大学の周りには居酒屋や遊興施設がたくさんありますが、
韓国には語学学校などがあり、
大学の周囲の環境も勉強に打ち込めるようになっているとのことです。

「学ばない自由」を求めて大学に入る矛盾

「学ぶ自由、学ばない自由」と言う人がいます。
しかし、「学ばない自由」を選ぶのならば、
なぜ大学に通うのでしょうか?
私の学生には、必死で受験勉強をしてきた反動で
入学1年目は遊んでしまったものの、それだけではむなしくなり、
勉強し直したと話してくれた人もいます。

もちろん、長い人生に寄り道をしたり、
普段とは違う経験をすることも必要だとは思います。
『自分の小さな「鳥カゴ」から飛び立ちなさい』(ダイヤモンド社)でも紹介したように、
イギリスのギャップイヤーなどは、
学問から離れて自由に人生を楽しむ時間だと言えるでしょう。

しかし、ここで真剣に考えてほしいのは、
結局、「大学とは何をするところなのか」ということです。
自分は何をしたいかと真剣に考えるべき4年間かもしれません。
また、将来について準備をする時間でもあります。

残念ながら、高校生までの時間は、受験合格が最優先とされているため、
与えられた問題を早く解く力、
もしくは正解を暗記することに精力を費やすことが多いのかもしれません。
しかし、大学生の間は、より本質的な学問をする機会と考えて、
新しいことを知る喜びに出合い、
自由で豊かに生きるために必要なスキルを身につけてほしいと考えています。

アメリカの大学ではよく「批判的思考」の重要性が語られています。
それがなければ、世の中で起きていることが
自分にどう影響するのかもわからず、場合によっては、
「偉い人が言うことだから間違いない。
だから、こうするのだ」と受動的な人間になってしまいます。
ポジショントーク(自分に有利なように情報を流したり、
発言すること)をする人は溢れています。
批判的思考がなければ、知らない間に
いいように利用されてしまうかもしれません。

「どうせつまらない仕事を一生していくのだから、
大学時代はしっかり遊びたい」という学生もいます。
しかし、それは果たして事実なのでしょうか?

私自身の経験からも、面白い仕事は世界に山ほどあることを知っていますし、
また、そうした仕事を自らつくり出した人も多く知っています。

4年間を遊びに費やしたせいで
一生自分が納得できない仕事を続けるのか、
それとも、将来の夢を実現するために大学生活を有効に使うのか、
しっかりと考えてほしいと思っています。

【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ】


『自分の小さな「鳥カゴ」から飛び立ちなさい――
京大キャリア教室で教えるこれからの働き方』
(河合江理子 著)


http://news.goo.ne.jp/topstories/life/354/a6c022e4c911631f69a6c265e4e04a25.htmlより

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