6月4、5日に行われた、トレーニングキャンプ。梅雨で、雨の心配があったが、幸い2日間とも晴れた。泊まりのイベントだが、終始人が多いと感じた。明学2年生や、埼大生、国学院の学生など、子供から大人までが集まり、作業をした。
まずは、明学の2年生に水汲み場所を案内する。去年のトレキャンでは、私は案内される側だったなと思い出す。一日目の午前はブルーベリーとブラックベリーの除草を埼玉大学の2年生と行った。彼女は農園が初めてだった。除草をしながら、彼女にいろんな話を聞いたり、一輪車や、堆肥場の場所を教えたり、一昨年や去年私が他の人からしてもらっていたことを、今回はする側になっていた。午後は、厚澤さんが管理する田んぼの代掻きのお手伝いに、たくやさん、なっちゃん、私の3人で向かった。厚澤さんの親戚のまさえさんが機械で代掻きをし、それでも平らにならなかった所を厚澤さんと4人で、田んぼに入り、土を平らにしていく。水と土に足が取られ、うまく動くことができない3人。軽やかに動く厚澤さん。厚澤さんの長年の経験が体に表れていた。途中休憩をとる。昔は作業の合間に取る休憩のこと小事飯(こじはん)と言ったらしい。「10時の小事飯」、「3時の小事飯」みないな。小事飯ではたくさんのお話が聞けた。厚澤さんが複数の地域の団体に所属していることを知る。また、県が持つ田んぼの田植えイベントも厚澤さんが代表となり、田んぼの管理もすべて受け持っている。私は6月12日のそのイベントに参加した。約100人のボランティアが集まる大規模な企画だった。農家の協力なしでは成り立たないイベントだった。厚澤さんは、地元の小さな地域にも、県にも携わり、協力をしている。厚澤さんが東浦和で生きてきた証みたいなものを12日に少しだけ見ることができた。
夜の勉強会は今年のサバキャンについて。2011年サバキャンのテーマは「生きる、つながる、生きる」だとみなみから発表される。いま主要で動いている学生のスタッフがそれぞれの思いを語る。私が印象に残った言葉は、つねさんが言った「知恵がつながる」だ。人と人だけではなくて、知恵、目に見えないものをつなげていく。それもサバキャンでやっていきたいことだと語っていた。私が水汲みの際に2年生に教えた、一輪車が運びやすいタンクの乗せ方も知恵の一つだと思った。それは私が去年農園のスタッフから教わったもの。どんどんと知恵がつながっているなと、つねさんの話を聞いて感じた。
二日目朝は第三農園で除草をし、午前は料理班だった。料理をしていて思ったことは、油断してはいけないということだ。火を見ている際、かまどからはみ出ていた木に膝をついてしまっていて、ズボンに穴があくまでそれに気づかなかった。また、鍋を見ているときも、腕にやけどを負ってしまった。完全に油断から発生したものだと反省した。
二日間久しぶりに農園のイベントにフルで参加して、「農園は、考えや問題を普段の生活に持ち帰るためにある場所」なのではないかと思った。生きていく中でそれぞれが考えることがある。それを農園で共有し、大勢で考える。そして、その時生まれた問題や考えを、それぞれが普段の生活に持ち帰る。その繰り返しが行われているなと思った。サバキャンでは人とのつながりはもちろん、生きていくための知恵や、問題意識をたくさん吸収して、家族、周りのひと、そして自分の“生きる”につなげたい。
粕谷友理江