みみサポみやぎでは、県内の事業者様に向けて、聴覚障害の基礎知識やコミュニケーションに
ついて情報提供を行う「事業者向けみみサポセミナー」を、昨年度より開催しています。
今年度は、長く続くコロナ禍で集まることが難しい状況であることから、Zoomでも
ご参加いただけるセミナーを企画しました。
2月8日に開催した今年度2回目のセミナーのテーマは「聴覚障害者と働く」。
聴覚障害者の雇用を検討している事業者様を対象に、聴覚障害を持つ方とのかかわり方について
情報提供を行う目的で開催したものです。
初めに「聴覚障害に関するマーク」について。
施設長の松本からは「聴覚障害の基礎知識/聴覚障害者とコミュニケーションの講話を。
見た目では障害が分からず、なかなか理解されにくい聴覚障害のこと、聴覚障害者との
コミュニケーション方法についてお話ししました。

仕事を円滑に進めるには、コミュニケーションが欠かせません。
聴覚障害者と職場でコミュニケーションをとる際に便利な機器の紹介も行いました。
そして、仙台市内で自動車の整備・販売の事業を行っている丸幸自動車工業株式会社の
取締役 阿部修さんと、同社に勤務している聴覚障害者の佐藤兼人さんをお招きし、
同社の取り組みについてお話しいただきました。

佐藤さんの仕事は車の塗装と板金。当初はその仕事内容から細かいコミュニケーションは不要と思われたそう。
ですが、実際に雇用するとコミュニケーション不足のためにトラブルもあったのだとか。
仙台市の福祉の窓口に相談し、手話通訳を介して佐藤様と話し合いを重ね、職場の環境を少しずつ
改善していったそうです。
同社の取り組みとして特徴的なのは、佐藤さん自身が指導する「手話教室」です。
挨拶や業務上の簡単なやり取りの手話を覚えてほしいということから、事務所の昼休みの時間帯に
18回にわたり実施したそうです。
最後は質疑応答を行い、2時間のセミナーを終了しました。

参加者からは、「長く勤めてもらうためにはコミュニケーションが重要であることが分かった」
「実際に雇用されている聴覚障害者の声を聞くことができてよかった」というご意見をいただきました。
みみサポみやぎでは、聴覚障害者の社会参加とよりよい生活環境づくりのため、
来年度以降も宮城県の市民・事業者の皆様への啓発の事業を続けていきます。福元でした。